保護者の世代とは大きく違う? 現代の給食事情
アンケート期間:2012/07/25~2012/07/26 回答者数:2,617人
アンケート対象:本サイトメンバー 園児~高校生のお子さまを持つ保護者
※百分比(%)は小数点第2位を四捨五入して表示した。四捨五入の結果、各々の項目の数値の和が100%とならない場合がある
お子さまの昼食は、給食ですか? それともお弁当ですか? 今回は、子どもの昼食は給食であるという保護者に、お子さまの好きなメニュー、嫌いなメニュー、給食に対する保護者ご自身の満足度と要望など、給食に関するさまざまなアンケートを行いました。
また、次回は、子どもの昼食はお弁当であるという保護者に実施した、お弁当についてのアンケート結果をご紹介します。ご期待ください!
給食かお弁当か、子どもの好みは半々!
最初に、保護者から見て、お子さまは給食とお弁当のどちらが好きなように思うかを伺いました。
【図1 お子さまは、給食とお弁当のどちらが好きだと思いますか?】
子どもは「給食」が好きなように思うという保護者は、46.5%。一方、「お弁当」が好きなように思うという保護者は、53.5%でした。保護者から見たお子さまの好みは、やや「お弁当」のほうが多いものの、ほぼ半々に分かれていることがわかります。
保護者が、子どもは「給食」が好きなように見える理由、「お弁当」が好きなように見える理由を、それぞれ見てみましょう。
◎お子さまは「給食」が好きなように見える理由
●デザートがあり、メニューが豊富だと言って、毎日よろこんで食べているから
●お弁当として持って行けない、給食ならではのメニューがあるから
●お弁当は冷めてしまったり、ぬるくなってしまったりしますが、給食は温かい食べ物を温かいうちに、冷たい食べ物を冷たいうちに食べられるから
など
◎お子さまは「お弁当」が好きなように見える理由
●自分の好きなおかずが入っているから
●自宅でつくる「お弁当」は、朝食や夕食とのバランスがとれているから。給食だと、たとえば朝食に家でトーストを食べてきて、昼食もパンだったりしますが、「お弁当」なら、そういうことは防げます
など
子どもの昼食は、「給食」であってほしい!
次に、保護者としては、お子さまの昼食は「給食」「お弁当」のどちらであってほしいかを伺いました。また、お子さまのためには「給食」「お弁当」のどちらがよいと思うかもお聞きしています。
【図2 あなたは、お子さまの昼食は、給食とお弁当のどちらであってほしいですか?】
【図3 お子さまのためには、給食とお弁当のどちらがよいと思いますか?】
保護者としてお子さまの昼食が「給食」「お弁当」のどちらであってほしいかを伺ったところ、「給食」であってほしいという保護者が9割以上(図2参照)。「お弁当」に大差をつけました。そう思う理由として目立ったのは、次のような声でした。
●お弁当をつくる手間がかからないから
●お弁当だと入れるおかずも限られるし、おかわりもできないから
など
一方、子どもの昼食は「お弁当」であってほしいという保護者もいらっしゃいます。そう思う理由としては、次のような声が挙がりました。
●家庭の愛情を感じてほしいから
●子どもが大きくなって、わたしのお弁当の味を思い出してくれたらうれしいから。園から高校まで10数年、長いようで短い期間なので、毎日つくってあげたいです
など
また、お子さまにとっては「給食」「お弁当」のどちらがよいと思うかをお聞きした図3でも、「給食」がよいと思うという意見が9割近くを占めました。
お子さまの昼食は「給食」がよいと思う、「お弁当」がよいと思う、それぞれの理由を見てみましょう。
◎お子さまにとって、昼食は「給食」がよいと思う理由
●栄養のバランスがとれた献立だから
●好き嫌いなく、何でも食べられるようになると思うから
●お弁当に入れにくいメニューや家では食べないメニューが出されるので、子どもにとっても楽しいと思うから
など
◎お子さまにとって、昼食は「お弁当」がよいと思う理由
●子どもの食欲や健康状態に合わせた献立にできるから
●子どもに合った量でつくれるから
●わたし自身が食材を選ぶことで、安全性に気を配れるから
など
小学校ではほぼ100%が給食!
では、お子さまの園・学校では、昼食は「給食」でしょうか、「お弁当」でしょうか。保護者に伺いました。
【図4 お子さまが通う学校・園では、昼食は「給食」「お弁当」のどちらですか?(学校種別)】
結果は、小学生のお子さまをお持ちの保護者の98%が、子どもの昼食は「給食」であると答えました。ただ、「給食」の割合は学校段階が上がるにつれて減少しています。中学生では55.2%と過半数を占めましたが、高校生では3.5%と、小学生の約30分の1にまで減っていました。中学生以上から「お弁当」の割合が増えていることがわかります。
半数以上の給食が「学校付属の施設」でつくられる
続いて、毎月の給食費、お子さまの園・学校の給食はどこでつくられているかを伺いました。
※ここからの質問はすべて、図4で、子どもの園・学校の昼食は「給食」であると答えた保護者にのみお答えいただいています。
【図5 お子さまの園・学校の給食は、どこでつくられていますか?】
毎月の給食費をお聞きしたところ、「4,000円」前後の回答が大半でした。
また、お子さまの園・学校の給食は、「学校に付属する施設」でつくられるという声が5割を超えてトップ。次いで、「地域の給食センターから配送される」が約4割でした。
子どもの好きなメニュー、嫌いなメニューはこれ!
次に、保護者から見てお子さまの好きな給食のメニュー、嫌いな給食のメニューをお聞きしました。
◎お子さまが好きな給食のメニュー
揚げパン/肉じゃが/鶏肉のレモン和え/魚の竜田揚げ/ラーメン/ミートソース/ミートソーススパゲッティ/カレー/グラタン/シューマイ/麻婆豆腐
など
◎お子さまが嫌いな給食のメニュー
野菜炒め/野菜サラダ/納豆/豆料理/魚
など
お子さまが好きな給食のメニューには、和食・洋食・中華料理のほか、ご飯類・麺類・パン類と幅広くさまざまなものが挙がりました。給食の献立のバラエティーが豊富であることがわかります。
一方、嫌いな給食のメニューとしては、「特にない」という声も少なくありませんでした。
保護者の子ども時代と比べて、給食にこんな変化あり!
では保護者は、ご自身の子ども時代と比べて、給食が様変わりしていると思っているでしょうか。
【図6 あなたの子ども時代と比べて、今の給食は様変わりしたと感じますか?】
最も多かったのは、自分の子ども時代と比べて、今の給食は「とても変化した」と思うという保護者で、46.5%。「まあ変化した」と思うという保護者と合わせると87.2%のかたが、給食の変化を感じていました。
では、給食のどのようなところに変化を感じているでしょうか。具体的に伺ったところ、次のように「メニューのバラエティーが豊かになった」「おいしくなった」という声が目立ちました。
●わたしが子どものころに食べた給食はパンばかりでしたが、今の子どもの給食はご飯の日もあるし、麺の日もあります。メニューがとても増えたと感じます
●主食もおかずも、今はレパートリーが増えていると感じます。わたしの子ども時代は、給食にご飯は出なかったような気がします
●何よりも味! 今の給食は、わたしのころとは比較にならないほどおいしくなったと思います。また、子どもが好むようなおかずがよく出るなど、メニューも豊富になったのではないでしょうか
など
一方、自分の子ども時代と比べて給食に「変化は感じない」という保護者からは、次のような声が寄せられています。
●わたしも食べたメニューが今も出されているから
●メニューは豊富になったかもしれませんが、それ以外のところはさほど変わっていないような気がします
など
約7割の給食が「地産地消」の考えを反映!
近年、日本の食料自給率を上げるための対策としてなど、さまざまな面で「地産地消」(地域で生産した食材を地域で消費すること)が注目されています。お子さまの園・学校の給食には、「地産地消」の考えが反映されているでしょうか。また、反映されているとしたら、そのことを保護者はどう思っているでしょうか。
【図7 「地産地消」(地域で生産した食材を地域で消費すること)の考えが、給食に取り入れられていますか?】
【図8 図7で「給食に『地産地消』の考えが取り入れられている」と答えたかたに伺います。「地産地消」を取り入れた給食について、どのように思われますか?】
お子さまの給食に「地産地消」の考えが「取り入れられている」という保護者は、約7割(図7参照)。具体的にどのように取り入れられているかを伺ったところ、次のような声が寄せられました。
●地元でとれた野菜を使っているようです
●毎月、地元の食材を使ってつくる「地産地消の日」があります
●保護者にアンケートをとり、上位にランクインした料理を地元の食材でつくることがあります
など
また、「地産地消」を取り入れた給食に対する保護者の感想としては、「よいと思う」という保護者がほぼ10割を占めています(図8参照)。よいと感じる理由を見てみましょう。
●新鮮な野菜が食べられるから
●地域の食文化を継承できると思うから
●自分にとって身近な場所でつくられていることがわかって、農家のかたへの感謝の気持ちを抱きやすいと思います
●理由は2つあります。1つは、地元でどのような野菜がとれるのかを子どもが実感できるから。もう1つは、輸送費用を抑えながら新鮮な野菜を使えるからです
など
保護者から見て、給食に満足する子どもは7割以上!
続いて、保護者から見た給食に対するお子さまの満足度を伺いました。
【図9 お子さまは給食に満足しているようすですか? (学校種別)】
【図10 お子さまは給食を完食しているようすですか?】
結果は、学校段階にかかわらず、7割以上の保護者が子どもは給食に「満足している」ようだと答えました(図9参照)。満足していると感じる理由としては、次のような声が寄せられています。
●いつも残さずに食べているようだから
●おいしかったメニューの話をよくしてくれるから
●おかわりをした、おいしかったといった話が、子どもの口から毎日のように出るから。給食と同じメニューをつくってほしいとリクエストされることも珍しくありません
など
一方、子どもは給食に「満足していない」ようだという保護者からは、そう感じる理由としてこんな声が聞かれました。
●食べる時間が短く、ゆっくり食べられないと言っています。また、冷凍食品のようなものばかりが出ると、内容についても不満があるようです
●量が少なく、「お腹がいっぱいにならない」と不満そうです
など
また、お子さまが給食を残さずに食べているようかどうかをお聞きしたところ、子どもは「完食しているようだ」という保護者が約8割(図10参照)。そのうち約半数の保護者は、「おかわりもしている」と答えています。
給食を完食するお子さまの多さからも、給食に対するお子さまの満足度の高さが伝わってくるのではないでしょうか。
子どもの給食に満足する保護者多し!
では保護者は、お子さまの給食に満足しているでしょうか。
【図11 あなたは、お子さまの給食に満足していますか?】
最も多かったのは、子どもの給食に「満足している」という保護者。9割近くに達し、「満足していない」を大きく引き離しました。満足している理由を見てみましょう。
●栄養のバランスをしっかり考えてつくってくれていると思うから
●野菜嫌いだった子どもが、給食を食べることで、少しずつ野菜が食べられるようになってきたから
●メニューのバラエティーが豊富だし、食材にも旬のものを使っていて、「よく考えてつくっているなあ」と感心します。子どもに聞くと、味も良いとのことなので、大満足です!
など
もっとも、少数ながら、子どもの給食に「不満がある」という保護者も。不満を感じる理由として、次のような声が寄せられています。
●毎日の献立表を見るたびに、「おかずが少ない」と思います。こんなに少なくて、食べざかりの中学生がお腹いっぱいになるのでしょうか?
●何回か試食しましたが、味つけが濃すぎ! また、わたしとしては、食材の安全性にも疑問があります
●うちの子にとっては量が多いのに、先生からは「残さず食べなさい」と言われるようです。子どもは「つらい」と言っています。また、給食費も高いです
など
給食に対する保護者の要望をご紹介!
最後に、給食についての保護者の要望をご紹介します。
☆給食について要望があれば教えてください。
●安全な食材を使ってほしい
●気になるメニューのつくりかたを知りたい
●子どもが嫌いな食べ物も、残さずに食べるように指導してほしいです。また、給食の時間がもう少し長くても良いと思います
●学齢に応じて量を変えてほしい。うちの息子は小学校高学年ですが、いつも「足りない」と言っています
など
多くの保護者が、お子さまの園・学校の給食に満足していました。満足する理由として目立ったのは、「栄養バランスがよいから」「メニューが豊富だから」など、しっかり考えてつくられているからという声でした。給食に対する保護者の信頼が高いことがわかります。
また、保護者から見たお子さまの様子でも、給食に「満足している」ようだという声が大半。「おいしかった」「こんなメニューが出た」「うちでもつくってほしい」など、給食について毎日のように保護者に話すお子さまも少なくないようです。
今回のアンケートでは、給食に対する保護者の要望も伺っています。保護者の声を反映した、よりよい給食になるように、働きかけていきたいものですね。
次回は、お子さまの昼食「お弁当」編です。お楽しみに!