子どもの夏バテが増加中!? 家庭でできる夏バテ対策

熱帯夜のせいで睡眠不足になり、体がだるくなってしまいます。また、睡眠不足になると自律神経が乱れ、消化器の機能が低下し、食欲不振になってしまうことも。そうした、いわゆる「夏バテ」が子どもにも増えているといいます。保護者のかたから「夏休みだからといってダラダラしている」と見える時には、夏バテ状態になっている可能性もあるかもしれません。
そこで、家庭でできる夏バテ対策について、聖マリアンナ医科大学の井上肇先生にお伺いしました。

増加中!? 子どもが夏バテになってしまう理由

日本には四季がありますが、私たちの体は、春~夏、夏~秋と季節が移り変わるのに合わせて、その時々の季節に慣れていく「気候馴化(きこうじゅんか)」(暑熱馴化<しょねつじゅんか>ともいう、周囲の気温に対して発汗したりする能力のこと)の機能が自然と養われています。

ところが、夏の暑さが過酷なものになっている現代では、エアコンなしで夏を乗り切ることが難しいというのが現実です。1年を通じて空調の効いた室内で過ごすことが増えたことで、気候馴化の能力が低下し、自律神経が乱れがちになります。こうしたことから、現代では大人も子どもも夏バテになりやすくなっているといえるでしょう。

家庭でできる夏バテ対策 3つの鉄則

(1) 睡眠不足にさせない規則正しい生活を

夏バテの大きな原因の一つが睡眠不足です。「暑くて眠れない」ことによる睡眠不足がだるさを引き起こします。また、寝苦しい夜はエアコンをつけて眠るご家庭もあるかと思いますが、ずっとエアコンをつけて寝たり、タイマー設定にして寝たりすることで、就寝時と起床時の気温差が大きくなり、自律神経調節が追い付かずに異常をきたすことも。このように、自律神経が乱れると、目が覚めても体がだるくなり、不調を感じることになります。

そこで欠かせないのが上手なエアコンの活用です。就寝時のエアコンの温度は「少し暑いかな」と感じるくらいが理想的。27~28度くらいを心がけ、冷やし過ぎに注意しましょう。また、起床に向けて少しずつ温度を上げる機能や、「おやすみタイマー」を活用するのもよいですね。

(2) 汗をかける体質にしておく

夏バテを予防するためには、体を気候馴化させることも重要です。気候馴化は本来、人間の体に備わっている機能ですが、一定量の汗をかくことで目覚めさせることができます。

汗をかくのにおすすめなのがウォーキングです。まだ気温が落ち着いている早朝などに、汗をかける早足くらいのスピードで30~40分歩きます。これを1週間ほど続けると汗腺が刺激され、汗をかける体質に変化していきます。夏休みには、親子で少し早起きをして、早朝ウォーキングをしてみてはいかがでしょうか。

(3) 冷たいものばかりではなく栄養の偏りがない食事を摂る

子どもも、暑いと食欲が減退し、冷たいジュースやアイスばかりを食べがちですが、この状態は夏バテをうながす結果になります。ジュースやアイスなどの甘いものには当然糖分が多く含まれますが、糖分を体の中で分解するには、ビタミンB1とB6が必要不可欠です。ビタミンは夏バテ予防に欠かせない栄養素なので、甘い食べ物ばかりでビタミンが摂取できないと、糖代謝のバランスが崩れて夏バテが悪化してしまいます。

プロフィール

井上肇

井上肇

聖マリアンナ医科大学・特任教授、日本抗加齢医学会評議員、日本再生医療学会評議員、薬剤師・薬学博士・医学博士。星薬科大学薬学部卒、同大学院薬学研究科修了。聖マリアンナ医科大学形成外科学教室助手、講師、准教授を経て、幹細胞再生医学講座代表・特任教授、同時に同大学院形成外科特任教授を兼務。

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