5 ジェンダー平等を実現しよう 5 ジェンダー平等を実現しよう 8 働きがいも経済成長も 8 働きがいも経済成長も 11 住み続けられるまちづくりを 11 住み続けられるまちづくりを

「テレワーク」って、
どんな働き方の
こと?
【SDGs】でも
課題となっている
「働きがい」の向上にも
役立つ!

新型コロナウイルス感染症の世界的な流行によって、出社しなくても自宅や外出先などで働ける「テレワーク」が拡大しました。持続可能な社会を目指して世界中で取り組むべき課題を示したSDGs(持続可能な開発目標)でも、新しい働き方として期待されているテレワークとは、どんな働き方で、どんなメリットやデメリットがあるのでしょうか。

コロナショックが収束に向かったあと、日本でもテレワークが定着するかどうかにも注目が集まっています。将来的には多くの企業が導入を進めることになるとも予想されているテレワークについて、今から理解を深めておきましょう。

「テレワーク」とは、
どんな働き方のこと?

「テレワーク」とは、どんな働き方のこと? 「テレワーク」とは、どんな働き方のこと?

■テレワークとは?

テレワークという言葉には「tele(=遠隔、離れたところ)」「work(=仕事、働く)」という意味があります。

パソコンやスマホなどの機器が普及し、インターネット環境が充実したことで、画像や表計算を含む情報量の多い書類をデータでやりとりしたり、ビデオ通話アプリなどを使って複数の人が自宅から会議に参加したりすることが簡単にできるようになりました。こうしたことから、オフィスから離れた場所で仕事をすることができる「テレワーク」が可能になったのです。

テレワークの普及・啓発を行っている一般社団法人日本テレワーク協会によると、「テレワークとは、情報通信技術(ICT=Information and Communication Technology)を活用した、場所や時間にとらわれない柔軟な働き方」と定義されています。

つまり、テレワークは、パソコンやインターネット、スマホなどのモバイルネットワークを使うことで、本来働く場所から離れて仕事をすることができるため、通勤や移動に時間をとられることなく、自由に働くことができる働き方というわけです。

同じように使われる言葉に「リモートワーク」があります。「Remort(=遠く)」「work(=仕事、働く)」という意味があり、パソコンやインターネットを使って遠隔で仕事をするという意味ではテレワークに似ています。ただし、テレワークは1970年代から使われている言葉なのに対して、リモートワークは最近使われるようになった言葉で、まだテレワークのように定義はありません。官公庁や自治体では「テレワーク」で統一されているため、どちらかと言えば、テレワークのほうが公式な言葉と言えます。

■テレワークの種類

テレワークは、企業に勤める人がテレワークを行う雇用型と、個人事業主などが行う自営型の2つに大きく分けられます。雇用型には「在宅ワーク」「モバイルワーク」「サテライスオフィス勤務」の3つがあります。自営型には「SOHO(ソーホー)」「内職副業型」などがあります。それぞれ詳しく見てみましょう。

雇用型

  • 在宅ワーク

    会社とパソコンやインターネット、電話で連絡をとりながら、自宅で働きます。基本的に一日自宅にいるため、通勤の負担がなくなり、時間を有効に活用できるようになります。育児や介護をしながら働くことができるため、離職を防ぐ効果が期待できます。また、障害などによって通勤が難しい人も働けるため、人材の確保に役立ちます。

  • モバイルワーク

    モバイルとは移動通信という意味です。モバイルワークでは、取引先の近くや移動中の交通機関などで仕事をします。営業職のように取引先などへ頻繁に出かける仕事をしている人に向いている働き方です。取引先からわざわざオフィスに戻る必要がなくなるため、移動の負担が少なくなります。

  • サテライトオフィス勤務

    サテライトとは衛星という意味です。所属するオフィスや会社の本拠地を中心に複数のオフィスがある様子から名づけられました。所属するオフィスと同じようにインターネットが使えることがほとんどです。インターネットだけでなく、オフィス機器なども用意されていることから、在宅ワークやモバイルワークに比べて、オフィス環境が整っていることが特徴です。一般的に、本社が都市部にある会社は郊外に、本社が郊外にある会社は都市部にサテライトオフィスを設置します。自宅に近いオフィスを選ぶことができるので、通勤の時間やコストを削減できます。2019年にサテライトオフィスを導入している国内の企業は、全体の10%程度とみられますが、前年比でみると倍以上にもなっているというデータもあります。サテライトオフィスの需要は高まっていて、今後も増加していくと予測されています。

自営型

  • SOHO(ソーホー)

    SOHOとは「Small Office Home Office」の略です。小さなオフィスを用意したり、住まいをオフィスとして活用したりして仕事をすることを指します。そのオフィス自体をSOHOと呼ぶこともあります。個人事業主が企業から依頼された委託業務を行う場合に多く使われます。エンジニアやプログラマー、デザイナー、ライターなどのように、専門性が高く、パソコンとインターネットがあれば作業が完結するような仕事に向いています。

  • 内職副業型

    特定の仕事を専門にするというよりも、誰にでもできる簡単な仕事を中心に行う、自営型のテレワークを内職副業型と言います。インターネット上で企業が不特定多数の人に業務を発注するクラウドソーシングを活用して、仕事を引き受けることが多くなります。副業として行っている人もいます。

SDGsが目指す
「働きがい」のある
労働環境の促進にも
テレワークが役立つ

■SDGsの「目標8.働きがいも経済成長も」とテレワークの関係

世界中の人がこれからも豊かに暮らし続けていくための世界共通の目標として、2015年に国連で採択されたSDGs(持続可能な開発目標)では、「目標8.働きがいも経済成長も」という目標で、労働環境の改善に触れています。

持続可能な経済成長のためには、世界中で「働きがいのある人間らしい雇用」が重要といわれています。働きがいのある雇用とは、誰もが適切な労働時間と賃金で、ハラスメントや差別を受けることなく安心して働くことができ、必要な社会保障をきちんと受けることができる仕事のことです。

このような働きやすい職場をつくることは、企業側にとっても働き手を確保し、生産性を上げることが期待できるため、世界の企業の間で、働きやすい職場となるように労働条件や職場の環境を整える動きが広まっています。こうした状況の中、注目が集まっているのがテレワークという働き方です。

時間や場所にしばられずに働くことができるテレワークは、通勤の負担を軽減したり、より柔軟な働き方を選んだりできるため、働き手にとっても自分らしい働き方を選ぶことができます。働き方の選択肢が増えることで、働き手一人ひとりが「働きがい」を感じる仕事を見つけるために役立つと言えるのです。

■コロナショックでテレワークの必要性が高まる

2020年から始まった新型コロナウイルスの世界的な流行は、テレワークが再度注目されるきっかけとなりました。感染拡大防止のため外出の自粛が要請される中、日本でもテレワークを実施した企業は全体の3割程度になると見られています。

2020年5月の緊急事態宣言解除後にはオフィスでの仕事を再開した企業もあり、今後、テレワークが広く定着するかどうかは流動的ですが、新型コロナウイルスのような未知の感染症が再び流行することも充分考えられますし、ここ数年は地球温暖化の影響で今までにない災害が多発していて、いつ通勤できない状態になってもおかしくありません。

ふだんからテレワークを行っていれば、大規模な災害やパンデミックが起きて通勤できなくなったときにも、スムーズに仕事を続けることができます。こうした事業の継続性を確保するという意味でも、テレワークの必要性が多くの人に認識されたことは確実だといえるでしょう。

テレワークが
広まることで
何が変わる?
テレワークのメリット
やデメリット

テレワークが広まることで何が変わる? テレワークのメリットやデメリット テレワークが広まることで何が変わる? テレワークのメリットやデメリット

■テレワークのメリット

政府が掲げる「働き方改革」の中でも、柔軟な働き方ができる環境を整えるために、テレワークの推進が重要視されています。テレワークを導入する企業が増えることで、どんな効果が期待されているのでしょうか。

テレワークの普及は、「働く人」「企業」「社会」の全員にメリットがあるとされています。

働く人にとってのメリット

テレワークが浸透すれば、働く人にとってはどんな働き方をしたいかという選択肢が増えることになります。毎日出社していた人もテレワークに切り替えることができれば、通勤の負担が減って自由に使える時間が増え、家族と過ごす時間や自分のキャリアアップのための時間を持つことができるようになるでしょう。都市部に本社のある会社に就職しながら、通勤せずに郊外で働くという働き方も可能になります。さらに、在宅で仕事をしながら育児や介護との両立を目指すこともできます。

企業側のメリット

たとえば、営業職の場合、タブレットで本社と情報を共有することで、顧客先からの問い合わせに迅速に対応することができます。複数の顧客を訪問するときにオフィスに戻ることなく仕事ができれば時間が節約できるので、面談の時間や件数を増やすこともできます。

在宅勤務の場合も、オフィスよりもデスクワークに集中できる、計画性を持って仕事をする必要があるため社員の自立性が高まるなどのメリットがあります。

こうしたことから、テレワークの導入によって業務の効率がよくなり、生産性の向上が期待されます。

またテレワークで多様な働き方を選べると、人材確保にも役立ちます。働きやすさに配慮した企業の人気は高まっていますし、結婚・妊娠・出産や子育て、介護などと両立しやすいテレワークは、離職を防ぐ効果も期待されています。さらに、オフィスから遠い場所に住んでいる人、障害のある人や高齢者もテレワークなら無理なく働くことができます。

テレワークで働く社員が増え、オフィスで勤務する人員が減ると、オフィスの賃料や通勤代などのコストを削減することができます。さらに、オフィスの電力消費も抑えられるため、環境負荷を減らすことにも貢献できます。

さらにテレワークは、事業継続性(BCP=Business Continuity Plan)を確保するためにも有効であるとして、注目が高まっています。大規模な災害やコロナショックのようなパンデミックが起こったときに通勤ができなくなっても、ふだんから在宅勤務をしていれば、スムーズに事業を継続することができます。

社会面のメリット

少子高齢化が進む中で、働き手の人口が減り続けていることから、人材をいかに確保するかが課題となっています。テレワークによって柔軟な働き方ができるようになれば、女性や高齢者、通勤が難しい障害者、オフィスから遠い場所に住んでいる人など、雇用の創出に役立ち、労働力の確保につながります。

また、地方にサテライトオフィスを設置したり、地方の空き家をサテライトオフィスとして活用したりすることで、地方の活性化も期待されます。

オフィスの消費電力を低く抑えられること、通勤する人が減ることで、エネルギー消費が抑えられて二酸化炭素排出量の削減につながります。

■テレワークのデメリット

テレワークには、企業が導入に踏み切るときのハードルになり得るデメリットもあります。

デメリットとして、まず挙げられるのは、テレワークをしている社員とコミュニケーションがとりづらくなることです。企業側にとっては社員がどのように働いているか見えにくくなったり、人材育成がしづらくなったりすることが心配されます。管理職にある人にとっては、社員の業務の進捗状況を管理しにくくなったり、見えないところで働いている社員の成果をどう評価するべきかわかりにくかったりすることが課題となります。このような課題に対応するために、コミュニケーションツールをあらかじめ整えておいたり、タスク管理や評価制度を見直しておいたりする必要があります。

インターネットで情報をやりとりすることが増えるため、セキュリティー対策も万全にする必要があります。社員一人ひとりがパソコンやタブレットを使うことになるため、個々の端末と社内のネットワークでデータをやりとりする際に、どのように情報漏洩(ろうえい)を防ぐかということが大きな課題となります。

テレワークを始めるためには、インターネット環境、社内ネットワーク、パソコンやタブレットなどのIT端末、セキュリティー対策から、業務に必要なアプリまで、導入のためのコストがかかることもデメリットの一つです。

テレワークにはメリットも多い反面、デメリットもあります。また、飲食業や小売業、建設業などテレワークには向かない業種もあります。しかし、世界的に見ても将来的にテレワークで働く人は増えていく見込みです。

あなたが将来、働いてみたいと思う仕事では、テレワークはできそうでしょうか? テレワークの導入が進んだら、みんなの暮らしはどう変わっていくでしょうか? テレワークについて知ることをきっかけに、10年後、20年後の日本人の仕事と生活について想像をふくらませてみましょう。

また、テレワークに象徴される柔軟な働き方の重要性が、コロナショックをきっかけに高まっていることも注目したい動きです。2020年6月には、大手菓子メーカーのカルビーが、オフィスで働く人はテレワークを原則とすることと、業務に支障がないと認められる場合には、単身赴任をやめて家族と同居できるようにすることを決め、新たな働き方を導入すると発表して話題になりました。働く人やその家族にとって、負担の大きかった「単身赴任」のあり方も今、大きな転換点にあるのかもしれません。

テレワークについて考えることで、これからの日本の働き方がどう変わっていくのか、考えを深めることができるでしょう。

【この記事に関連する目標】

※他の目標とも関連していますが代表的なものをあげています。

[参照元]

テレワークとは|日本テレワーク協会

https://japan-telework.or.jp/tw_about-2/

SOHO(ソーホー)とは? 最適な業界・職種の例、オフィスとの違いを解説 |カオナビ人事用語集

https://www.kaonavi.jp/dictionary/soho/

テレワークの種類とそれぞれのメリット・デメリット:株式会社 日立ソリューションズ・クリエイト

https://www.hitachi-solutions-create.co.jp/column/reform/telework-merit.html

総務省|テレワークの推進|テレワークの意義・効果

https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/joho_tsusin/telework/18028_01.html

テレワークとは | 働き方・休み方改善ポータルサイト|厚生労働省

https://work-holiday.mhlw.go.jp/telework/

総務省|ICT利活用の促進|テレワークの推進

https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/joho_tsusin/telework/

コロナ後、テレワークは結局「無かったこと」になるのか——第一人者に直撃 (1/3) - ITmedia ビジネスオンライン

https://www.itmedia.co.jp/business/articles/2005/28/news035.html

テレワークから始める働き方改革|基本理解と導入のヒントを紹介

https://bowgl.com/telework/

テレワークの効果|日本テレワーク協会

https://japan-telework.or.jp/tw_about-2/tw_effect/

テレワークによる節電対策と期待効果|日本テレワーク協会

https://japan-telework.or.jp/tw_about-2/save_effect/

効果・効用 | テレワーク総合ポータルサイト|厚生労働省

https://telework.mhlw.go.jp/effect/

テレワークの最新動向と総務省の政策展開|令和元年5月31日総務省

http://teleworkkakudai.jp/event/pdf/telework_soumu.pdf

「サテライトオフィス」設置に係る民間企業等のニーズ調査|平成29年4月総務省地域力創造グループ

https://www.soumu.go.jp/main_content/000484657.pdf

カルビー 単身赴任やめ家族と同居可能に 新型コロナに対応|NHK NEWS WEB

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200625/k10012483571000.html

関連記事

2020年02月05日

全対象

先生の仕事、「魅力」はあるの?

教育

2019年11月14日

全対象

男性の育休促進に「パタハラ」解消を

子育て

2019年10月23日

全対象

教育の情報化、「手引」で追いつけ

教育