冬休みの宿題にお悩みのかた必見! 小学生の書き初め 意味やおすすめの言葉 うまく書く方法から片付け方まで

冬休みの宿題や授業で
取り組むことも多い「書き初め」。
「準備や片付けが大変」
「うまく書けないから苦手・・・」
といった悩みもよく聞きます。
そこで、全国で指導を行う
書家の福田房仙先生に、
書き初めの意味や
おうちで楽しく取り組むコツを伺いました。
小学生におすすめの書き初めの言葉、
片付けの注意点も紹介します。

STEP1 書き初めは何のため?
意味と由来は

書き初めは、新年の抱負や目標を書く大切な風習です。平安時代の新年の行事「吉書の奏(きっしょのそう)」が始まりとされ、鎌倉・室町時代にも引き継がれていきました。元々は宮中行事だったものが、江戸時代には寺子屋を中心に「新年に書道をする」習慣として庶民に広がり、現在の書道にもつながっています。

一般的に書き初めは1月2日に、若水(わかみず)を使って行います。若水とは元日の朝に井戸などから最初にくむ水のこと。現代ではもちろん水道から出た水で構いませんし、日付にもこだわりすぎる必要はありません。新しい水を使って新年に夢や希望を書くことには、気持ちを新たにするほか「書の上達を願う」意味があります。

スマートフォンやパソコンでの入力が増え、文字を書くことにあまり意味を見いだせないという声もあります。でも、美しい文字を書くことは気持ちを落ち着けてくれますし、ミスを防ぐためにも大事なことです。

STEP2 小学生の書き初め、
何を書くのがいい?
おすすめの文字は

小学校低学年(小1〜2年) 季節にちなんだ言葉や好きなことをひらがな2、3文字で

未就学児や小学1、2年生であれば、まずは基本であるひらがなの書き方を押さえたいところ。ひらがな2文字か3文字の短い言葉を書いてみましょう。冬やお正月など時期に合った言葉でもいいですし、季節に関係なく好きなことでも。お子さまがワクワクするような言葉を自由に選んでいいと思います。
例:「ふゆ」「そら」「くも」「はつひ」「きぼう」

小学校中学年(小3〜4年) 漢字を使った3文字か4文字の言葉

小学3、4年生なら、少しステップアップして、学校で習った漢字も入った3文字か4文字の言葉を選んでみましょう。あまり画数が多くない漢字を使っていて、希望が感じられるような言葉だといいですね。
例:「ふじ山」「お正月」「雪だるま」「明るい心」「のびる心」

小学校高学年 (小5〜6年) 難しい漢字や四字熟語にも挑戦

小学5、6年生は、漢字が3、4文字入った4、5文字の言葉を選びましょう。四字熟語でも。難しい漢字が入ってくることもありますが、ぜひ挑戦してみてください。
例:「永遠の光」「真理の追求」「一期一会」「七転八起」

STEP3 書き初めをうまく
書く方法は?
毛筆と硬筆それぞれ解説

「毛筆」でうまく書く方法は?

書道教室で日頃練習していない人が、いきなり上手に書くのは難しいことです。上手に書こうとは思わず、まずはいくつかのポイントに注意してください。

  • 中心をそろえる
  • 横線は右上がり
  • 全体のバランス

これだけ気にするだけでも違ってくるはずです。文字には四角い形や丸い形など、大体の形があります。書きたい文字の形をとらえて、どんなふうに用紙に配置するか考えるのも楽しい作業になると思います。また、漢字は大きめ、ひらがなは小さめに書くのもバランスがよくなるコツです。

硬筆でうまく書く方法は?

右上がりなど、気を付けてほしいポイントは基本的に毛筆と同じです。硬筆で「かわいい文字」「流行の文字」を書きたくなることもあると思いますが、まずはきれいな字を書くことを意識し、漢字の形や正式な書き方をしっかり覚えましょう。毛筆は正しい持ち方で、硬筆は間違った持ち方をしていることもあるので、そこは保護者のかたが気にかけてあげましょう。

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STEP4 おうちを汚さない
準備・片付け方は?

おうちを汚さない準備の方法

書き初めは机ではなく、リビングの床などで行うことが多いと思います。まずはしっかりスペースを取り、家具などを汚してしまわないよう新聞紙などを敷いておきましょう。教室では押し入れシートを使っていますが、ズレにくくて書きやすいです。ボコボコするような素材のシートは避けてください。

おうちを汚さない筆と
すずりの洗い方

片付けの際は、まず余分な墨を新聞紙などにとり、ボタボタ垂れないようにしてから水場に移動して洗います。筆もすずりもしっかり洗いますが、筆の横から水を当てると筆が割れてしまいます。筆は縦にして穂先を下にし、上から流水(出し過ぎない)でもみほぐすように洗い、洗い終わったら軸を下、穂先を上にして乾かしてください。

最後に

新年に書き初めをすることで、心を落ち着けたり自分の状態や目標を確認したりすることができます。上手下手にはこだわらず、家族みんなで取り組んでみてください。

福田房仙 書家。書を通して生き方を学ぶ「房仙会」主宰。米沢(山形)・東京・三島・京都・大阪・米子(鳥取)校のほか、Zoomによるオンライン指導も実践している。

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