子どもに「リトミック」を習わせるメリットとは?
音楽に合わせて踊ったり歌ったりすることで、お子さまの健やかな成長を支えてくれるプログラム、リトミック。乳幼児を育てている保護者なら、聞いたことがあるかたも多いのではないでしょうか。幼児期に習わせたい習い事でも水泳やピアノなどと並び人気の習い事のようです。
リトミックは主に音楽にふれるため、リズム感や歌唱能力など音楽的要素育成のためのプログラムと思っていませんか? 実はそれだけではありません。感性をみがきながら、体と心、そして脳の発達も促していくこともできるのです。
ここでは、そんな魅力的なリトミックについてご紹介しましょう。
児童心理学や大脳生理学の観点から誕生したリトミック
そもそもリトミックとは何でしょう? それはスイスの音楽教育家で作曲家でもあったエミール・ジャック=ダルクローズが提唱した音楽教育法のことです。
リトミック誕生のきっかけは、ダルクローズが学生を指導する際に、「どうしたら音楽的感性を高めることができるのか?」という悩みを抱いたからだそうです。
そこで行き着いたのが、ピアノなどの演奏技術を早くから学ぶのではなく、「音をつくったり、音楽を奏でたりすることの楽しさを体で感じることが大切」ということでした。これは、児童心理学や大脳生理学の観点から導き出した答えでした。
体や心、そして脳の成長をバランスよく
では、リトミックはなぜ人気があるのでしょうか?
実は、子どもには音やリズムを感じることで自分を表現しようとする能力があります。そのため、リトミックを通して音楽的感性がみがかれるだけではなく、自己表現を豊かにすることができるのです。
また、リトミックが他の習い事と違うのは、いろいろなものと組み合わせられることです。例えばダンスやボール遊びなどで体を動かしたり、カルタやカード遊びなどで脳を刺激したりもします。なかには英語と組み合わせて教えているところもあります。
これらによって、人間形成に欠かせない集中力や自立心、競争心、好奇心、協調性、感受性、即時反応力などいった要素をバランスよく育てていくことができるのです。
施設によって違うリトミックのカリキュラム
お住まいの地域にリトミック教室などが開設されているという場合もあると思いますが、実はリトミックは学校教育とは違い、決められたカリキュラムはありません。施設や教室、先生によってその内容は違うのです。ただ大きな枠組みに大差はありませんので、おおよそのカリキュラムをご紹介します。
0~1歳児……ひとり歩きがまだできないこの頃は保護者の膝の上で音楽を感じることからはじまります。タンバリンなど叩くと音の出る楽器を使うところも多いようです。
1~2歳児……この頃は人まねの天才ですから、保護者と一緒に音楽を通していろいろな反応をさせます。先生のピアノに合わせてダンスをしたり、音楽を聴きながらお絵かきをしたりといった教室もあります。また徐々に友だちとの関わりを増やしていくことで協調性や競争心なども引き出していきます。
2~3歳児……ひとりでいろいろなことができるようになる年頃ですね。保護者から離れてダンスや歌唱などをひとりで行えるようになります。鍵盤にふれる機会を増やす教室もあるようです。
指導形態は千差万別。お子さまのスタイルに合わせて
リトミックは、幼稚園で実施しているところもあれば、リトミック専門の教室、地域の会館やインストラクターの家で行うサークルなどその形態はさまざまです。ご家庭のスタイル、あるいはお子さまの性格などに合わせてどう取り入れるのがいいのか検討してください。
参考:
リトミック研究センター https://www.eurhythmics.or.jp/whats/