子どもの「長所を100個書き出す」効果 [やる気を引き出すコーチング]

「ムリ!」「あるわけない!」と、「子どもの『長所を100個書き出す』」というタイトルを見ただけで、いきなり、思考がシャットダウンしたかたはいらっしゃいませんか。「長所を100個書き出す」というチャレンジは、私のコーチング講座ではもう10年近くやっていることで、コツをつかめば、そんなに難しいことではありません。やってみると、ほとんどのかたが達成されます。
一生のうちに一度でもいいので、ぜひ挑戦していただきたいとオススメしています。親子関係がガラリと変わるのです。子どものやる気も高まるのです。

100個書くと何が起きるのか?

実は、この「100個リストアップ」、最初は、自分自身の長所を書き出すチャレンジとしてやってもらっていました。その結果、ほとんど無自覚だった自分の長所が増えていくことから、「なんだか、うちの子のよいところも自然と見えるようになってきました」と、ある時一人の保護者のかたがおっしゃったのです。そして、「家で、中1の息子とも一緒にやってみようと思います」と宣言して帰られました。

次の講座の時に、早速、報告がありました。
「『これ、お母さんの宿題だから、あなたも一緒にやらない?』と言って、一緒にやってみました。息子も最初は、『100個もムリ!』と言っていましたが、『こういうところもあるよね』『これもよいところだよね』と言って書いているうちに、お互いにだんだん楽しくなってきて、ゲーム感覚で、2人とも100個挙げたら、とても達成感がありました。
それで、『こんなによいところがあったら、何でもできそうだね!』って息子も言い出して、以前より前向きになった気がします。何より、私の息子を見る目が本当に変わりました。『こんなにすばらしい子なんだから、何があってもこの子は大丈夫だ!』と信じられるようになったんです。よいところもたくさんあったのに、今まで、ダメなところばかり見つけては指摘していたなあと思うと、『ごめんね』っていう気持ちです」。

リストアップによって、長所を自覚し、自分で自分を認められるようになると、お子さんに対する見方も自然と肯定的なものに変わっていきます。すると、お子さんに対する接し方も自ずと肯定的なものになり、お子さんの気持ちも意欲的に変わっていくのです。

100個リストアップするコツ

「でも、やっぱり、自分にもうちの子にも、そんなに長所があるようには思えない」と感じる皆さんに、コツをご紹介しましょう。

たとえば、「好きなものは何ですか?」「好きなことは何ですか?」「好きな場所や好きな有名人、好きな音楽など何かありますか?」こんな質問から引き出された答えも、十分長所のひとつといえます。何かに対して好意的な気持ちが持てるということは、すばらしいことです。

あるいは、「今までやったことがあることは何ですか?」「できるようになったことは何ですか?」など、 過去の経験から探してもいいですし、「今、やりたいと思っていることは何ですか?」「夢は何ですか?」など、未来について思い描いていることがあることもよいところの一つとして、ぜひカウントしてください。

ある中学生は、「悩むことができる」と書いていました。一見、ネガティブな表現ですが、「悩むのは向上心がある」からです。そんなふうにとらえ直してみるのもよいでしょう。がんばったこと、乗り越えたことの他に、失敗したこと、落ち込んだことにも、その経験をしたからこそ学んだこと、成長したことがあったはずです。そんな経験の一つひとつも思い出しながら、ぜひ、加えていってください。

100個達成した時の達成感は、ご自身も、お子さんも力付けるはずです。そして、必ずや、お子さんが前向きになるよう、背中を押すことでしょう。

(筆者:石川尚子)

プロフィール


石川尚子

国際コーチ連盟プロフェッショナル認定コーチ。ビジネスコーチとして活躍するほか、高校生や大学生の就職カウンセリング・セミナーや小・中学生への講演なども。著書『子どもを伸ばす共育コーチング』では、高校での就職支援活動にかかわった中でのコーチングを紹介。

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