子どものおこづかいを金銭感覚の「生きた教材」に

アンケート期間:2014/4/16~2014/4/22 回答者数:2067名
アンケート対象:本サイトメンバー 小学生~高校生の保護者のかた
※百分比(%)は小数点第2位を四捨五入して表示した。四捨五入の結果、各々の項目の数値の和が100%とならない場合がある

子どものおこづかいを金銭感覚の「生きた教材」に


小学生以上になると、お子さまに「おこづかい」を与える家庭も出てきます。「友達がもらっているから」とねだられて、どうしようか悩んでいる保護者のかたもいることでしょう。さらに、中高生では与えるのが当たり前になってきます。「他の家庭では、いくらくらいあげているのか」「ずばり、平均額はいくらなのか?」「使い道などの管理はどうしているのか?」今回は、そんな子どものおこづかい事情について伺いました。



おこづかいの平均額 小1・450円、中1・1,424円、高1は4,110円!

まず、子どもがどの程度おこづかいをもらっているのかを聞きました。定期的におこづかいを渡している保護者は小1の10.5%にはじまり、高3では77.2%と、学年が上がるにつれて高い割合となります。また、渡す頻度は「1か月に1回」が9割を占めており、小学校や中学校など、進学をきっかけとして渡し始めるようになるケースが多いようです。おこづかい額をずばりお聞きしたところ、その平均額は、小1・450円、中1・1,424円、高1・4,110円というように、学年とともに上がっていくことが見て取れます。なお、ボリュームゾーンは小学生では300~1,000円、中学生では1,000~3,000円、高校生では3,000~5,000円となっています。

【図1 お子さまには定期的におこづかいを渡していますか?】

図1 お子さまには定期的におこづかいを渡していますか?

【図2 お子さまにおこづかいを渡す頻度を教えてください】

図2 お子さまにおこづかいを渡す頻度を教えてください

【図3 おこづかいの平均額(学年別)】

図3 おこづかいの平均額(学年別)

【図4 お子さまの、1回あたりのおこづかいの金額を教えてください】

図4 お子さまの、1回あたりのおこづかいの金額を教えてください

おこづかいの金額、4割の子ども「少ない」 しかし使いきる子どもは1.5割

金額については、保護者の約7割が妥当と考えているのに対し、子どもは4割以上が少ないと感じているらしい、ことがわかりました。しかし、金額について子どもから交渉されることがあるか、という質問に対しては、「ある」という回答は3割にも達していません。不満はあれど、しぶしぶ納得している子どもも多いのでしょう。「家計のことを気にしているのか、交渉してきません」「かわいそうですが、交渉してもむだだと理解しているようです」という声が聞かれました。なかには「忘れていても請求してこない」という声も。
その半面、「必要なものは買ってあげているので、この金額でも満足のようです」「おこづかいで賄えないときは、一緒に外出した時にねだられます」との声もありました。実際、出かけた時の昼食代や洋服代、携帯電話料金といったものについておこづかいで賄わせているか伺ったところ、そういった支出の多い高校生においても、ほとんどの保護者がおこづかい以外に、別途お金を出している、という結果になっています。

【図5 お子さまのおこづかいの金額について、どうお考えですか?/お子さまはおこづかいの金額について、どう感じているようですか?】

図5 お子さまのおこづかいの金額について、どうお考えですか?/お子さまはおこづかいの金額について、どう感じているようですか?

【図6 おこづかいの金額について、お子さまから交渉されることはありますか?】

図6 おこづかいの金額について、お子さまから交渉されることはありますか?

【図7 おこづかいの中から、昼食代、洋服代、携帯電話料金、教材費などを賄わせることがありますか?(高校生)】

図7 おこづかいの中から、昼食代、洋服代、携帯電話料金、教材費などを賄わせることがありますか?(高校生)

子どもが毎月のおこづかいを使いきっているか伺ったところ、「全部使いきる」という回答は14.5%にとどまりました。その理由としては、「堅実なタイプなので、余った分は貯金をして、大型書籍やCDなどを買う際に使っている」というように「計画的な運用」と「使うものによっては、おこづかいの他にお金を渡している」という声にあるように「結果的に余る」に、大きく二分されるようです。

【図8 お子さまは、毎月のおこづかいをすべて使いきりますか?】

図8 お子さまは、毎月のおこづかいをすべて使いきりますか?



おこづかいの使い道 子どもに任せるもトラブルに懸念

次に、おこづかいの使い道について見ていきましょう。まず、おこづかいの取り扱いについて伺うと、9割近くの保護者が子どもの自由にさせている、と回答しました。おこづかいの保管方法について伺っても、「保護者が預かっている」という回答は1.4%程度で、財布や貯金箱など、多くの保護者が、保管についても子どもに任せている傾向がわかります。
その理由としては「1,000円しかあげていないので、それくらいは自由に使わせてあげたい」といったように、少額なのでせめて自由に……という声もありましたが、「限りあるお金の中で、本当に必要なものを選んで購入してほしいから」「おこづかいの範囲で自分がやりくりできるようにするため」といった、お金の使い方、管理を学んでほしい、という声が多くを占めました。

【図9 おこづかいは、保護者のかたの許可なく、お子さまご自身の考えで使うことができますか?】

図9 おこづかいは、保護者のかたの許可なく、お子さまご自身の考えで使うことができますか?

【図10 お子さまは、ご自分のおこづかいをどのように保管していますか?】

図10 お子さまは、ご自分のおこづかいをどのように保管していますか?

おこづかいをあげる条件として「おこづかい帳」で出納を管理させている、という保護者の声も多く見られ、実際に約4割の子どもが自分自身で管理を行っているようです。子どもの金銭感覚との相関をみても、おこづかい帳をつけている子どものほうが、「金銭感覚が成長している」と感じている保護者の割合が高くなる傾向があるようです。

【図11 お子さまはおこづかい帳などで、金銭の出納を管理していますか?/お子さまの金銭感覚について、保護者のかたはどうお考えですか?】

図11 お子さまはおこづかい帳などで、金銭の出納を管理していますか?/お子さまの金銭感覚について、保護者のかたはどうお考えですか?

おこづかいを巡るトラブルでは、「保護者の財布から勝手にお金を抜き取った」「友達から借りたお金を返さない」といったケースがアンケートの回答の中でも見受けられました。
また、お金の教育に関しては、家庭だけではなく学校でも行うべき、と考える保護者が7割を占める結果となっています。その理由としては、「家庭によって教育が行き届かない家がある。お金のことは将来犯罪に結び付くことがあるので、学校でも最低限の学習はすべき」といった声や「家庭でも考え方がそれぞれ違うので、平均的かつ一般的な話を学校でしてもらったほうがいいかと思います」といった声など、お金についての最低限のルールや知識は学校でも教えるべきでは、という意見が多く見られました。

【図12 子どもとお金の教育は、家庭だけではなく学校でも行うべきだと思いますか?】

図12 子どもとお金の教育は、家庭だけではなく学校でも行うべきだと思いますか?



消費税増税 8割は影響なし でも「お金」を考えるきっかけに

最後に、2014年度の消費税増税とおこづかいについて伺いました。まず、おこづかいへの影響について見てみると、影響はほとんどなかった、まったくなかったという回答が8割近くに上りました。ただ、もちろんおこづかいが少額の子どもにとっては少なからずショックがあり「3円の差は大きかったみたい」「駄菓子でさえ高くなっていた……とつぶやいていました」といった声も。

次に、家庭で消費税について話すことがあるか伺ったところ、7割近くが「ある」と回答しました。「たった3%だけれど、入学準備などで大きなお金が動いたのでけっこうな金額になるものが多く親子共に驚いた」「8%だと計算が面倒だ、という話をしたことがある」といったように、増税による日常生活への影響を心配する声が多く聞かれました。また、そこから「増税分が果たして国民が本当に納得できる税金の使い方になるのだろうか?と意見を言い合ったりします」「その税金の使い道は本当に公約どおりか」といったように、負担増の必然性について話し合っている、という声もみられました。

消費税増税は、おこづかいへの影響にかかわらず、子どもにとっては税金、ひいてはお金について考えるきっかけにはなっているようです。

【図13 4月1日からの消費税増税は、お子さまのおこづかいに影響がありましたか?】

図13 4月1日からの消費税増税は、お子さまのおこづかいに影響がありましたか?

【図14 ご家庭では、消費税について話し合うことがありますか?】

図14 ご家庭では、消費税について話し合うことがありますか?

お金について正しい知識を持ち、きちんと管理しながら上手に使っていくことは、社会生活を営んでいくうえで必要不可欠なものです。現在は消費税の増税など、自分の財布にも影響する出来事が起こっており、子どもも「お金」に関心を持ちやすい環境にあるといえます。子どもにある程度お金の管理を任せて当事者意識を持たせると共に、お金に対する知識や管理の必要性を学ばせてみてはいかがでしょうか。


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