子どもにも効果的!? わずかな時間でもできるコーチング[やる気を引き出すコーチング]

コーチング講座中のちょっとしたやりとりの中で、参加されたお母さんのコーチングをしていることがあります。「コーチングしてあげよう!」などとは微塵も思っていないのですが、職業病なのか、話を聴いていると、質問や承認をしています。
ほんの数分間の対話でも、自分で気づいて、「やってみます!」と晴れやかにおっしゃる姿を見ると嬉しくなります。そんなお母さんがたの気づきが、お子さんとのコミュニケーションにおいて、何かヒントになるのではと思い、今回は、二人のお母さんとのやりとりをご紹介したいと思います。

「どうしたらできる?」の質問

一人目のお母さんとの対話です。

「私、本当にダメな親なんです。つい、イラッとして、子どもをどなってしまうんです。子どもの話を聴かなくちゃと頭ではわかっていても、なかなかできないんです」 

「そうなんですね。どうなれたらいいですか?」
「子どもの話を穏やかに受けとめられるようになりたいです。口をはさまず、最後までじっくり聴けるように」

「どうしたらそうなれるのでしょうね?」
「どうしたら?って言われても…、それが知りたくて、今日も参加したんですけど、すぐ、イラッとしてしまうんです。毎日忙しくて時間もないので待てないし、言ってもきかないと我慢できなくなってしまうんです」

「そうなんですね。どんな場面だとできそうですか?」
「だから、自分に余裕がないとダメなんです。早く片付けて、子どもと向き合う時間を作ればいいのですが、私、要領が悪くてできないんです」

「今日、5分、時間を作るとしたら、いつできそうですか?」
「え?5分?それぐらいであればいつでも…。今、話していて思ったんですけど、私、さっきから、できない理由ばかり答えていましたね。『どうしたらできる?』って聞かれて、日頃はあんまりそういうことを考えてなかったなと思いました。いつも、できない理由を考えるほうが癖になっていて…。子どもにも、『どうしてできないの?』って言っていたと思います。そうですね!『どうしたらできる?』って子どもに聞くのは大切ですね。そうしないと、私みたいに、できない理由ばかり考える大人になっちゃいますね。まずは5分、帰ったら、子どもの話を質問しながら聴いてみます」

私は、質問をしているだけですが、考えながら話しているうちに、自分で気づいて、自分で答えを出していかれます。解決策に向かう質問であれば、おのずと、思考が解決に向かって働き始めるのです。

結果の前にプロセスを承認する

もう一人のお母さんとの対話です。

「子どもが少しでもやる気になれたらと思って、この前も、声をかけてみたんですけど、無視されちゃって、けっこうへこみました。心が折れそうです。これ以上、どうしたらいいのかと思って…」

「そうなんですね。声をかけてみられたんですね!ナイスチャレンジでしたね!」
「え?ナイスチャレンジ?…でも、ぜんぜんうまくいかなかったんですけど」

「やってみようと思って、実際に行動を起こされたことはすばらしいです。私は尊敬します。次は、どんなチャレンジをしてみますか?」
「次?ですか?…そうか~!こんなふうに子どもにも声をかけたらいいんですね。うまくいかなかった話だと、つい、『あなたのここがまずかったんじゃないの?』とか『もっとがんばって』とかって言ってました。まず認めたらいいんですね。私も伝えてみます」

こうしたちょっとしたやりとりから、コーチングのコツをつかんで帰られるお母さんがたに感動します。どんなに否定的な話であっても、「そうなんですね」といったん受けとめ、解決策に向かう質問や、やろうとしたことを承認する言葉で、相手は前向きな気持ちになれるのです。お子さんにも、ぜひ試してみていただきたいです。

(筆者:石川尚子)

プロフィール

石川尚子

石川尚子

国際コーチ連盟プロフェッショナル認定コーチ。ビジネスコーチとして活躍するほか、高校生や大学生の就職カウンセリング・セミナーや小・中学生への講演なども。近著『子どもを伸ばす共育コーチング』では、高校での就職支援活動にかかわった中でのコーチングを紹介。

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