青山メソッドですらすら書ける毛筆上達のコツ 【第2回】点画について学ぼう

小学3年生から書写の授業で、毛筆の学習が始まります。お子さまは毛筆を苦手と感じていませんか? 美文字王子こと、青山浩之先生に毛筆がうまくなるコツを伝授していただきます。青山先生の「青山メソッド」でコツを理解して、お子さまがきれいな文字を書けるように、手伝ってあげてください。
前回は、筆をはじめとした道具の正しい使い方や姿勢、基本の「横画」「縦画」についてお伝えしました。今回は「点画」の書き方の練習をしましょう。



漢字は8つの点画でできている

漢字は「点画」と呼ばれる部品でできています。点画は全部で8つあり、この点画の書き方、筆使いを理解することで、さまざまな漢字に対応できるようになります。
「点画」の書き方を理解するためには、筆の穂先がどこを通っているのかを理解することが大切です。まず知っておきたいことは、すべての点画で、筆の穂先の向きは常に左斜め上、45度だということです。



点画のポイント 穂先は常に左斜め上、45度

●横画
筆の穂先は左斜め上、45度で入れます。
そして、そのまま横に筆を動かします。

●縦画
筆の穂先を左斜め上、45度の角度で入れ、
今度は下に筆を動かします。

●折れ
まず横画を書くのと同じように横へ引き、
一度ピタッと止め、
そこからスッと下に引きます。

●左はらい
穂先は左斜め上、45度で入り、
そこからゆっくりと左斜め下に
引いていきます。
筆を徐々に持ち上げていき
最後は穂先だけが残ります。

●右はらい
穂先を左斜め上、45度で入れ、
右にはらうところで
いったん「ため」をつくります。
最後は穂先をまとめながら右へはらいます。

●そり
穂先を左斜め上、45度で入れます。
大きな円の一部を書くように
筆を動かします。
ひじをしっかり動かして書き、
筆の軸を回さないようにしてください。

●曲がり
少し力を緩めゆっくりと曲げていきます。
ひじをしっかり動かし、穂先の向きが
変わらないようにしてください。

●点
短く右下にスッと引いて、
グッと止めます(「犬」などの字に使われる点の場合)。
縦画を短くしたように書きます(「うかんむり」などの点の場合)。
それと左下に向かってグッと止める点もあります(「れっか」などに使われる点の場合)。

穂先の通り道を意識しながら、点画をくり返し練習すれば、漢字を書くのに必要な筆使いは簡単にマスターできます。


プロフィール


青山浩之

横浜国立大学 教育人間科学部教授。全日本書写書道教育研究会理事、全国大学書写書道教育学会常任理事。全国の小・中・高校の「書写」「書道」の授業の指導方法や、教員の育成など、「書写・書道教育」全般を研究するほか、講演活動やテレビ出演など多方面で活躍中。

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