今週の特集
ルールをつくっても守らない、隠れて使う、課金や友達とのトラブルが心配。そんな子どものSNSにまつわる気がかりへの対策を特集します!
中高生は大人が思うよりも狭い世界に生きていて、自分がコミュニティの中でどんな存在でいるかがとても重要。
コロナ禍で、オンラインで友達と待ち合わせをしておしゃべりする子どもも増え、いっそうリアルな社会との境がなくなってきています。
スマホを部屋に持ち込む
など隠れて使う
- どうせ『ダメ』って
言われるし……
SNSで他の友達が会話を続けていると、やり取りに乗り遅れたくないと思うし、部活などの連絡が入るかもしれないと思えば気になります。本人にとって重要なことなので、禁止や小言は納得できず隠れて使ってしまうことに。
他のことが後回しになる・
時間の約束が守れない
- 時間のことはわかって
いても相手がいるから
やめられないんだ
SNSの会話には終わりがなく、ついずるずると続けてしまいがち。また、既読が相手にわかる場合は、すぐ返さないと相手に悪いと感じます。相手の家とは使える時間や時間帯が違っていても、言い出せないことも。
「何話しているの?」
などと聞くと反抗される
- また文句? どうして
いちいち聞いてくるの?
年齢的に自立心も芽生え、あまり干渉されたくない時期です。さらにおうちのかたから小言や否定的なことを言われるのではないかという警戒感があると、先回りして反発してくることも。
ダメと言っても
課金をねだってくる
- 課金していないのが
バレバレで恥ずかしい
んだよ
たとえば課金しないと使えないスタンプやキャラクターがあるなど、多くのアプリは、課金した人としていない人がわかりやすいようにつくられています。課金は自分の所有欲よりも、コミュニティでの立場を保ちたい場合があります。
SNSで知り合った
相手に会ってしまう
- 絶対いい人だから
大丈夫!
オンラインのやりとりは、面と向かうよりも気持ちを打ち明けやすくなります。一方で、子どもを狙う側は、警戒心を解く会話のテクニックをもっています。子どもはリスクに気付かず、やさしい言葉や共感の言葉で信頼感が生まれ、気軽に会ってしまいます。
SNSの使用には
「練習期間」が必要
学年が上がるごとに勉強や部活でもネットやSNSを活用する場面が増えていきます。SNSは子どもたちの世界で身近なものになりすぎていて、簡単にダメと言えない状況も。
使い慣れていくことで、上手に活用できるようになっていくので、注意点などを伝えながら経験を積ませるようにできるといいですね。
家族間のSNSで
子どもの会話力を
チェックする
会話と文字のやり取りでは伝わり方が大きく異なりますが、子どもはこの違いがわかっていないことが多くトラブルの元になります。子ども同士のやり取りに大人が介入するのを嫌がる年齢なので、家族間でSNSを利用すれば子どもの会話力が見えてきます。
たとえば「は?」というひと言は、親しみを込めたつもりでもSNSでは怒っている、あきれていると感じられやすく危険なワード。子どもが家族に使っていたら「こんなふうに感じるよ。気を付けたほうがいいよ」とアドバイスできます。
「見守り」
「ルール」「環境」で
守っていく
アプリやスマホ、Webサービスなどのペアレンタルコントロール(保護者による使用制限)を設定しましょう。保護者が使用時間や閲覧ページ、課金などを制限できます。自動で制限される方が子どももルールを守りやすくなります。
一方的に設定すると信頼関係に影響も。子どもの話も聞き、両者納得のルールを考えて。実際に起こった事件などを子どもに伝えて「こんなことも起こるから、気を付けないとね。今はここまで制限しようか」と相談し、子どもに決めさせると、より守りやすくなります。
使用する機種、閲覧するブラウザー、アプリごとに使える時間、時間帯、課金の禁止などいろいろな設定ができます。それぞれに設定方法を検索して、わかりやすい解説を探しましょう。そのうえで、クレジットカードやお金、パスワードの管理を厳重にして、子どもの誘惑の芽を減らしていきましょう。
スマホで設定しても、使うブラウザーによって設定が無効になってしまう場合もあります。使用機種、ブラウザー、アプリをそれぞれ確認、設定しておきましょう。初めはひと手間かかりますが、その後の安心感や運用しやすさが大きく変わるのでやる価値はあります!
SNSトラブルは設定
だけで回避できる?
使用時間や課金は制限できますが、SNS上で不特定の人との交流をすべてシャットアウトするのは至難の業です。誤解、炎上、誘拐などSNSの危険性をしっかり伝えることが大切。また、家族に見える場所で使わせたり、音声で会話している時は「ご飯よー」などと声をかけて、相手に「近くに家族がいる」と知らせるなどの工夫もできるでしょう。
約束が守れなかったら
取り上げていい?
取り上げることで親子の関係がこじれた、取り上げなかったからどんどんゆるくなってしまったなど両方の失敗談があり、対応は難しいところです。
ただ、約束をくり返し破ったり、大きな失敗をした時は制限も必要でしょう。「使用禁止」「取り上げ」ではなく、使い方を見直せるように「一時預かり」で「サポート」するという姿勢で向き合うと良いと思います。
子どものチャットを
監視していい?
親子関係にもよりますが、子どもに無断でチャットを覗いたり、会話を立ち聞きしたりするのはおすすめできません。一方で、子どもと同じゲームをしたりSNSでやり取りしたりする中で「他の子はどんな感じ?」などと尋ねると、子どもから「これ見てよ」「こんなのもあるよ」とオープンにしてくれることもあります。共感や興味を示し、子どもが話したくなるような会話をしてみるのもよいでしょう。