挨拶ができる子どもに育てるためにはどうしたらいいの?

幼稚園入園が近づいてくると、挨拶をきちんとできるお子さまになってほしいと願う保護者も多いのではないでしょうか。
挨拶はコミュニケーションの基本となるため、日ごろから習慣づけさせたいものです。しかし、初めから上手にできるお子さまは少なく、保護者の手助けが必要となります。そこで、挨拶をどのように教えればいいのか、挨拶ができるようになるためにはどうしたらよいのかを考えていきましょう。

なぜ挨拶をしないの?

幼稚園に通い出すと、家族以外のお子さまや保護者、近所の大人との関わりが増え、挨拶をする場面も多くなります。挨拶が必要なタイミングでお子さまに「ご挨拶は?」「なんて言うんだっけ」と挨拶するように返事を促しても、言ってほしい一言がなかなか出てこないということもあるかと思います。そのような時、保護者は困ったなあと感じるのではないでしょうか。
しかし、お子さまが挨拶できないことには理由があります。保護者はその理由を理解することが子育てのマナーを育む際に大切です。では、その理由とはいったいどのようなことでしょうか。

恥ずかしがりやの性格のお子さまだと、初めて会った人の前や知らない場所、何度か行ったことはあるがまだ慣れていない場所などでは、言葉を発すること自体が難しい場合もあります。
自分を受け入れてくれる相手、もしくは、自分が受け入れられる相手であるかどうか判断できるまでは警戒してしまい、挨拶できないからです。

また、お子さまは、その時の気分で行動してしまうこともあるでしょう。叱られたばかりの時や遊びに夢中な時など、挨拶をする気分にはなかなかなれません。普段挨拶ができるお子さまでも、気分がのらない時や機嫌が悪い時は、言葉が出てこないこともあるでしょう。

小さいお子さまほど周りの状況や雰囲気を察して、挨拶できずにいることがあります。
保護者はお子さまの気持ちを理解し、無理に挨拶をさせることは避けましょう。

どうすれば挨拶できる子に育てられる?

「自分から自然と挨拶ができるような子になってほしい」と願う保護者は多いはず。では、どうすれば挨拶のできる子に育つのでしょうか。

まずは、保護者が挨拶をする姿を見せることが大切です。
お子さまは身近にいる保護者の姿を見ながら育ちます。信頼している保護者の言動を見本として成長していくので、外でも家でも自然と挨拶ができる保護者を見て、マネをするようになるでしょう。
まず、保護者がどんな時でも「おはよう」「ありがとう」「ごめんね」と言えているか、振り返ってみることが大切です。保護者が習慣的に挨拶をしていると、お子さまも「どのタイミングで挨拶をすればいいのか」を理解しやすくなります。

そして、挨拶ができないからといって、叱ったり無理強いしたりしないようにしましょう。
挨拶をしてほしいという保護者の気持ちを優先してしまい、お子さまが挨拶しないという理由で叱ったり、強制的にやらせようとしたりすることは避けてください。お子さまの気持ちを理解せずに、このようなことを繰り返していると、お子さまにとって挨拶は、叱られること、嫌な思いをすること、という悪い印象のものになり、どんどん苦手なものになってしまうでしょう。

また、恥ずかしくて挨拶ができないという場合もありますので、お子さまの気持ちを理解し、「一緒に言ってみようか」という声かけをしたり、言えるタイミングまで待ってあげたりすることも大切です。挨拶ができたら「笑顔で返してくれて嬉しいね」「ありがとうって言えたから、お友達になれたね」と一緒に喜んであげましょう。そして「じょうずにできたね」と、褒めてください。挨拶をすると嬉しい気分になることをお子さまが感じられるようにします。

挨拶の練習として、ごっこ遊びに挨拶を取り入れてみるという方法もよいのではないでしょうか。遊びの中で挨拶することで自然と練習になりますし、自信がつくでしょう。

もし、言葉が分かる年齢なら、挨拶は「元気ですか」という気持ちを込めて相手を思うこと、あなたのことを気にかけていますよ、という気持ちを伝えること、元気を分けてあげることなど、なぜ挨拶が大切なのかをお子さまに教えてあげましょう。
お子さまが挨拶をすることで、心が通い合うという経験や温かさを感じられるよう、保護者がサポートしてあげてください。

「挨拶する習慣」は一朝一夕には身につかないもの

挨拶は教えたからといって、すぐに身につくものではありません。「挨拶ができるように育てなければ!」と保護者が焦るあまり、お子さまに無理強いしたり叱ったりすることは、親子どちらにとってもストレスになってしまいます。
挨拶をしてほしい場面でお子さまが挨拶できずに相手の方と気まずくなってしまう時には、保護者が挨拶をしたうえで「恥ずかしがり屋でして…」などと相手に一声かけておくことも大切です。お子さまには「今度は挨拶しようね」と、優しく声をかける程度にして叱らないようにしましょう。

保護者が挨拶をしていれば、その姿を見ていつかはお子さまも挨拶ができる子に育っていきます。また、家庭内だけでなく、地域の人たちが挨拶を交わす環境があれば、お子さまにも自然と挨拶が身についていくでしょう。
挨拶ができない時は、お子さまにそれぞれの理由があるので、プレッシャーにならないよう、長い目で見守ってあげてください。

親も子供と一緒に、気持ちよく挨拶しよう

挨拶は家庭内だけでなく、学校や習い事、地域などさまざまな場所でも必要になります。子供の頃に挨拶を身につけることで、学校に進んだあとの友達とのコミュニケーションや部活動の先輩や指導者との関わり、社会での上下関係など、どんな場面においても役立つようになるでしょう。
しかし、「必要だから」と保護者が焦ることもありません。まずは、挨拶を強制する前に、保護者自身がどんな場面でも気持ちよく挨拶できているかを振り返ってみましょう。保護者の表情をお子さまはよく見ているので、保護者が笑顔で挨拶していれば、きっと興味を持ってマネしてくれるようになりますよ。

プロフィール

監修:市川由美子

保育士として15年以上にわたり、福祉施設、託児所、保育園などさまざまな場面での保育業務に携わる。
食育実践プランナー資格も有している。

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