今週の特集Special feature

NGワード・キラーワードは? 先生とのコミュニケーション術

新しい担任の先生はどんな人? うまくやっていける? お付き合いの始まるこの時期に、先生とのコミュニケーションを円滑にするコツや困った時の対処法などをご紹介します!

お聞きしたのは

親野智可等先生
(おやの ちから)

教育評論家。長年の教師経験をもとに勉強法や家庭教育について具体的に提案。
Twitter、Instagram、Voicy、Blog、メルマガなどで発信中。オンライン&全国各地の教育講演会でも大人気。詳細は「親力」で検索。

先生とのお付き合い何が気になる?

子どもとタイプが合わないみたい… 先生によって付き合い方って変えたほうがいい? 先生の雰囲気がよくわからない 個人面談がちょっともの足りなかった 授業参観日の様子に不安になった 相談したいけれど、忙しそうで遠慮しちゃう 相談したいけれど、忙しそうで遠慮しちゃう

「自学自習」って何ができていること?なぜ大事?

先生の個性を
ポジティブに受け止めよう

保護者のかたは、ベテランの先生に安心感を抱くことが多いかもしれません。一方で、若い先生は子どもに人気があります。そもそも、どの先生にも、音楽が得意、体を動かすのが好き、本をたくさん知っているなど、さまざまな個性があります。

うわさや他の人の印象だけで判断するのではなく、まずは先生のよい面を探してみてください。学校生活の数年間を通して、個性の違う先生たちに出会うことで、子どもに新たな世界が広がることもありますよ。

先生、教えて!

子どもが先生を好きになれないみたい
まずは子どもの気持ちを「そうだね。そうなんだ」と共感たっぷりに聞いて、すっきりさせて。共感してもらえないまま、いきなり「先生は、あなたのために言ってくれているんだから……」と励まされると、子どもがそれ以上話せなくなってしまいます。話をじっくり聞いてから、対策を考えましょう。

あたり・はずれの
評価をしない

周りの保護者や、きょうだいがいて学校との付き合いの長い保護者の話は、とても参考になります。いろいろな情報を集めておくのは、よいこと。でも、隣の芝生は青く見えるものだと心得て、簡単に評価を決めないことも大切です。

ネガティブな情報は、子どもの耳に入らないように気を付けて。「あの先生、すごく厳しいみたいだもんね」などのひと言で、子どもが必要以上に不安を感じてしまうこともあります。周囲の人や子どもの意見は、あくまでそれぞれの見方によるもの。冷静に受け止めて。

先生もドキドキ。
協力的な気持ちを見せよう

初めての参観日などで保護者と対面する日は、先生は保護者以上にドキドキ、わくわくし、最初の出会いをよいものにしたいという思いでいっぱいです。ぜひ参観し、保護者会にも参加して、先生の話を聞く姿を見せましょう。

たとえば、保護者のかたが先生の言葉にうなずいたり、メモをとったりしてくれるのは、先生にとってはたいへんうれしいものです。お付き合いを印象よくスタートすると、その後のコミュニケーションもスムーズになりますね。

先生に相談する時のNGワードとキラーフレーズ

相談ごとによって
「聞きどき・話しどき」
を考える

子どものことや先生の指導について、いつ相談するのがよいかはケースバイケースです。給食のことなど、日々子どもが悩んでいること、学校がつらくて行きたくなくなってしまうようなことは、なるべく早く相談してどうすればよいか考えたほうがいいですね。

一方で時間を置くと状況が変わることもあるので、子どもの様子をよく見て、少し見守ってみても。その間に先生とのコミュニケーションがとりやすくなり、相談しやすくなることもあります。

先生も人。
大人の交渉術でよい雰囲気をつくって

先生にとって、保護者とのお付き合いには、子ども相手とは違う緊張感があります。連絡帳や立ち話で、ひと言感謝を伝えておくと、雰囲気がぐっと変わります。

相談する時もクレームではなく、意見を聞きたい、頼りにしているという伝え方がよいですね。また、「家でも問題は理解している」「努力している」ということを伝えると先生は安心します。

普段から伝えたいフレーズ

「先生のことが大好きみたいです」「先生のクラスになって喜んでいます」「授業がわかりやすいようで、助かります」など先生に対してポジティブな印象を感じさせる言葉

相談の時は

「家でも努力しているのですが」「困っているので相談に乗ってもらえますか?」など、協力してほしい、頼りにしていると伝える言葉

NGワードはこれ!

「去年はよかったんですが……」「クラスの雰囲気がよくないみたいで」「先生のやり方に問題があるようで……」
以前の先生と比べている、クラスを否定しているなど、「担任のせい」と受け取られる可能性のある言葉。

こんなことで…と思われない?

友達のこと

友達の輪に入れない時は先生から面倒見のよい子に声をかけて誘ってもらうなど、ひと声かけてもらうだけで解決することもあります。
高学年になるとそう簡単にはいかない場合もありますが、子どもの様子を気にかけてもらえるだけでも安心感につながりますね。でも本人が一人で過ごしたいなら、その時間も大切に。

いじめの心配や悩みは、先生が気付いていないこともあるので相談する必要があるでしょう。ただし、自分の子どもからの情報だけでは相手の言い分などがわかりませんので、決めつけた話し方にならないようにしましょう。

勉強のこと

今の学校のシステムは大人数の一斉授業なので、学校での個別指導は難しいのが現状です。勉強は積み重ねでもあり、家庭学習で前の学年の復習をするなどのサポートが重要に。
家でも苦手に向き合っていることを伝えておくと、先生にも子どもや保護者のかたの努力が伝わり、見方も変わります。

生活のこと

生活習慣に関することは家庭内のことと思いがちですが、学習習慣や学力に影響することもあります。こうしたことは、先生からよいアドバイスがもらえることもあるので相談してみて。

先生、教えて!

給食のことで先生と方針が合いません
給食の悩みは毎日のことなので学校生活全体が嫌になってしまうことも。方針には理解を示しつつ、「以前無理に食べさせたら吐いてしまった」「登校をしぶったこともある」など、少し大げさに伝えてもよいので、子どもに無理をさせないように相談しましょう。

こんな時どうする? みんなの気になるQ&A

担任の先生との関係で困った時は、他の先生に相談してもいい?

悩みごとを抱え込むのはよくないので、話しやすい先生に相談してみるのもあり。たとえば前の担任の先生や他のきょうだいの担任だった先生、学年主任の先生など、なるべくすでにコミュニケーションがとれている先生がおすすめです。学校カウンセラーや保健の先生に、子どもと先生の関係について相談してもいいでしょう。

先生のタイプが少し苦手。どうしたらいい?

人間どうしですから相性はありますね。苦手と感じるのはしかたないこと。ただし、大切なのは子どもと先生、クラスと先生の関係です。保護者のかたの印象で、子どもに余計な先入観を与えないように気を付けましょう。

夏休みや冬休みも相談できる?

長期の休みも平日は出勤していることが多いので、予定を尋ねてみて。連絡帳でもアポイントをとれます。休み中に個人面談があれば、順番を最後にして少し長めに時間をとってもらえるよう頼むという方法も。

先生が厳しすぎて子どもの負担になっているのですが……。

先生があまりに厳しく、クラス全体が疲弊しているような時は、クラスの保護者から選ばれたPTAの役員やクラス委員に代表して話をしてもらうといいですね。

もし子どもによって厳しさが違う、我が子に合わないというような時は、まずはその先生に「ご迷惑をおかけしております○○の件でご相談させてください。本人も気にはしているのですが、なかなか…」など大人の伝え方で話して、子どもを救ってあげてください。改善されない時は学年主任・教頭・校長など上の立場の先生に相談してみましょう。

まとめ

学校生活に悩みごとが出てきた時、担任の先生との協力関係は重要です。その時にゼロから関係をつくるのは難しいので、日頃からよいコミュニケーションをとっておきたいもの。子どものためにも、日頃からさりげない感謝を伝えてみてくださいね。

取材・文/小谷野少名

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