子どもと喧嘩がたえないのはなぜ?つらい喧嘩を重ねないためのアドバイス

お互いに意見を言う、思ったことや感じたことを伝え合う。そういった意味での親子喧嘩はあってもいいものです。しかし、やはり強く言い争う回数が多く、お互いを傷つけあうような喧嘩を重ねてしまえば、親子でも心を通じ合わせることは難しくなってしまいます。どうすれば子どもとうまく意思疎通を図り、つらい喧嘩を繰り返さずに済むのでしょうか。一緒に考えてみましょう。


高校生との問題は、単純に「正しい・正しくない」の問題ではない

 子どもがもっと小さかった頃。多くの正しい答えは大人が持っているものであり、子どもにはその正しさを伝えるためにお説教をしたり、叱ったりしました。だからこそ喧嘩には発展せず、子どもが反省して終わり、ということが多かったと思います。

 

しかし、高校生にもなると子ども自身も自分の意見を持っており、かつ、親以外のところから情報を得ることもできます。問題も複雑化し、単純に「正しい・正しくない」だけの問題ではなくなってくるのです。それなのに、お互い「自分の意見が正しい」としか意見をぶつけ合わせるだけでは、何度喧嘩しても解決することなく、同じ問題でまた喧嘩を繰り返すことになってしまいます。

 

 

聞き役に徹し、一度、子どもの言うことを「親の宿題」として保留する

 重要なのは、親が「言い聞かせよう」とする姿勢を取らないことです。どうしてそのような行動にでるのか、どうしてそれでいいと考えるのか。聞き役になる機会を持ちましょう。大人でも、自分の意見をきちんと伝えられないまま否定されれば、納得がいくわけがありません。また、その場の感情や勢いで大人の意見を伝えても、子どもがうまく受け止められるかといえば、それはとても難しいものです。

 

聞き役になり、一旦は「わかった、私も一度考えてみる」と親のほうが引くこと。もちろん、親も親として意見を伝える必要があり、子どもがあきらかに間違っていれば軌道修正をしてあげる必要があります。毎回思うことを伝えず「ひたすら我慢」をする必要はありません。ご自身の中で、「喧嘩になってしまっても、2回に1度は聞き役になる」と決めるだけで違います。

 

聞き方にもいろいろあります。「それで正しいと思っているのか」という問いかけでは「思っている」で終わってしまいますので、これにも注意が必要です。今の状態で自分自身が困ることはないか。どこまでならできるのか。本当はどうしたいと考えているのか。子どもが「言えば親が怒るだろう」と思っていることまで一度引き出し、それがどんなに腹の立つことでも、「親の宿題」として抱え込むことが必要なのです。

 

 

親が否定しないことで、子どもがより冷静に自分自身を振り返る

 親がこのような態度を取ることで、子どもが「調子に乗る」かといえば、そうではありません。親に言い返されるより、ずっと冷静に自分が何を言ったかということについて考えるでしょう。次に話すときには、もっと冷静に話すことができるかもしれません。いきなり喧嘩の回数が減るわけではなくとも、子どもが親とのやりとりについて冷静に考える時間はずっと増え、怒りの感情だけで過ごす時間もぐっと減るはずです。この積み重ねは非常に大切なものだと言えます。

 

意見を平等な立場で言い交すことはとても重要なことです。ですが、「感情のコントロール」という面では、やはり子どもよりも保護者のほうが先輩であるべきではないでしょうか。

 

 

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