夏バテの原因は食生活! 旬の野菜で対策を

夏休みも後半にさしかかり、お盆を過ぎるとそれまでの疲れが一気に出て、夏バテになってしまうお子さまもいるかもしれません。そこで、夏バテ回復のために効果的な食事について、聖マリアンナ医科大学の井上肇先生に伺いしました。

夏バテになってしまったら、まずは食生活の改善を

夏休みは給食がなく、お子さまが3食とも家庭で食事をすることが多いかと思われます。当然、保護者のかたは忙しいなかでの食事作りになりますから、「そうめんだけ」「チャーハンだけ」など、炭水化物に偏ったメニューになりがちです。炭水化物に含まれる糖質を分解するには、ビタミンB1とB6が必要不可欠でこの栄養素が不足すると、糖代謝のバランスが崩れ、夏バテを引き起こすことがあります。

夏バテになってしまった時に最も効果的な回復方法は栄養バランスがしっかり取れた食事をすることです。特に、「旬のものを食べる」ということが重要になってきます。
いまは、あまり季節に関係なく、いろいろな食材を手に入れることができます。けれども、旬の食材と旬でない食材を比較すると、その食品が主に含んでいる栄養素の含有量が旬のもののほうが多く含まれています。夏にはきゅうり・トマト・ピーマン・おくら・とうもろこしなど、夏野菜を積極的に摂るようにしましょう。食べ方はサラダでも、温野菜でも大丈夫ですが、火をとおしたほうが体積は小さくなり、子どもも食べやすいでしょう。子どもが好きなカレーにするのもよいですね。

食欲がない場合は、にんにくを使った料理もおすすめです。にんにくは、香りや風味で料理をおいしくし、食欲を増進する効果がありますが、実はそれ自体もビタミンB1が豊富な食材です。生でも火が入っても栄養素は壊れませんから、ぜひ夏は活用してください。

スポーツドリンクやジュースの一気飲みに注意!

部活やスポーツ大会で運動をする際も、夏は大汗をかくものです。学校でも、脱水状態にならないように、水分をこまめに摂るように指導をされていることが多いのではないでしょうか。ここで気を付けていただきたいのが、お子さまが摂る飲み物の種類です。

部活などで激しい運動をした時には、1~1.5リットルほどの水分を一気に摂るお子さまもいるでしょう。ところが、この時、砂糖入りのスポーツドリンクやジュースを大量に飲むと、糖分も一気に摂取することになってしまいます。これにより、血糖値が急激に上がり、ケトアシドーシスという高血糖が原因の意識障害が起こることがあります。意識がもうろうとしてきて倒れるという症状のため、熱中症と間違われることもあります。

夏にスポーツをする時におすすめなのは、ノンカフェインの麦茶類です。麦茶にはミネラルやナトリウムが含まれており、発汗で体の中に不足しがちな成分を補うことができます。夏の定番である麦茶は、実は理にかなった飲み物といえるでしょう。一方で緑茶やコーヒーは、カフェインを含むことが多く、このカフェインが利尿作用を有するために、せっかく水分を摂取しても、逆に尿量が増えて脱水になるので好ましくありません。

乳幼児の場合は熱中症に注意!

ベビーカーやバギーで移動することの多い乳児は、大人より地面に近い位置にいる分、地面からの照り返しの影響を受け、熱中症になりがちです。
言葉で不調を訴えられない乳幼児の場合、いつものミルクを嫌がる・泣く・拒む・騒ぐという状態が続いていれば、熱中症の可能性があります。また、集中力がなくなりますから、いつもは大好きなおもちゃをあげても、すぐに投げてしまうという場合にも、注意が必要です。簡易判断方法として、手の甲の皮膚をつまんで、指を離してもつまんだ形が残っているかを確かめます。残っていれば、脱水症状が起こっています。普通はすぐにもとどおりになります。

暑い盛りに外出する時は、日かげを選ぶ、時間を選ぶ、出かける前に十分な水分を用意しておくというのが重要だと思います。

生活リズムが乱れがちな夏休みですが、お子さまが体調を崩さないよう、また、健康に9月を迎えられるよう、保護者のかたは規則正しい生活の手助けをしてあげられるとよいですね。

プロフィール

井上肇

井上肇

聖マリアンナ医科大学・特任教授、日本抗加齢医学会評議員、日本再生医療学会評議員、薬剤師・薬学博士・医学博士。星薬科大学薬学部卒、同大学院薬学研究科修了。聖マリアンナ医科大学形成外科学教室助手、講師、准教授を経て、幹細胞再生医学講座代表・特任教授、同時に同大学院形成外科特任教授を兼務。

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