話題の幸福学でわかる! 将来子どもの「幸せ度」が高い習い事って?

「今も、将来も、子どもには幸せでいてほしい!」これは、すべての親の願いです。では、幸せって具体的にどんなこと? 子どもの幸せのために、親は何ができるの? そんな幸福に関する素朴な疑問を慶応義塾大学で「幸福学」を研究されている、前野隆司教授にお伺いしてきました!

今、注目の「幸福学」幸せの4つの因子って?

私たちが感じる「幸福」には大きく分けて2種類あります。ひとつは、お金や社会的地位、家や車など、まわりの人と比べて満足を得られる「地位財」。一見、幸せそうに見えますが、その効力が長く続かないのが特徴です。

もうひとつは、健康な心と体、自由、愛情、よい環境など、まわりの人とは関係なく幸せを得られて、安心、安全に生活するために重要な「非地位財」。こちらの幸福は長続きします。

さらに、私の研究では1500人の日本人を調査して、その結果をもとに人が幸福になるための要素を4つに分類しました。幸福の定義はとても難しいのですが、この4つの要素を意識して行動することで、人は幸福に近づくことができると考えています。

幸福の4つの因子とは?

■第1因子
「やってみよう!」因子(自己実現と成長の因子)
夢や目標を持って、自ら成長すること。

■第2因子
「ありがとう!」因子(つながりと感謝の因子)
人とのつながりに感謝して、他者を喜ばせること。

■第3因子
「なんとかなる!」因子(前向きと楽観の因子)
自己肯定感が高く、失敗しても楽観的でいること。

■第4因子
「あなたらしく!」因子(独立とマイペースの因子)
他人と比べず、自分らしくマイペースでいること。

「自分は幸せ!」と思える子に育てるためには?

冒頭でご紹介した、幸せの第3因子にもあるのですが「自分は幸せだ!」と思える子どもは、自己肯定感が高いことが多いのです。自己肯定感を育てるためには、まず、ママ、パパが子どものよいところも悪いところも全部ひっくるめて認めて、受け入れてあげること。子どもの短所にばかり目が行きがちですが、見方をちょっと変えれば、それはその子の長所でもあるのです。

引っ込み思案でおとなしい子は、物事に集中力を持って取り組むことができる、やさしい子、やんちゃで暴れんぼうな子は、自立心が旺盛で元気な子、というふうに、ポジティブな視点で子どもを見ることがとても大切です。

自己肯定感が高い子は、他人のことも認めて、受け入れることができるようになります。世の中にはいろんな人がいるけれど、どの人も素晴らしい! と思えることが、その子の幸せへとつながるでしょう。

子どもの幸福度を上げる習い事はあるの?

子どもの成長や、将来のことを考えて、習い事をさせているご家庭も多いでしょう。私が監修した研究で、25~34歳の社会人(未婚・子どもなし)2700人を対象に行った音楽に関する調査によると、「子どものころ音楽を習っていた人は、大人になって『自分は幸せだ』と感じる率が高い」という結果を得ました。

実は、音楽の演奏には、「幸せの4因子」がバランスよく含まれています。毎日の練習など、目標に向けて努力することは第1の「やってみよう!」因子、ほかの子の音を聴いて協調することで、人とつながる第2の「ありがとう!」因子、勝ち負けにこだわらず、個性や芸術性を大切にする第4の「あなたらしく!」因子など。実際、音楽や絵画などアートの分野で活躍する人は、幸福度も高いともいわれています。子どもの感性を磨く情操教育としても、音楽は素晴らしいものだと思います。
(取材・文 佐治 環)

プロフィール

前野隆司

前野隆司

慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科教授。ヒューマンマシンシステム、イノベーション教育、社会システムデザイン、幸福学、システムデザイン・マネジメント学などの研究に従事。著書は『脳はなぜ「心」を作ったのか』(筑摩書房)、『錯覚する脳』(筑摩書房)、『思考脳力の作り方』(角川書店)、『幸せのメカニズム』(講談社現代新書)、『無意識の整え方』(ワニプラス)など多数。

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