いまさら聞けない子どもの身体によい食事【前編】バランスのよい食事作りのヒント

野菜をなるべく多く摂らせたい、魚と肉をバランスよく食べさせたいなど、毎日の献立を考えるときに保護者のかたが気を付けていることは多いと思います。ただ、自己流で不安もあるかたも多いはず。今回は、元日本オリンピック委員会強化スタッフで、現在はJリーガーやプロ野球選手への栄養・食事指導を行っている管理栄養士の川端理香先生に、バランスのよい食事作りのアドバイスをいただきました。



6大栄養素をバランスよく摂ろう

お子さまの健康な身体作りに大切なのは、小さなころから栄養のバランスのとれた食事を食べる習慣をつけることです。では、いわゆる「6大栄養素」を取り入れた、「栄養のバランスのよい食事」とは、どのようなものでしょうか。
 
目安として、1回の食事で主食+主菜+副菜+汁物+果物+乳製品の6品目を揃えるとよいですね。



主食……炭水化物=エネルギーになる(ごはん・パン・パスタなど)
主菜……たんぱく質=身体を作る(肉・魚・卵・大豆製品)
副菜……ビタミン・ミネラル=身体の調子を整える(野菜・きのこなど)
汁物……水分=水分補給をする
果物……炭水化物・ビタミン・ミネラル=エネルギーになる、身体の調子を整える
乳製品……たんぱく質、ミネラル(特にカルシウム)=身体を作る(牛乳・ヨーグルト・チーズ)


ただ、忙しい保護者にとって6品も用意するのは、大変なときもあるはずです。そんな場合には1日単位で、朝食で果物が摂れなかったら夕食で摂るなど、調整するとよいでしょう。また1週間単位で食事を振り返り、たとえば、今週は乳製品が足りなかったかなと思ったら、牛乳やチーズをおやつとして提供するなど、不足分を補ってあげましょう。
もう一つ大切なのは、食材によって栄養素や吸収率は異なるため、偏りなく多くの食材から栄養素を摂取することです。一日30品目摂るように言われているのは、このためです。たとえば、同じたんぱく質でも植物性と動物性をバランスよく摂ることで、身体の成長に必要なアミノ酸をまんべんなく吸収できます(たんぱく質は約20種類のアミノ酸が鎖状につながってできた化合物です)。
加えて、私がスポーツ選手にアドバイスする際は、同じたんぱく質でも、身体のコンディションを考えて食材を選ぶようにすすめています。たとえば、試合後の疲れたときにすすめるのは、マグロの刺身です。マグロは、たんぱく質のなかでもアミノ酸の組成が非常によく、疲労回復や筋肉量アップなどに関与する栄養素が豊富に入っています。そのほか、疲労回復には豚肉、体調がすぐれないときには消化のよい鶏肉などを選ぶようにしています。



冷凍食品や加工食品も賢く使って栄養補給!

できるだけ多くの食材を摂取してほしいと話しましたが、魚は調理しにくいし、値段も高いので控えがちというご家庭も多いかもしれません。その場合は、加工品を使ってみるとよいでしょう。ツナ缶・サバ缶・シーフードミックスなどをメニューに活用してはいかがでしょうか。私がよく使うのは、高たんぱくだけど低カロリーなシーフードミックスです。炒め物や汁物にも使えるので、一つ冷凍庫に置いておくと便利です。食べやすさといった点でも加工品はおすすめです。生のマグロは苦手でも、ツナなら食べられるお子さまも多いはずです。その場合は油に注意して上手に取り入れていただきたいものです。
野菜も値段が高いときは控えがちかもしれませんが、そんなときは冷凍野菜やトマト缶なども活用してほしいですね。旬のときに収穫してカットし、急速冷凍されたものが多いため、栄養価は生のものよりも高い商品もありますので、上手に活用してください。



食事作りでお子さまの夢実現をサポート

私はJリーガーやプロ野球選手へ食事のアドバイスをしていますが、日々の食事に気を付けることで、「疲れにくくなった」「自分のイメージどおりの動きができるようになった」などの声を聞きます。これはお子さまにとっても同じです。食事に気を付けると、健康な身体を保つことにつながるだけでなく、スタミナがアップしたり、集中力がついたりします。ですから、スポーツをがんばりたいお子さまや、勉強をがんばりたいお子さまにとっても、食事はとても大事です。どんな将来を目指すにせよ、健康な身体は不可欠ですから、日々の献立をぜひ見直してみてほしいですね。

次回はお子さまのタイプ別アドバイス、献立の見直し方のアドバイスを川端先生にお話していただきます。


プロフィール


川端理香

「WATSONIA(ワトソニア)」代表。管理栄養士。元日本オリンピック委員会強化スタッフ。現在もプロスポーツ選手の栄養管理などを多数受け持つ。著書や監修書に『カラダの悩みは食べ方で99%解決するークスリに頼らない食事術—』(ゴルフダイジェスト社)、『子どもの身長を伸ばす栄養と食事』『勝てるカラダをつくる!野球選手の栄養と食事』(大泉書店)他多数。

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