「将来の夢とかもないし、なかなか進路を決められない!」
「進路は決めたけど、このままでいい?何か見落としていることがありそう...」
こんなふうに進路で悩んでいるお子さまも多くいらっしゃると思います。保護者として、何かサポートしてあげられないかと考えてしまいますよね。
そんなとき、進研ゼミがお伝えしているのが『ミライ探究』という考え方です。
『ミライ探究』とは、身近な興味や問題からミライや社会を想像して、進路へと結びつける考え方。
そんな『ミライ探究』シリーズの番外編として、進研ゼミ出身の社会人78人にアンケートを実施しました。
前回は高校生のうちから身につけておきたい、社会に出て仕事をしている社会人が必要だと思っている力をお聞きました。
Check!>> 【ミライ探究】ゼミ出身の社会人78人に聞いた!ミライのお子さまが活躍するために、高校でやるべきコト≪前編≫
今回のテーマは、「自分の進路選択の軸」です。
「軸」は、進路を決めるときの方向性を示してくれるものですが、それだけではなく、進路がブレそうになったときや受験勉強がツラいときにお子さまを支えてくれます。
アンケートをもとに、何を「軸」にして進路を考えて、それが大学生・社会人のときにどう活きたのかを知ることで、進路選択に悩むお子さまへの声掛けに役立てることができるので、ぜひ参考にしてください。
ゼミ出身の社会人が語る!進路を考えるときの「軸」は大きく分けて2タイプ
進研ゼミ出身の社会人が、高校生のときに進路選択の「軸」「考え方」にして良かったと思うことは、大きく2つのタイプに分かれていました。
「①将来の夢から逆算タイプ」は、すでにはっきりとした憧れの職業があるタイプ。
小さい頃から夢として抱いていたとか、小中校生のときの経験から決めたとか、「すでに進路が決まっているタイプ」と言えます。
「②好き・興味からの探究タイプ」は、夢や将来をはっきり決められていないけれど、自分の好きや興味を分析して進路を決めたタイプ。
「これから考えて進路を決めていくタイプ」と言えます。
ここからはそれぞれのタイプ別に、具体的にどんなことを考えて、その後にどう役立ったかを社会人のコメントで見ていきましょう。
進路を考えるときの「軸」① 将来の夢から逆算タイプ
将来やりたいことから逆算して進路を決めたので、大学で学んだことが実際に業務で役立つことが多いです。
社会のことを幅広く学べていたので、物事を多角的に考える力が身についていると思います。
小さなころから強い憧れを持っていた仕事を軸にしていました。
その軸があったからこそ、しんどくても、つらくても、諦めようと思うことがなかったので、良かったと感じています。
このタイプのお子さまは、将来の夢・職業に対する憧れから強い気持ちで進み続けられるのが、大きな強みです。
自分の中ではっきりした目標があるほど、モチベーションが高くなり、がんばる気持ちに繋げやすいです。
進路がはっきり決まっているお子さまほど、その先をさらに考えるよう促しましょう
ただし、このタイプのお子さまは夢や職業がはっきりしている分、その夢や職業で具体的に社会にどう役立てるかを考えていなかったということも。
幼い頃からの夢を諦めず、そこからさらに踏み込んで具体的に考えられたのが良かったと思います。
自分が将来活躍している姿を想像すれば、より具体的に考えやすくなると思います。
「人の健康や生活を支える」という大きな目標を持ったことと、自分の「好き」を尊重したことです。
学部選びは大変でしたけど、大きな目標を持ったことで、医療系以外にも人を支える仕事があることを知ることができ、就職活動で進路選択の幅が広がりました。
自分は進路を決めているから、と安心しきっている様子が見られた場合、もう一度自分に問いかけながら進路に深みを持たせるよう声掛けをする意識が大切です。
そのときのポイントは、ミライや社会を想像してそこに自分の夢や職業を結びつけること。
例えば、これから社会で大きな問題となりそうなことに対して、自分がどう役立てるか・活躍できるかを考えると、一層やりがいに繋がります。
まさに『ミライ探究』の考え方です。
進路を考えるときの「軸」② 好き・興味からの探究タイプ
なかなか進路が決められないお子さまは、こちらの考え方を「軸」にしていくと考えやすくなります。
進路のことはひとまず置いておいて、まずは自分の「好きなこと」や「興味があること」を考えてみるよう勧めてみましょう。
多くの社会人が語っていますが、この「好きなこと」や「興味があること」から進路を考えることが、将来の自分を助けることにも繋がります。
自分の興味から進路を選択したことです。
大学では、高校とは比較にならないくらい専門的なことを学びます。その学問を好きになることができないと、貴重な4年間が地獄になってしまいます。
好きこそものの上手なれという言葉の通り、自分のやりたい学問を軸に考えたことが良かったと思います。
「これから最低でも4年間、興味を持って学び続けられるかどうか」を意識していた点は良かったと思います。
中にはあまり関心を持てない講義もありましたが、学びたいことのイメージがしっかりしていたので、大学に入学してからも勉強のモチベーションを維持できました。
高校生の時点で、まだ将来が明確ではありませんでしたが、「自分の好きなこと」を軸にして本当に良かった!
大学では、高校とは比較にならないくらい深いことを学びます。レポートや卒業論文を書きながら、「興味がないと、この熱量で勉強するのはしんどいだろうな...」と思ったことが何度もあります。
勉強する目的は何か?好きで熱中できることか?は考えておきましょう!
「好き・嫌い」と「得意・苦手」は違う!意外なところから進路は見つかる
ここでお子さまに意識してほしいポイントは、好き=得意とか嫌い=苦手のように、必ずしも一致しているわけではないということ。
・ゲームをやるのは苦手だけど、ゲーム実況を見るのは好き
・野球やったことないけど、野球観戦はよく行く
・数学は全然点数取れないけど、答えにたどりつけたときの快感は好き
こんなふうに「苦手だけど好き」はあり得ます。いつもと視点を変えて考えてみると、新しい進路が見つかるかもということをお伝えください。
こうして見つけた、自分の「好きなこと」や「興味があること」。
これを「ミライの社会でどう役立てられるか」というように結びつけるのが『ミライ探究』の考え方です。
苦手なことからも好きなことが見つかると考えていたので、好きなことだけでなく、苦手なことも考えるようにしました。
好きなことを社会で役立てるには?という観点(私の場合は、好きなゲームをどう教育に繋げられるか)も考えられると、自然に勉強したい分野がわかってくると思います。
「好き・得意からの探求」をして決めたことで、4年間ずっと好きなことを学ぶことができ、充実しました。専攻がリベラルアーツ※に近かったこともありますが、多角的な視野で物事を考えられるようになったのが一番の収穫です。
「夢・将来からの逆算」で選んでいたら、今よりも視野が狭かったような気もします。
※大学入学後1~2年間は様々な学問を教養として自由に学び、その後に専門分野を決めたり、複数の専門分野を持てる学び方
②タイプは考え方次第で、いろんな仕事や職業と結びつけられるので、進路も無限大です。
ミライと結びつけることを忘れずに、進路をより深く考えてみるようお声掛けください。
社会人の経験や進路決定エピソードが聞ける!『ミライ探究』セミナー
実際に社会人として活躍・仕事をしている人の意見は、お子さまにとって参考になるばかりでなく、心の支えとして高校生活をより充実したものへと導いてくれます。
そんな社会人の方をお招きして、身近な疑問から社会で必要とされる仕事に繋げた経験や進路決定エピソードをお話していただく『ミライ探究』セミナーも開催中です。
高校生に人気があり、小論文でも頻出テーマとなっている3つのテーマをピックアップし、3回にわたって開催しています。
◆9月「環境」
◆11月「お金(金融)」
◆12月「情報・AI」
9月10日に開催された1回目の『ミライ探究』セミナーでは、「環境」をテーマに、フードロス対策に取り組む株式会社CALCU(カルク)の金子さんをお招きしました。
普段の生活や経験の中からどんなことに疑問をもち、フードロスという社会問題に取り組むようになったのか、そんな進路決定の体験談を聞くことができます。
こうした自分の興味や疑問から進路・学問へと繋げていく思考は、進路で迷うお子さまにとって大変参考になる考え方です。
このセミナーの録画が現在公開されているので、ぜひお子さまと一緒にご視聴ください。
※この記事は、公開日時点の情報に基づいて制作しております。