漁村の成り立ちって知っている?

漁村とは、漁業を生業(なりわい)とする人たちがたくさん暮らす村のことですが、実際に、漁村における漁の仕事はどのように行われていたのでしょうか?漁村に暮らす人たちの仕事について探ってみたいと思います。


漁村の海産物を漁獲する仕事はさまざま

 漁村で暮らす人たちのおもな仕事は、もちろん、魚や貝などの海産物を漁獲することです。海産物の漁獲には、釣漁、網漁などのよく知られているものから、鵜飼(うかい)や海女さんによる潜水漁などの特殊なものまでさまざまな方法があります。

 

 

漁のやり方、分配を、漁村全体で管理していく場合もあった

 漁村の仕事は地域によって、いろいろなやり方があるのですが、そのやり方の一つとして挙げられるのが、季節ごとに大量に群れを成して沿岸にやってくる回遊魚たちを捕まえる漁です。これは、「寄り魚漁」「大網漁」「村網」などと呼ばれる網漁ですが、漁村における漁獲量での占める割合が高く、また、漁に村の組織が大きく関わってきました。漁業への参加の仕方、網や船の所有、捕ったものの分配などが、漁場の利用のしかたなどをすべて村が管理し、まさに「漁村」全体で仕事をするこのような漁もあったのです。

 

 

村に住む人がみな関わる鹿児島県のトビウオ漁

 かつて、鹿児島県の屋久島中間は、5月から6月にかけて産卵のために沿岸にやってくる「ジキトビ」と呼ばれるトビウオ類を捕まえる漁が行われていましたが、この漁には村に住む人たちのほとんどが関わっていたそうです。もちろん、全員が実際に漁をするわけではないのですが、お年寄りや女性などでも、できる人はみな網を引く手伝いなどをして、何らかの形で漁業に参加していました。

 

このトビウオ漁は、村の収入の中で大きな割合を占める仕事であり、村の運営費用、寺や神社、病院などの予算も、この漁から捻出されていました。それゆえに、漁について村がきちんと管理をしており、毎年、お正月に村の寄り合いで漁についての話し合いが行われ、漁業の組織編成をどうするか、新技術の導入を許可するか、などといったことが決められていたそうです。漁に使う網を所有する権利なども、希望者に平等に分けるように村が配慮していました。

 

このトビウオ漁のように、昔の漁村では、魚を捕る仕事の運営に村の組織が深く関わることがあり、仕事の仕方や収入の分配など、村の人たちが色々なことを話し合って決めて、協力しながら漁業に取り組んできたのです。

 

 

参考:新谷尚紀編著『読む・知る・愉しむ 民俗学がわかる事典』(日本実業出版社)

 

 

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