家庭でできる小学校英語 コミュニケーションを楽しむ【第3回】
2011(平成23)年度から、小学5、6年生に対して外国語活動が必修化されています。
保護者は、子どもたちの外国語活動をどのように見守り、どのように関わっていけばよいのでしょうか。
前回に引き続き、小学校現場で英語の指導をし、英語に関する本を数多く執筆されている粕谷恭子先生にお話を伺いました。
<家庭でできる小学校英語(動画)>
<粕谷恭子先生から保護者の皆さんへ>
保護者の方々にお願いしたいことが2つあります。
ひとつは、おうちに帰って来た子どもたちに、「今日は何が言えるようになったの?」「今日は外国語活動があったけれど何をしたの?」と、問い詰めるような聞き方はなさらないでいただきたいということです。「今日は楽しかった?」「どんなことやったの?」という程度の問いかけにしていただきたいと思います。
と申しますのも、子どもたちは、「今日はこんなことをしゃべったとか」「これだけ言えるようになった」ということを、上手に伝えることができません。そのことが、自信をなくしてしまうきっかけにもなりますし、保護者がこれだけ要求しているというのは、子どもたちにとって大変大きなプレッシャーになります。
考えてみてください。週に1時間だけ、2年間やっただけで、英語がペラペラ話せるようになるでしょうか。そのようなきつい問いかけをお子さんになさらないで、「今日は楽しかった?」「どんなことしたの?」というような、温かい言葉かけをしてあげていただきたいと思います。
もうひとつは、担任の先生の関わりに対するご理解です。教室という場で、学校でのお父さんお母さんのような役割の先生方が、外国語でのコミュニケーションに関わってくださることの意義ははかりしれません。先生方もいろいろ不安が多いなかで、真剣に取り組んでいらっしゃいますので、担任の先生が、国語や算数を教えるほど外国語を上手に教えることができなかったとしても、先生はがんばってくださっているなあと、温かく応援してあげていただきたいと思います。
<英語のヒント>
ではここで、家庭でできる英語の声かけや、ほめ言葉をご紹介します。
(以下、大意を一部和訳してお届けします)
ALT:Let’s practice together.(一緒に練習しましょう。)
What food do you like?
何の食べ物が好き?
What sports do you like?
何のスポーツが好き?
What Color do you like?
何色が好き?
ALT:OK, good! では、子どもをとても幸せにする、3つの魔法の言葉を紹介します。
Great! すごいね!
Excellent! すばらしい!
Good job! よくできました!
OK! Please try it!(試してみてくださいね!)
<教育相談室>
当サイトの「教育相談室」に寄せられた、お子さまの英語に関する相談に粕谷先生が答えます。
Q.小学校で英語が始まりますが、家でも勉強させたほうがよいでしょうか?
A. 学校で行う外国語活動のために、ご自宅で前もって何か予習したり、勉強したりする必要は一切ありません。どうぞ安心して、学校に子どもたちを送り出してあげてください。
そのかわりご自宅では、しっかり日本語で、ごくごく当たり前のごあいさつや、「ありがとう」「ごめんなさい」というような言葉を、きちんと使える人を育ててください。
ご自宅で、言葉を大切にして過ごしていただければ十分だと思います。