体質改善で乗り物酔いを防ごう 専門医が訓練法を伝授

遠足や移動教室など、楽しいはずの行事も、「乗り物に酔ってしまうかも」と不安を抱えているお子さまがいるかもしれません。乗り物酔い対策について、川越耳科学研究所クリニック院長の坂田英明先生に伺いました。

小中学生はバランス感覚をつかさどる脳の部位が発達途中にあるため、乗り物酔いしやすくなります。乗り物酔いの大きな原因はもちろん「揺れ」によるものです。乗り物が大きく揺れることで、体のバランス感覚をつかさどる内耳の一部、三半規管にある「リンパ液」が動き耳石に異常を起こすと、乗り物酔いになります。次に、目から入ってくる情報によって酔ってしまうことがあります。たとえば、テレビや映画などを見ていて、画面がチカチカとした光を放ったり、動いた映像が流れたりした時に気分が悪くなることがあります。また、いつも乗り物酔いをする人は、過去の乗り物酔いの記憶が原因で酔ってしまうこともあります。

乗り物酔いをしやすい体質のお子さまは、体質改善を図ることもできます。バランス感覚の訓練法をご紹介しましょう。

A. 頭を振る訓練

50cm先の動かないものを見つめながら、頭を(1)左右30度に振る (2)前後30度に振る (3)左右30度に傾ける運動を各10往復、1日2回繰り返します。

B. 目を動かす訓練

50cm先にある、30センチ離れた2つの点を(1)左右(2)上下に、頭を動かさずに交互に見つめます。各10往復1日2回繰り返します。

C. 体勢を変える訓練

(1)仰向けと起き上がった状態(2)寝返りを左右に(3)椅子に座った状態と立った状態各10往復。これを1日2回繰り返します。

D. 足を動かす運動

(1)「足を閉じて立つ」と「継ぎ足で立つ」を、目を開いた状態と閉じた状態で各5~10分、1日2回繰り返します。(2)足踏みを、目を開いた状態と閉じた状態で各50~100歩、1日2回繰り返します。

効果はすぐには表れませんが、布団の中で行える運動は朝起きた時と寝る前、それ以外の運動はお風呂に入る前など、回数と時間を決めて毎日続けることが大切です。

プロフィール


坂田英明

埼玉医科大学卒業。ドイツ・マグデブルク大学耳鼻咽喉科研究員、埼玉県立小児医療センター耳鼻咽喉科を経て、現在は目白大学保健医療学部教授、目白大学耳科学研究所クリニック院長。NPO法人第8神経を考える会理事。

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