小学生の子どもに教えよう! 心を元気にするテクニック

 子どもにもつらいことや苦しいことはたくさんあります。しかし、まだ精神的に成熟していませんし、人生経験も豊かではないため、どのように気分転換をすればよいかがわからず、嫌な気持ちを引きずってしまうことがあります。そこで、心を元気にするための具体的な方法を教えてあげましょう。

心がピンチになったときの対処法を見つけるサポート

 大人は自分の性格を自覚していますから、気持ちが落ち込んだり、やる気がわかなかったりするときに、どうすれば元気を取り戻せるかをわかっています。親しい人に愚痴を聞いてもらったり、自分にごほうびをあげたり、趣味の時間に没頭したり……。心がピンチになったときの自分なりの対処法を知っていることは、生きていくうえでとても大切です。そこで、子どもが自分自身で心を元気にする方法を見つけられるようにアドバイスしましょう。例えば、次のような方法が考えられます。

◆気持ちを整理して客観視しよう

気持ちが落ち込む原因が明確な場合、対策がとりやすいので、比較的、立ち直りは早くなります。しかし、自分の気持ちを整理できず、何となく嫌な気持ちが続いてしまうことも少なくありません。そこで、どうして元気が出ないのか、文章にしたり話したりして整理するようにアドバイスしましょう。自分の気持ちを言葉で表すのは難しいため、保護者のかたが質問する形で進めてもよいでしょう。気持ちを客観視できると、「悩んでもしかたないや」と楽観的になったり、「○○をがんばってみよう」と自分にできることがわかったりします。

◆自分のよいところを言葉にしよう

これも自分自身を客観的に見つめる方法のひとつです。ネガティブな気持ちになると、自信を失ってマイナス面にばかり目が向いてしまいがち。そうなると、なかなか嫌な気持ちから抜け出せません。そこで思いつく限り、自分のよいところを口に出してみましょう。「算数が得意」「漢字検定に受かった」「サッカーのリフティングが30回できる」「友だちに対してやさしい」等々、どんなに小さなことでもかまいません。「こんなところもすごいよね」と、本人が自覚していない長所を教えてあげると、ますます自信を取り戻しやすくなるでしょう。

◆親に甘えよう

小学生くらいになると、甘えたい気持ちがあっても、気恥ずかしくて素直に気持ちを表せないことがあります。そこで子どもが元気をなくしていたら、「つらいときは、お母さんやお父さんに甘えてもいいんだよ」と、伝えてあげましょう。そして、子どもの甘えをしっかりと受け止めてください。実際に甘えるかどうかは別として、「いつでも甘えられる存在がいる」と思えることは、子どもにとっては大きな励みになるでしょう。

◆大好きな友だちとたくさん遊ぼう

本当に楽しい時間を過ごしているときは、嫌な気分など吹き飛んでしまうものです。小学生の子どもにとって、大好きな友だちと夢中になって遊ぶのは、何より楽しいひとときです。心にエネルギーがチャージされて、「がんばろう!」という気持ちがわいてくるに違いありません。

◆「自分時間」に没頭しよう

友だちと遊ぶだけではなく、自分だけの楽しい時間に没頭するのもおすすめです。「自分のしたいことをしてごらん。そうすると、元気が出るかもよ」と伝えてあげてください。例えば、スポーツをしたり、音楽を聴いたり、図鑑を見たり、自転車に乗ったり……。自分の大好きなことをして心が満たされると、嫌な気持ちは自然と消えていきます。

◆いつもより早く寝よう

心が疲れているときは、いつもより早く寝てしまいましょう。ぐっすりと眠った翌朝は、疲れが取れて気持ちがすっきりし、前向きな気持ちになるものです。心身共にリフレッシュできれば、嫌なことを乗り越えるエネルギーがわいてくるはずです。

◆信頼できる人に相談しよう

ひとりで悩んでいると、どうしても視野が狭くなり、解決の糸口が見つかりづらいことがあります。そこで、悩みがあるときは信頼できる人に話を聞いてもらうようにアドバイスしてください。保護者のかたや担任の先生、塾の先生、友だちなど、本人が「この人に話したい」と思う人であれば、誰でもかまいません。内容によっては、親には話しづらいと感じるケースもありますから、無理に打ち明けるように求めないことも大切です。誰かに相談をして有効なアドバイスが得られなかったとしても、人に悩みを話すこと自体が前向きな気持ちになるきっかけになる場合が多いものです。

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