いつまで続くの? どうやって乗り切る? 産後の「ガルガル期」について解説

赤ちゃんを産んだあと、理由もなくイライラして身近な人に当たってしまったり、周囲の人に不快感を覚えてしまったりして悩むことはありませんか? イライラしている自分が嫌になってしまうこともあるでしょう。
思い当たるところがある人は、いわゆる産後の「ガルガル期」なのかもしれません。今回は産後のガルガル期について、乗り切り方も含めてご紹介します。

ガルガル期とは

「ガルガル期」とは、女性が出産後に気性が荒くなることを表したネットスラングです。動物の母親が産んだばかりの子どもを守るために攻撃的になることになぞらえられています。
具体的には、パートナーに対してきつい言葉をかけてしまったり、家族など自分以外の人に赤ちゃんを触ってほしくないと感じたりするようになります。また攻撃的になってしまったあと、自己嫌悪に陥ることが多いのも特徴です。

ガルガル期の原因は?

ガルガル期は複合的な要因によって起こります。以下で考えられる原因を見てみましょう。

◆環境の変化
赤ちゃんが生まれると自分を取り巻く環境が大きく変わります。その急激な変化からストレスがたまり、周りに対して攻撃的になってしまうことがあるのです。
まず赤ちゃんに合わせて生活することになるため、生活リズムが変化します。家事のリズムが崩れてイライラしてしまった経験のある人も多いのではないでしょうか。また夜中も授乳が必要なだけでなく、夜泣きもあるため、睡眠不足からストレスがたまることもあるでしょう。
さらに産後の女性は孤立感に襲われることが多々あります。日中赤ちゃんと二人きりになっていると「この大変な育児はいつ終わるのかな」と不安になることもあるのではないでしょうか。また産休・育休をとっている場合は、社会復帰できるか心配になることもあるでしょう。
以上のような環境の変化がガルガル期を引き起こしていると考えられます。

◆身体の変化
産後の身体の変化も、ガルガル期を引き起こすと考えられる原因のひとつです。
まず思うように身体が動かずイライラしてしまうことがあります。産後は体力が低下しているため、「やりたいことがちっとも進まない」という経験のある人も多いのではないでしょうか。
また体型の変化に対してもストレスを感じやすい時期です。体重が減らない、体型が元に戻らないという焦りから、イライラしてしまうことがあります。
さらにホルモンバランスの変化も攻撃性を強めてしまう原因だといわれています。

いつからいつまで? ガルガル期の期間

ガルガル期の時期や期間は人によりさまざまです。なかにはガルガル期がない人もいます。
始まる時期については、産後すぐ始まる人もいれば、数カ月して始まる人もいます。また妊娠中からずっとイライラが続いているというケースも見られます。
終わりの時期も幅があります。ホルモンバランスが元に戻ってもガルガル期が終わるとは限りません。産後1か月で終わる人もいれば、10年近くイライラが続いてしまう人もいます。
「ガルガル期は時間が解決する」と考えていると、長期にわたってしまう可能性があります。ガルガル期が長引くと自分も周りもつらいですよね。したがって、効果的な解決策を模索する方が建設的だといえるでしょう。

ガルガル期にはどう対処する? イライラを乗り切る方法

ガルガル期を乗り切るためには、ストレスの軽減が重要です。以下でガルガル期を乗り切る産後のストレス軽減方法をご紹介しましょう。

◆パートナーとよく理解し合う
ガルガル期の軽減には、パートナーの理解が特に重要だといわれています。パートナーとよく話し合い、互いの立場に立って考えられるようにしましょう。
パートナーは、育児が大変な相手の状況に寄り添う気持ちを持つことが大切です。家事や育児の物理的な分担はもちろん、心理的なサポートを心がけましょう。
またガルガル期はパートナーにとってもつらいものです。育児を経済的に支えてくれているパートナーへのねぎらいを忘れず、一緒に育児をする姿勢をもってみてください。

◆家族や友だち、外部機関に上手に頼る
独りでは育児の悩みを抱えきれない、というときは家族や友だちに相談してみましょう。話を聞いてもらうだけでも、悩みやストレスは軽減されるはずです。また地域の産後家庭支援サービスでも相談に乗ってもらえます。ぜひ活用してみましょう。
また、もし家族や託児サービスなどにお子さまを預けられる場合は、思い切って利用してリフレッシュするのも手です。

◆休息をとれるときにしっかりとる
育児の合間の時間にはできるだけ休息をとるようにしましょう。「赤ちゃんが寝ている間に家事などやるべきことをまとめてやってしまおう」と思うこともあるかもしれませんが、もし眠気や疲れを感じたら、思い切って休んだ方がその後の作業効率も上がるはずです。

◆スケジュールに余裕をもつ
産後は体がなかなか動かなかったり、またお子さまが思うようにしてくれなかったりということが多々あります。そうしたときに焦らないで済むよう、家事や用事のスケジュールは余裕をもって立てておくとよいでしょう。

◆小さな目標を立てる
育児はなかなか達成感が得られない仕事です。それがストレスの原因になってしまうことも多くあります。そのような場合は、日常の中で小さな目標を立ててみてはいかがでしょうか。たとえばTODOリストをつくり、終わったことにチェックを付けていけば、それだけで少しの達成感を得られます。なお目標はスケジュール同様、達成可能な範囲で余裕をもって立ててください。

◆イライラがひどい場合は専門機関に相談を
ひどいイライラに加えて、激しい落ち込みや憂鬱感のある場合は、産後うつの可能性もあります。専門的な治療が必要ですので、地域の保健センターや専門医に相談してみましょう。

ガルガル期は多くの人が通る道! 自己嫌悪に陥らないで!

ガルガル期は産後多くの人に訪れる現象ですので、「こんな風にイライラしてしまうのは、自分だけじゃないのか」と不安に思わないでください。今回ご紹介した内容を参考に前向きな解決策を取り入れ、パートナーや周囲の人と一緒に乗り切っていきましょう。

プロフィール

監修:山中岳

子どもの心身の成長に向き合う現場を20年以上経験するドクター。経験に加え、日本小児科学会専門医・指導医、日本小児神経学会専門医・指導医、日本てんかん学会専門医・指導医、と数多くの認定資格を所持し、日々、てんかんや熱性けいれんなどのけいれん性疾患、頭痛、発達の遅れ、脳性麻痺など、主に神経疾患のお子さんの診察を行う。東京医科大学講師としても、次世代の医師の育成に力を入れている。

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