歯磨きは何歳から?歯磨き粉は使うべき?歯科医がアドバイス

大人になってからもずっとお口の健康を守るためにも、お子さまには早くから正しい歯磨きの習慣を身につけてほしいですよね。しかし、いつ頃から歯磨きをさせたらいいのか、保護者による仕上げ磨きはいつ頃まで手伝うのがいいのか、歯磨き粉は使うべきなのかどうか、など疑問もあるかと思います。
そこで、今回はお子さまの歯磨きに関してご紹介していきます。

歯磨きは歯が生えてきたらスタート!

お子さまの歯磨きは歯が生えてきたら始めるようにしましょう。一般的に、乳歯は生後6カ月から9カ月頃に、前歯から生えはじめます。歯の生える順番や時期には個人差があり、下の前歯から生えることが多いですが、上の前歯から生えることもあります。また、生後2カ月頃生えてくることもあれば、1歳を過ぎても歯が生えてこないこともあります。歯が早くに生えてきて授乳に支障をきたす場合や、1歳半を過ぎて歯が生えていない場合は自治体が行っている歯科相談や歯科医院で相談してください。

歯磨きは最初から歯ブラシでゴシゴシ磨く必要はありません。口の中に得体の知れないものを入れられるのは大人でもビックリしてしまいます。お子さまも怖がったり嫌がったりしてしまうでしょう。この時期は、まず歯磨きという行為に慣れさせることが大切です。1日1回、ガーゼで歯をやさしく拭いてあげるところからはじめましょう。慣れてきたら、徐々に赤ちゃん用のやわらかい歯ブラシに移行していきましょう。

歯ブラシを使って磨いてあげる時には、保護者のひざの上にお子さまの頭をのせて寝かせ、上からのぞき込むような姿勢で磨いてあげましょう。上の歯を磨く時には上唇を、下の歯を磨く時には下唇を、歯ブラシを持っていないほうの手の人差し指で軽く持ち上げて、唇や上唇小帯(上唇から歯茎にのびるスジ)に歯ブラシが当たらないように気をつけてあげてください。奥歯を磨く時は口角から人差し指をいれ頬を膨らませ、よく歯が見えるようにしてから、しっかり磨いてあげましょう。

3歳頃から自分で歯磨き!

お子さま自身が歯ブラシを持ちたがったら、いつでも赤ちゃん用の歯ブラシを持たせてあげてください。ただし、歩きながら歯ブラシを持つのは喉の奥をついてしまう事故につながるので注意が必要です。心配なかたは、喉突きを防ぐためブラシの下あたりにプレートやリングが付いた歯ブラシもあるので、利用してみてはいかがでしょうか。
また、乳歯が生えそろう2歳半から3歳頃からは、自分で磨くようにうながしてあげましょう。その際、まずは保護者と一緒に楽しく歯磨きを行うことから始めましょう。歯磨きの歌を歌いながら歯磨きをするのも良いでしょう。自分で歯磨きをすることに慣れてくると、「下の歯の外側からはじめてみよう」と順番を決めてあげたり、「ママのまねをしてみてね」と見本をみせてあげたりして、徐々に自分できれいに磨くことができるように導いてあげましょう。最初は「一人で磨けるようになった!」という達成感が大事ですので、正しい磨き方にこだわるよりも「一人でできたね!すごいね!」とたくさんほめて意欲を高め、歯磨きの習慣をつけてあげましょう。

歯磨き粉は、お子さまが自分一人で口をすすげるようになってから使います。一般的には3歳前後で、うがいやすすぎができるようになってきますので、うがいができるようになってから歯磨き粉を付けましょう。歯磨き粉はほんの少し、歯ブラシの先端に3mm程度のせて使用してください。

仕上げ磨きは8~9歳頃までしてあげよう

自分での歯磨きが終わった後は、必ず保護者が仕上げ磨きをしてあげましょう。仕上げ磨きの際は、歯と歯の間や歯と歯茎の間、奥歯の噛み合わせなど、汚れが残りやすいポイントを重点的に磨いてあげましょう。
仕上げ磨きはお子さまが嫌がったり保護者も面倒だったりして小学生頃になるとしなくなるというご家庭もあるかもしれませんが、乳歯(子どもの歯)から永久歯(大人の歯)への生え変わりが進む8~9歳頃までは続けることが大切です。
6歳前後に永久歯への生え変わりが始まりますが、生えはじめたばかりの永久歯は虫歯になりやすく、乳歯と永久歯が両方生えているため歯並びがガタガタしており磨きにくいので、この時期は特にしっかり歯磨きをすることが大切です。仕上げ磨きでチェックをしてあげましょう。

「面倒くさい」「恥ずかしい」といった理由で大きくなると仕上げ磨きを嫌がることもあります。無理矢理仕上げ磨きをせず、お子さまの成長とともに「2日に1回」にしたり、いつも磨き残しているところだけにしたりとだんだん仕上げ磨きの回数や時間を減らしていってもよいでしょう。そして自分一人でもしっかりと磨けていると判断できたら、仕上げ磨きを卒業しましょう。

歯磨き粉のメリットやデメリットは?

歯磨き粉を使うメリットは、フッ素による虫歯予防が挙げられます。フッ素には、歯の表面にある歯質を強化し溶けにくくする、カルシウムやリンといった成分を再石灰化する、歯垢の酸生成を抑制するなどの効果があります。また、研磨剤が入っているので茶渋などのステインをとることができます。
一方デメリットですが、歯磨き粉を使用して歯磨きを行うと、泡がたくさん出るので歯が明瞭に見えない、泡が出たことできちんと歯磨きをした気持ちになって汚れを磨き残してしまうことがあげられます。また、ホワイトニング用など大きな粒子の研磨剤を含む歯磨き粉の場合、歯のエナメル質を削ってしまう場合があります。
お子さまの場合歯磨き粉の使用に慎重な保護者のかたもいらっしゃいます。歯磨き粉はあくまで虫歯予防の一助であり、歯ブラシで機械的に歯を磨くこと、甘いものを控えることが大切です。甘い物を食べ過ぎないよう気をつける、丁寧に溝や歯の間まで歯ブラシできれいに磨く、といったことができていれば歯磨き粉を使用しなくても虫歯を予防することができます。
歯磨き粉の使用に迷っているかたは、お子さまの食生活や生活習慣なども含め、歯科医院や歯科健診などで相談するとよいでしょう。

お子さまの歯磨きに関しては、仕上げ磨きを行っている段階であっても、仕上げ磨きを卒業してお子さま自身で磨けるようになったとしても、歯磨きを習慣化し続けていけるように見守ってあげましょう。また同時に食生活などにも気をつけていくことが大切です。
幼い頃から歯磨きをする習慣を身につけ、将来もお口の健康を保っていけるようにしましょう。

プロフィール



歯科医師。2011年東京医科歯科大学歯学部歯学科卒業。2012年同大学歯学部附属病院での研修医課程を修了。2012年同大学大学院医歯学総合研究科博士課程に入学し健康推進歯学分野で口臭とクオリティオブライフやヘルスリテラシーについての研究を行い、国内外の学会にて発表行う。また同時に、息さわやか外来での診療や都内の保健センターで1歳半・3歳児健診など健診事業に従事。現在はイギリスでの育児に奮闘中。

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