男の子の子育ては難しい!? よくある悩みをご紹介!

母親にとって「男の子」は未知の生きものといってもよいでしょう。
水たまりや泥んこを見つけるとすぐさま突進していくし、ブロック、積み木、ロボットに恐竜…と、あるおもちゃは全部引っ張り出して部屋中に広げて遊びます。外に出ればすぐ棒状のものを見つけて振り回し、ポケットに木の実や落ち葉、ときどき虫までいっぱいに入れて帰ってくるというのもよくある話です。男の子の育児は、母親にとって「どうしてそんなことするの?」「いったい何を考えているの?」という驚きとため息の連続です。そんな男の子の育児について、よくある悩みをまとめました!


男の子の「男の子らしさ」はどこからきているの?

 もちろん性格や個性はあるものの、一般的に男の子と女の子では行動パターンが大きく違います。それは、どうしてなのでしょうか。実は近年の研究では、脳の仕組みが男女で大きく違うことがわかってきています。

 

女性は右脳(感じる領域)と左脳(ことばの領域)の連携がしっかりしているのに対し、男性の脳は右脳と左脳の連携が少ないという特徴があるそうです。ですから、大人の男女を見ても、感じたことをすぐ言葉にできる女性は、何時間も延々とおしゃべりすることができます。でも、多くの男性は女性よりも言葉数は少なめです。また、女性は電話しながらメールを打ったりネイルしたりと、複数のことを同時にできる人が多いのに比べて、男性はひとつのことしか考えられない人が多いようです。母親が、仕事をしていても子どもと夫、学校行事や夕飯の献立など考えているのに対して、父親は仕事中に妻や子どものことを思い返す人は少ないと言います。

 

一方、男性の脳の方が優れていることも多くあります。感情と理論の脳が連携しない男性の脳は、感情を交えず理論的に、冷静に考えることができます。また、男性は女性特有の細かい違いを見つける洞察力には欠けますが、物事を広い視野で見る空間認知能力に長けています。

 

こんな脳の違いが「男の子」と「女の子」の違いに出てきます。言葉を扱うのがうまく、幼稚園くらいになるともう大人顔負けの会話ができるようになる女の子に比べて、男の子は小学生に上がる頃でもおしゃべりは子どもっぽいですね。それが純粋で単純な男の子特有のかわいさにもつながっています。

 

女の子は、大人の顔色や空気を読んで叱られる前に危険回避できますが、男の子はコレと決めたらまっすぐ。叱られるとわかっていてもやりたいことを貫く頑固タイプが多く、こだわりが強い傾向があります。
また、長時間座ったままお絵かきやごっこ遊びができる女の子に比べ、男の子の遊び方は大胆で活発です。公園でもひとつの遊具で遊ぶことよりも、植え込みや木の上など公園全体を使って遊びます。

 

 

男の子に起きやすい子育ての悩みをご紹介!

 母親にとって、理解しにくい男の子の行動。それでは、お母さんたちにはどんな悩みがあるのでしょうか。

 

【男の子のきょうだいの場合】

男の子のきょうだいの場合、同性なのでつい比較してしまいがちです。お兄ちゃんはおとなしく聞き分けがいいのに、弟はわんぱくで怖いもの知らず。また逆に、お兄ちゃんは活発だけれど弟は甘えん坊で泣き虫…など、つい比較してお互いの悪いところが目について心配になってしまうようです。でも、比較して「お兄ちゃん(弟)はできるのにどうしてあなたは…」という叱り方は禁物。それぞれのいいところを見つけて認めて、ほめてあげたいですね。

 

【男の子のきょうだいが多い(3人以上)の場合】

パワーあふれる男の子が3人以上そろうと、きょうだいげんかも大規模になります。毎日毎日家が揺れるほどの大げんかに、ほとほと疲れているというお母さんも多いようです。親としてはできるだけけんかをしないで穏やかに遊んでほしいものですよね。

 

ですが、きょうだいどうしのけんかはどんなに激しいけんかであっても、数時間後にはケロっと仲直りしているもので、お友だちとのけんかとは違います。また、けんかすることで男の子特有のエネルギーが発散できている、という見方もあります。コミュニケーションとストレス解消のためのスポーツのようなものだと割りきって見守ってみては?

 

とはいえスポーツにはルールが必要。きょうだいげんかにもルールをつくっておくといいですね。例えば、ものでたたかない、顔や頭はたたかない、かみつきや引っかきは禁止、泣いたら終了、などです。

 

【女の子のきょうだいがいる場合】

兄妹、姉弟の場合、母親はつい男の子に対して甘くなってしまい、平等に扱えない…という悩みも多いようです。同性の娘に対してはつい理想を高くもってしまい、厳しくなってしまいがち。逆に父親は、娘のわがままは何でも許すのに「男の子はゲンコツOK」などというタイプの人も多いようです。

 

ここは意識して、娘に厳しくしすぎないよう叱る前にひと息置いて考えてみましょう。また、息子と父親の関係を上手に取りもってあげるのも母親の役目かもしれないですね。

 

【ひとりっ子の場合】

女の子に比べて、他人とのコミュニケーションをとるのが苦手な男の子。ひとりっ子となるときょうだいげんかをする相手もなく、エネルギーを発散できずにストレスが溜まったり、友だちとの関わりがうまくできなかったりというケースもあるようです。

 

ひとりっ子の場合は、サッカーや野球などのチームプレーに参加させることもおすすめです。自分が最優先される家族から一歩踏み出して、チームの中で味方どうし切磋琢磨したり、仲間とともに喜んだり悔しがったりするのも、よい経験になります。

 

【3歳〜4歳の子育ての場合】

1歳くらいまでは男女差もそれほどありませんが、3歳〜4歳頃になると男の子はぐんと男の子らしくなり、自我も強くなり、親が手を焼く「反抗期」を迎えます。少々ぐずっても抱っこすればなだめられた時期とは違い、力も強くなり、母親にとっては「男の子って本当に大変!」と思うことが増える時期ですね。

 

この時期は幼稚園入園とも重なり、男の子は仲間が増えることで遊びもさらにパワーアップします。また、下の子ができてお兄ちゃんになる子も多い年頃。まだまだ気持ちは甘えん坊な男の子ですから、赤ちゃん返りをしたり、ママを振り向かせたくてわがままになったりしてしまうケースもあるようです。

 

トイレトレーニングやお箸トレーニング、幼稚園や保育園でのルールなど、「どうしてうちの子はできないんだろう…」と思い悩む夜も多くなる3歳〜4歳期。そんなときは、0歳や1歳の頃の写真や動画を見返してみるといいですよ。ガラガラを持っただけで、つかまり立ちの手を一瞬離しただけで、一歩あるいただけで「よくできたね、すごいね!」とほめてあげていたのは、ほんの数年前のことです。まだまだ小さい男の子。イヤイヤもわんぱくも、成長の証だと思って見守っていきましょう。

 

 

お母さんが気をつけたい男の子の“叱り方”

 男の子を育てるうえで気をつけたいのが叱り方です。先述したように、男の子とは女の子よりも「言葉」が器用ではないことを忘れないようにしましょう。比較的、女の子の叱り方は簡単です。自分と同じ女性なので、どう言われたらやる気になるか、わかりやすいか、カチンとくるかは想像しやすいですよね。女の子には、「部屋が散らかったままお出かけするのはちょっとイヤじゃない?」「○○ちゃんなら3分もあればキレイに片付けられるよね」「宿題を終わらせてから、おいしいおやつにしようか?」など、気分よくできるような優しい言い方が効果的です。

 

しかし、男の子には柔らかく回りくどい言い方は通じません。目を見て端的に、具体的に言うことが大切です。例えば、ブロックの組み立てに夢中になっている後ろ姿に「お片付けしてね」と声かけしたところで、ひとつのことにしか集中できない男の子の耳には届いていません。一方的な言葉を投げかけても、届かないと思ってください。片付けをしてほしいときは、一度ブロックの手を止めさせて、目を見て「お片付けしてください」と伝えるようにしましょう。

 

また、男の子が苦手なのは、抽象的な叱り方です。例えば「何度言ったらわかるの!」という言葉。女の子が聞けば「何度も同じことを言っても聞かないことを、ママは怒ってるのね」と理解できます。でも男の子にとっては「え、ぼくは何度言ったらわかるの?そんなのわかんない!」となります。叱られたというより、答えのわからないなぞなぞを言われたようなものです。叱る言葉としては、効果はありません。

 

他にもよく聞くのが「ちゃんとしなさい!」。女の子なら状況から「あ、忘れ物したことを怒ってるんだな」「あ、肌着が服の下から出ちゃっているのを怒ってるんだな」「今、挨拶しなかったことを怒ってるんだな」などと察して理解できます。ですが、男の子は「ちゃんとって何?」となってしまうのです。男の子には「忘れ物をしないように」「身なりをととのえるように」「目上の人には挨拶をしなさい」と、具体的に言うようにしましょう。

 

最後に、男の子の叱り方でもっとも気をつけたいのが、プライドを傷つけないことです。男の子は女の子に比べて繊細で傷つきやすい面もあります。他のお母さんやお友だちが大勢いる前で叱ることはプライドが傷つく恥ずかしいことですし、「こんなこともできないの?」などという人格を否定するような言葉は厳禁です。叱るときはふたりきり。人格を否定しないで「やってしまったこと」「やらなかったこと」など、行動に対して注意するようにしましょう。

 

 

知れば知るほど謎深き「男の子」という生きもの。そんな未知なる男の子は、どんなに叱られても、言うことを聞かなくても、いつもママが大好きな甘えん坊です。「何を考えているかわからない、どうしてそうするのか理解不能!」と頭を抱えるより、「自分とは違うものの見方や考え方をしている」と割りきって、楽しんでしまう方がいいですね。そうすればきっと、男の子の男の子らしさもかわいいと思えますよ。

 

 

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