今週の特集
「新しいクラスで仲良しの友達が見つかるかな?」そんな気がかりに答えるアドバイスを、お子さまのタイプ別に紹介します。
子どもの気持ちと
保護者の関わり方がわかる
友達との心地よい距離感や付き合い方はお子さまのタイプによって異なり、サポートのしかたも変わります。まずはお子さまのタイプを診断してみましょう。
「友達と遊びたい、仲良くしたい」という思いが強く、まわりにも興味深々。ただ、自分から話しかけられないことも。お友達への話しかけ方や、タイミングがわかると、安心して一歩を踏み出せますよ。
きっかけづくりの
アドバイスと見守り方
新しい環境やお友達を前にしたお子さまは、いつもより緊張・心配しているかもしれません。あえてちょっといいおやつを食べる、家では自由に過ごせるようにするなど、リラックスできる雰囲気で見守りましょう。
先生に相談して気の合いそうな子に声をかけてもらったり、低学年なら親子で会話に入る練習をしてみたりするのもおすすめです。少人数のグループで活動する習い事などの環境を用意する、親子で参加できるイベントで家族ぐるみで仲良くなるといった工夫で、友達ができることもあります。
自分から学校のことを話す機会は減ってくるので、保護者のかたからも「友達できた?」といった質問はなるべく避けて。お子さまが友達づくりの不安について語ったら、時間をとってゆっくり聞いてあげられると理想的ですね。
友達と遊びたいと思ったときに、積極的に関わることができるタイプ。ただ、ときにはその場の状況に合っていなかったり相手の気持ちとすれ違ったりして、ちょっとだけぎくしゃくしてしまうことがあるかもしれません。
関わり方を変えられる
アドバイスが必要
本人には悪気がないので、気になるときは保護者のかたが普段の様子や友達とのやりとりを観察したり、学校での出来事を聞いたりして、気持ちがうまく伝わらない理由を見つけてあげましょう。
例えば口調が強い、自分の気持ちを優先しているといった言動をしているなら、「私の気持ちも聞いて欲しいな」など日常の中で態度や接し方を気にかけて声をかけていくといいですね。低学年なら童話の『北風と太陽』になぞらえて「それは『北風言葉』だよ。『お日さま言葉』にしようよ」などの言い回しも楽しく使えます。ただし、すぐに変わるものではないので気長にアドバイスをしていきましょう。
年齢が上がるとアドバイスも上から目線の注意と捉えられやすくなります。友達関係を引き合いに出したりせず、「それは、こんなふうに言ってほしいな」と保護者のかたの気持ちとしてさらりと伝えましょう。さりげなくお手本になるような接し方をしていくことも効果があります。
必要なときは仲間と力をあわせつつも、一人の時間を大切にして、楽しんでいるタイプです。みんなと遊ぶことを求めすぎると、自分の時間がなくなって、元気がなくなることも。「今は、一人の時間を大切にしているんだな」と子どもの個性を受け入れて。
自由な時間を大切に
応援してあげて
自分の好きなことに熱中できる時間を十分に確保し、その世界を深掘りできるように応援してあげましょう。学校では場に応じた行動を求められるので疲れを感じることもあるかもしれませんが、家での自由時間がエネルギーになりますよ。
友達をつくることにこだわる必要はありませんが、学校外の習い事や趣味などで話の合う友達に出会うこともあるので、そうした機会をつくってあげてもよいですね。
学校での様子は参観や文化祭、運動会などでも見られますが、友達関係が見えづらいときは面談などでたずねてみてもいいですね。「部活動では楽しそうにおしゃべりしていますよ」など意外な一面を知ることもあります。
タイプを4つに分けたアドバイスも!
友達との会話は、家庭でロールプレイ(シミュレーション)しておくと、その場でも言いやすくなります。お子さまとのやりとりの中で具体的なセリフを伝え、自分でもつぶやいてみるように促してみましょう。低学年なら友達ごっことして会話の練習をしてみるのもいいですね。
話の輪に入りたい
ときのやりとり
友達に声をかけづらい子には、「遊んでいる友達に声をかけるなら『それ面白そう! 私も入れて』、話に入りたい時は『何話してるの?』って言ってみよう」と場面をイメージして伝えましょう。断られた時の「じゃあ見ていてもいい?」「次は一緒にできるゲームしない?」「また今度入れてね」などという対応も想定しておくと勇気が出やすくなります。
相手の気持ちを
考えたやりとり
一方的な言動が気になる時は「一緒に遊ぼう、何したい? それ、いいね!」「私これ苦手なんだー。〇〇ちゃんはどう?」など、自分の気持ちを伝えたら相手の希望や気持ちも聞いて、尊重するような会話ができるように促しましょう。また、期待どおりの答えが返ってこない時もあることや相手にもタイミングがあることを伝えましょう。
誘いを断る
やりとり
誘いを断る時、「ごめんね」「ありがとう」などの一言があると、友達関係は円滑になります。「やりたいことがあれば友達の誘いを断ってもいいけれど『今はこれをやりたいんだ。ごめんね』って伝えようね」などの丁寧な対応を教えましょう。
家庭での会話は友達とのやりとりの練習になりますし、保護者のかたの言動もお手本になります。保護者のかたへの言動から気になることがあれば「友達にこんなふうに接して欲しい」と思う言い方や対応をアドバイスしていきましょう。
大学生の先輩に、小学校や中学、高校時代に「どのように友達をつくったか」を聞きました!
小学校のとき、クラス替えのタイミングで「好きな芸能人ベスト3を教えて!」と聞いて、そこから好きな番組や歌、ドラマ、芸人、アイドルなどに繋げて、さまざまな話をしました。
小学生のときは、仲良くなりたい子と同じ係に入りました。中学以降は、部活動に入ったら自然と気の合う仲間と出会えました。
高校時代、自己紹介の際に怖気つかずに「声優さんが好きです!」と言ったところ、たくさんの人が「私も〇〇さん好きなんだ」と話しかけてくれました。
喋るのがあまり得意ではなかったけど、入学式の時にとりあえず隣後ろ前など自分の周りにいる子たちに「よろしくね」と声をかけて喋るハードルを自分の中で下げました。
お子さまが望む形で友達との関係づくりができるよう、タイプに合わせた対応をすることが大切です。新しい環境でも毎日楽しく過ごせるように、アドバイスやロールプレイを通してサポートしていきましょう。