いま、増え続けている子どもの睡眠障害 気を付けるポイントと対処法

夜更かし型の社会の中、メディアの発達や塾通いの影響などで睡眠リズムが乱れ、睡眠障害になってしまう子どもが増えています。
睡眠リズムが乱れがちな夏休み中に気を付けることと、家庭でできる対処法について兵庫県立リハビリテーション中央病院「子どもの睡眠と発達医療センター」センター長の小西行郎先生に教えていただきました。

睡眠リズムが乱れがちな夏休みに気を付けたいこと

夏休みなどの長期休暇には祖父母の家に泊まりに行ったり、普段はしない昼寝をしたりするなど、どうしても睡眠のリズムが乱れがちになるかもしれません。
しかし、乱れた生活リズムを放っておいたままにすると、休みが終わった時に、朝起きられなかったり、夜更かしグセがついて睡眠不足になってしまったりして、ひどい場合には学校に通えなくなってしまうこともあります。

実際に、一昨年公表された文部科学省の調査では、初めて不登校の原因に睡眠障害に関する項目が挙げられ、3人に1人は「朝起きられないなど生活リズムの乱れ」が不登校の原因になっていることがわかりました。

保護者のかたは長期休暇中も、毎日同じ時間に寝て起き、三度の食事を決まった時間に摂るという規則正しい生活リズムを心がけてあげてください。

睡眠リズムが乱れた時に家庭でできること

では、もし睡眠のリズムが乱れてしまった時には、どうやってもとのリズムに戻せばよいのでしょうか。正しい睡眠のリズムを取り戻す方法を2つご紹介します。

◆「睡眠表」をつける

子どもの睡眠時間がわかる「睡眠表」をつけてみましょう。お子さま自身がつけてもよいですし、小学校低学年くらいまでなら保護者のかたが様子を見てつけるようにします。 24時間を軸にした表で、2週間の睡眠を記録しましょう。チェックするポイントは4つです。

1. 何時に寝たか
2. 何時間寝たか
3. 毎日決まった時間に起きているか
4. 途中で起きていないか

(※「睡眠表」でインターネット検索をすると、表をダウンロードできるサイトもあります)

普段は気が付きませんが、表にして可視化すると、睡眠リズムが乱れていることに気が付くかたも多くいらっしゃいます。これに気が付くだけで、軽度の睡眠障害は改善することもあります。

◆家族全員で、子どもの就寝時間に合わせて早く寝る

保護者のかたも含めた家族全員で、子どもに合わせた時間に就寝するようにします。
胃や腸が活発に動いているとよく眠れませんから、寝る3時間前には食事をしておくのが理想です。たとえば、9時に寝るためには、夕食の時間を6時にします。すると、必然的にその日は規則正しい生活になります。毎日続けるのは難しいかもしれませんが、「睡眠リズムが乱れているかも」と感じた時に実践してみるとよいでしょう。

「寝る子は育つ」といいますが、規則正しい睡眠は、体を休めるためだけでなく体や脳の成長のためにもとても重要です。夜更かし傾向にある現代で、どのように子どもの睡眠を守っていくのか、ご家庭だけでなく地域や学校全体でも取り組んでほしいと思います。

プロフィール


小西行郎

兵庫県立リハビリテーション中央病院 子どもの睡眠と発達医療センター長。同志社大学赤ちゃん学研究センター教授。日本赤ちゃん学会理事長。福井医科大学(現福井大学医学部)小児科助教授、オランダ留学、東京女子医科大学教授を経て現職に。小児神経専門医として障害児医療をライフワークとし、診察・発達相談・講演会活動を行う。

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