「『大学生になったら留学したい』と子どもに言われるけど、費用面で難しいかも...」
物価上昇などの影響が家計にも押し寄せており、お子さまが海外留学を希望していても、前向きに考えづらいご家庭が多いかもしれません。
でも実は、多くの大学には、学生の海外留学をサポートする奨学金制度があります。
お子さまの夢を実現するためにも、海外留学用の奨学金に注目してみましょう!
海外留学用の給付型奨学金が充実!
海外留学用奨学金は、「貸与型」(返還義務あり)と「給付型」(返還義務なし)の2種類に分けられ、多くの機関・団体が海外留学用の奨学金を設けています。
うれしいのは、給付型のものが充実していること。
海外留学用の給付型奨学金としては、日本学生支援機構(JASSO)や文部科学省、外国政府、地方自治体、民間団体、大学独自によるものなどが挙げられます。
代表的なものとして、日本学生支援機構と文部科学省が運営する給付型奨学金についてご紹介しましょう。
■独立法人日本学生支援機構(JASSO)
「海外留学支援制度(協定派遣)」
一定の家計基準を満たす学生に奨学金を給付し、海外大との協定プログラムを支援。
「海外留学支援制度(学部学位取得型)」
学士の学位取得を目指し、海外大に留学する学生を対象として奨学金を給付。
■文部科学省
「トビタテ!留学JAPAN 新・日本代表プログラム」
文部科学省が主導する留学促進キャンペーン「トビタテ!留学JAPAN」の運営による海外留学支援制度。
留学プランを自分で設計できる、自由度の高さが特徴。
毎月の奨学金に加えて、留学準備金などのサポートも受けられます。
まずは「どの国・地域に留学したいか」「どのくらいの期間か(長期か短期か)」をお子さまと話し合ってみましょう。
大まかな方向性が決まったら、あまり機関・団体を絞り込みすぎずに幅広くリサーチを。
留学に対する具体的なイメージが見えてくるにしたがって、「どの奨学金制度を活用するか」が決まってくるでしょう。
大学独自の海外留学用給付型奨学金
全国の大学には、海外留学のための給付型奨学金制度が用意されています。
ここでは一例として、2023年度に国公立大・私立大各2校が実施する海外留学用給付型奨学金制度についてご紹介します。
※年度によって内容が変わる場合があるので、詳しくは各大学のホームページをご確認ください。
■国公立大
海外での学会参加から語学研修まで幅広くサポート!
筑波大
筑波大学海外留学支援事業(はばたけ!筑大生)
海外の大学で学修,調査・研究を行う「キャンパス イン キャンパス(CiC)等支援プログラム」や、学生グループが海外で交流・研修等の活動をする「海外武者修行支援プログラム」など多彩な制度を用意。
短期留学を中心にサポートが受けられる
徳島大
徳大海外留学支援制度アスパイア奨学金
外国の学生交換留学協定校などへの短期(8日以上2か月未満)・長期(2か月以上12か月未満)留学に対して奨学金を給付。
「まずは短期でお試し留学してみたい」というお子さまにもおすすめです。
■私立大
産学合同の奨学金に注目!
青山学院大
青山学院大学産学合同万代外国留学奨励奨学金 —太平エンジニアリング・AGU産学合同スカラーシップ—
青山学院大と株式会社太平エンジニアリングが合同で、協定校や認定校で学ぶ資金として奨学金を給付。
世界のトップレベル大学での留学が決まれば、さらに多くの金額の給付が見込めるのが特徴です。
青山学院大にはこのほかにも、「青山学院国際交流奨学金」など海外留学のための給付型奨学金が複数用意されています。
国内・海外両大学の学位が取得できる!
関西学院大
ダブルディグリー留学奨学金
関西学院大から海外大に留学し、それぞれの大学で修得した単位の一部を両大学が相互に単位認定し、両大学の学位を取得できる「ダブルディグリー留学」を支援。
現在は社会学部、商学部、国際学部、言語コミュニケーション文化研究科を対象に実施されています。
関学ではこのほかにも、交換留学や海外異文化体験セミナーなど多彩な留学プログラムがあり、奨学金の種類も充実。
目的に応じて、お子さまにピッタリのプログラムを選んで留学を実現できそうです。
海外大日本校の給付型奨学金を要確認!
「海外大への留学は家計的に難しい...」という場合は、海外大の日本校に注目してみてはいかがでしょうか?
例えば、「文部科学大臣指定外国大学日本校」(外国の大学の課程を有する教育施設)として文科省から指定を受けている東京都世田谷区のテンプル大ジャパンキャンパス。
授業がすべて英語で行われるうえ、学生の6割は外国人なので、日本にいながら海外留学に近い環境で学べます。
テンプル大ジャパンキャンパスでは、下に挙げた複数の奨学金制度を用意されています。
大学学部課程奨学金(Undergraduate Program Admissions Scholarships)
学業面やその他の活動において、優秀な成績または実績をもつ新入生に給付され、給付内容等によって以下の3種類がある。
・ダイヤモンド奨学金
入学後の連続した2学期分の授業料半額付与。以降、一定の学業成績を維持することで、最長6学期(秋・春学期のみ)にわたり授業料全額付与。
・学長奨学金
入学後の連続した2学期間分の授業料半額付与。
・TUJ奨学金
入学金相当額を付与。
TOMORROW HOPE - TUJスカラシッププログラム
卒業までの最長6年間、年間60万円の奨学金のほか、入学時と卒業時に10万円のお祝い金を付与。
選考時点で20歳未満であることなどが条件。
Bridge Program奨学金(Bridge Program Scholarship)
英語力が学部課程への正規入学基準に満たない学生の条件付きプログラム(Bridge Program)入学者を対象にした奨学金。
Bridge Program入学金相当額を付与。
持田・ストロナク全額奨学金
個人の寄付をきっかけに設立された奨学金。卒業までの学費・諸費用全額、最大約 1,055 万円を給付。期間は最大 10学期(期限 5年間)。
国公立高等学校を卒業見込みで、日本国籍を有する者が対象。
在学生対象の奨学金
優秀な成績を修め、且つ、経済支援を必要とする在学生を対象に、授業料の一部を免除する奨学金。TUJで最低12単位を取得していることなどの条件を満たす必要あり。
特に、「持田・ストロナク全額奨学金」は、オプションとしてテンプル大アメリカ本校(ペンシルベニア州フィラデルフィア)への最長2学期間の留学(学費・諸費用給付)も含まれているのが特徴。
もともとアメリカ留学を希望している人にはうれしい内容です。
さらに、「Bridge Program」(英語力が学部課程への正規入学の基準に満たない学生を対象とした条件付き入学プログラム)によって入学する人でも、給付できる可能性があります。
高校の成績などの給付基準をクリアする必要はありますが、英語力が不十分でも学費と生活費の心配なく留学が実現できるのは大きな魅力です。
上に挙げた奨学金の給付条件等は一部です。
テンプル大の奨学金について、さらに詳しく知りたい方はこちらへ!
大学時代に海外で学んだ経験は、将来の可能性を大きく広げてくれます。
気になるのは費用ですが、給付型奨学金を活用すれば、確実に海外留学のハードルは下がります。
お子さまの志望大を考えるにあたって、「海外留学をサポートする学校独自の奨学金制度があるかどうか」も、ぜひ検討ポイントの1つに加えてみてはいかがでしょうか?