志望大エリア別に、進路・入試のプロが一般選抜の最新入試情報を解説するセミナーが先月開催されました。
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この記事ではセミナーを見られなかった方のために、セミナー内で解説した最新入試情報のうち、重要トピックをお伝えします。
全国的な入試概況(国公立大・私立大)
※大学入試センター「令和4年度大学入学共通テスト実施結果の概要」(令和4年2月7日)をもとに弊社作成
今年の1月に行われた共通テストは問題が難化して平均点が大きく下がりました。
数学、日本史B、生物の平均点が大きく下がり、なかでも数学I・Aはセンター試験の時も含めて過去最低の平均点に。
23年度の入試に向けては
・今年並みの難度を意識しながら対策を進める
・共通テストが想定通りに点数が取れた場合と、思うように取れなかった場合の両方を想定して出願大・併願大をどうするか年内に考えておく
ことが重要です。
私立大については、志願者数が減少する一方で、合格者は大きく増えており、競争緩和が進んできています。
合格のチャンスが広がっているからこそ、大学で学べる内容をしっかり調べて出願大・併願大の検討をするようにしましょう。
中国・四国エリアの各大学の入試変更点
個別大の入試概況の前に23年度入試の主な変更点をお伝えします。
押さえておきたいのは、岡山大の後期日程が廃止されること。
岡山大の受験を考えていた受験生が他大学に流れるため、中国・四国エリアの大学の後期の志願者数の増加が予想されます。
中国・四国エリア個別大の入試概況(国公立大)
ここからは個別大の入試概況を解説します。
鳥取大を例に表の見方を紹介します。
鳥取大
・地域学部はここ数年、実質倍率が増え続けている。特に地域創造コースでは前年比304%と大幅に増加。個別試験は小論文のみのため、小論文の対策が重要。
島根大
・教育学部、医学部看護学科は、志願者数は、前年比2倍以上と大幅に増加。21年度の実質倍率が下がった反動。志願者数が大きく減った翌年は増える傾向があるので要注意。
岡山大
・経済学部と農学部は、21年度に実質倍率が増えたことで、22年度は志願者が減少。23年度は揺り戻しで志願者が増える可能性があるので注意。
広島大
・経済学部は、20、21年度の実質倍率が2.0と横ばいだったが、22年度で1.5と大幅に減少。今年は揺り戻しで志願者が増える可能性があるので注意。
・工学部も志願者数が74%と大幅に減少。理系学部にもかかわらず、英語の配点が高い傾向にあり、英語の対策が重要。
山口大
・工学部は、すべての学科で志願者数が大幅に減少。21年度の実質倍率が3.1と増えたことで、敬遠された模様。今年は揺り戻しで志願者が増える可能性があるので注意。難度も昨年は下がっていたが、今年は上がることが予想される。共通テストの得点率60%を目標においておきたい。
徳島大
・総合科学部は志願者数が約3倍に。21年度の実質倍率が1.3と低かったため。
鳴門教育大
・ここ3か年、実質倍率に大きな変化はない。
香川大
・教育学部、医学部看護学科を除き、志願者数が増え、実質倍率も上がった。
・増え幅の大きい創造工学部は、偏差値50台を目標に。
愛媛大
・工学部は、揺り戻しで77%と志願者数が減少。工学部はここ数年、偏差値45以上で合格率50%以上のため、偏差値45で合格のチャンスが十分ある。
高知大
・理工学部は、すべての学科で志望者数が増加。ここ数年を見ると、偏差値50台前半で、合格率50%以上。
・医学部看護学科は志願者数が大きく減少。揺り戻しによる志願者増加に注意。
公立大の入試概況については録画・当日のスライド資料でご確認ください。
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中国・四国エリアの個別大の入試概況(私立大)
岡山理科大(一般)
・学部にもよるが、偏差値50が目安。獣医学部は57。
就実大(一般)
・偏差値55が目安。
ノートルダム清心女子大(一般)
・偏差値60が目安。
広島修道大、広島文教大(一般)
・偏差値50~55が目安。
安田女子大、松山大(一般)
・学部にもよるが、偏差値50~55前後が目安。
岡山理科大(共通テスト利用)
・共通テスト得点率は54%~66%と幅広い。昨年は共通テストの平均得点が大幅に下がったことを考えると、この表+5%を目標にもっておくと確実な合格が見えてくる。
就実大(共通テスト利用)
・薬学部は57.9%と低いが、21年度は共通テストの得点率は約73%だったため、このラインを目標としたい。
ノートルダム聖心女子大、広島修道大、広島文教大、安田女子大、松山大(共通テスト利用)
・昨年は共通テストの平均得点が大幅に下がったことを考えると、これらの表+5%を目標ラインとしておきたい。
<まとめ>夏の学習のポイントと23年度入試に向けて
最後に、この夏の学習のポイントと23年度入試に向けての注意点をご紹介します。
学習のポイント
・夏に第1志望大を最終決定し、志望大に向けた対策を進める。
・夏休みは基礎固めがとにかく大事。教科書レベルの基礎をしっかり身につけておく。
23年度入試に向けての注意点
・志望を高く持ち続け、必要な学習と努力により、夢の実現は見えてくる。
・今後、感染症の拡大防止策として入試方法が変わる可能性がある。各大学の発表は必ず確認を。
・私立大専願でも共通テストを受験する想定で対策を進める。
・入学定員厳格化の緩和の影響で、大規模校の志望者が増える可能性も。
・共通テスト、個別試験(国公立大・私立大)ともにベースは教科書と授業の内容。間違えた時こそ、基礎・基本に立ち返る。
・模試は模擬。合否を決めるものではない。判定を気にするよりも、この先やるべきことは何かを、模試の結果から見つける。
模試の判定が悪くて志望大に迷いが出ているお子さまもいらっしゃるかもしれません。
しかし、まだまだ挽回は可能です。
「ゼミ」が、「進研ゼミ高校生向け講座」の受講経験がある大学生の先輩約1800人に取ったアンケートでは、第1志望大に合格した人のうち36.2%は夏の模試でDまたはE判定でした。
まだあきらめる時期ではありません。
この夏、しっかりと志望大に向けて学習を進めるよう、お子さまにお声がけください。