ここ最近、国内で"グローバル系大学"や"国際系学部"などといった言葉を耳にしたことはないでしょうか?実は近年、文科省を中心に国が大学の国際化を推し進めており、日本の大学も「グローバル志向」が高まっているのです。
ここ数年のコロナ禍により、海外渡航がなかなかままならない状況が続いていることもあって、多くの大学が「留学したい!」という学生のニーズに応えようと、個性的で、質の高い「グローバルな学び」を打ち出してきています。中には、日本国内にいるのに海外大学のような環境を提供している大学・学部も。
今回は、「まるで海外留学しているみたい」を実現する国内グローバル系大学・学部の魅力をご紹介します。
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【国内進学と迷っている高2生必見!】どう選ぶ?国際系学部進学と海外進学
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魅力1
英語「を」ではなく、英語「で」学べる
英語ができると将来の可能性が広がる、とお考えになる保護者の方は増えてきているようですが、これからはただ「英語が話せる」だけでなく、「英語で何ができるのか?」がものすごく問われる社会に。英語は"目的"ではなく、"手段"の1つということになります。
そうした世界水準で活躍できるグローバル人材の育成を目指し、国内グローバル系大学・学部では、専門分野を英語「で」学べるプログラムが非常に充実してきています。最新の文献を英語で読み解き、英語でレポートを書き、英語でディスカッションを繰り返す、といったまるで海外大のようなカリキュラムを提供している学校も珍しくありません。授業がすべて英語で行われる、というところもあります。
そうした授業を通して、自分の専門分野を英語で理解できるようになると同時に、英語で「自分の意見をはっきり伝える」というコミュニケーションの能力も高められます。大学4年間で世界レベルの即戦力に!という、海外大さながらの学びが可能になっているのです。
もちろん、このようなカリキュラムでは学生もかなりハイレベルな英語力が必要になります。ついていけるか不安を覚えるかもしれませんが、そこはやはり日本にある大学。大学によっては、レベル別の語学教育を行なっていたり、授業とは別に「英語集中プログラム」が用意されていたりなど、ほぼ必ず英語に関するなんらかのサポート体制を敷いてくれています。いきなり海外に...よりは、安心してお子さまを送り出せるのではないでしょうか?
魅力2
グローバルで多様なキャンパス環境
自由自在に英語を使いこなせるようになるためには、やはり英語にどっぷり浸れる環境が大切。そのためにはやはり海外に行って、周り中が英語だけの場所で暮らす経験がないと無理なのでは...そう思われる方もいらっしゃるでしょう。
また、海外留学で得られるのは「学問だけではない、学びの経験」という側面もあります。授業だけでなく、友達とパーティーをしたり、寮で語り合ったり...。いろいろな国や人種の仲間と実際に向かい合ってコミュニケーションできることはかけがえのない体験で、グローバルな視点を身につけることに役立つと、留学した先輩の多くが話してくれています。
たしかにそれはその通り、という部分もあります。
ですが、そうした経験は本当に海外大でないと味わえないものなのでしょうか?
実は近年、その「英語に浸れる環境」「多様な仲間と共に過ごせるグローバルな環境」を日本でも作ってしまおう、という大学が増えてきています。国内グローバル系大学では海外からの留学生を積極的に受け入れていることが多く、学生・教員の半数以上が外国籍という学校も見られるようになってきました。学内の公用語が英語だったり、世界各国からの留学生と同じ寮での生活が義務付けられていたりと、キャンパスがさながら外国のような学校も。
また、1年間の留学が必須でカリキュラムに組み込まれているなど、バリエーション豊かな留学制度も整えられているケースがほとんどです。国内大でありながら、英語や海外文化にどっぷり浸れる4年間を送れるチャンスがあるのは嬉しいですね。
今はコロナ禍による影響が大きいですが、パンデミックが収束した時点で、また再びグローバル環境が整っていくと考えられます。
魅力3
海外大に比べるとコストが抑えられる
お子さまの海外留学を考える際に、保護者の方が一番初めに不安に思うのは「お金」のことだと言われています。海外の大学は学費が高い、というウワサを耳にしたことがある方もいらっしゃるかもしれません。国や大学によって異なるので一概には言えませんが、事実としてここ数年、英語圏の留学先として人気がある欧米の4年制大学の学費は上昇を続けている傾向があります。
たとえば、アメリカの大学の場合...
<アメリカの4年制大学の学費の全国平均額(*1)>
●公立(州立)大学(*2):9,036ドル (993,960円)
●私立大学:30,723ドル (3,379,530円)
*1)文部科学省「諸外国の教育統計 令和3(2021)年版」より。データは2017年のもの。授業料+実験費、演習費等の全学年の平均額。1ドルは110円で換算。
*2)州立大学は州内学生の平均額。州内学生と州外学生とでは納付額が異なり、留学生を含む州外学生は上掲額より高くなる。
これに対し、日本の4年制大学の場合...
<日本の4年制大学の学費の全国平均額(*3)>
●国立大学 535,800円
●公立大学 536,382円
●私立大学 1,091,910円
*3)文部科学省「諸外国の教育統計 令和3(2021)年版」より。国立・公立大のデータは2020年、私立大のデータは2019年のもの。初年度学生の納付金額。授業料+施設設備費の全国平均額。
アメリカの公立(州立)大学でも、日本の国公立大よりかなり高めなのがわかります。海外では住居費や食費などの生活費も日本より高いと言われる場所もありますし、休暇の際に日本に一時帰国するための渡航費などもバカになりません。
国内グローバル系大であれば、私立であっても海外大よりはかなり費用を抑えられます。学校によっては、1年間程度の海外留学をする際も追加の学費なし(留学期間も日本の大学の学費だけを払えばOK)という魅力的な制度が用意されていることもありますので、気になる方はぜひ調べてみてください。
魅力4
入試形式は海外大とほぼ同じ。国内大・海外大の併願も可能!
従来の国内大学・学部の入試は、ほとんどが教科の学力による選抜です。ところがグローバル系大学・学部の場合は、画一的な学力一斉テストではなく、多様な入試制度を用意しているところがほとんど。中でも、独自の総合型選抜(旧AO入試)を行う学校がかなり増えています。
この総合型選抜というのは、学力だけでは測れない多様な資質を持った人材を幅広く求めることを主な目的とした入試制度。学力試験が課されないケースが多く、書類審査・面接・小論文などで受験生の能力や適性、入学後の学習への意欲などを判定して選考されるのが一般的です。また出願の際にTOEFL®テストなどのスコア提出が必要であったり、高校での様々な活動歴やエッセイで評価されたりすることもあります。
この入試、実は海外大の入学審査の方法と非常によく似ているんです。海外大の場合、国や大学によって少しずつ違いはあるものの、基本的に合否判定は出願書類による総合判定となります。出願時に提出する様々な書類を通して、高校での成績や課外活動などへの取り組み、何らかの特技や実績などから、学力を含め自らの個性あふれる人間性をアピールできる人が有利となります。留学生であれば、英語テストのスコアの提出もほぼ必須です。
入試方式がよく似ている国内グローバル系大学・学部と海外大では、当然、入試対策もかぶってくる部分が多くなります。そのため、国内・海外の併願が可能で、毎年、実際に挑戦している先輩も少なくありません。国内のグローバル系大学を目指して準備をしていれば、途中で、「どうしても海外にチャレンジしたい!」とお子さまが言い出した時でも、海外大への出願に切り替えるのはそれほど難しいことではなくなります。選択の幅を広げて、じっくりと進路を考えるという意味では、かなり余裕を持って考えられるようになるでしょう。
英語「で」学べる!
注目の「国内グローバル系大学・学部」をチェック
早稲田大学国際教養学部(SILS)/ 東京
▶幅広い学問分野に触れながら、自分が本当にやりたいことを決められる「リベラルアーツ」教育を実践する学部。語学教育も充実、1年間の海外留学が必修
国際教養大学(AIU)/ 秋田県
▶︎授業はすべて英語、全員が1年間の海外留学必須!国内の大学ランキングで「国際性」「教育充実度」の分野で3年連続1位を獲得している公立大学
立命館大学グローバル教養学部(GLA)/ 大阪府
▶︎立命館大学とオーストラリア国立大学(ANU)の2つの学位取得を目指す「デュアル・ディグリー・プログラム」。アジア発のグローバル・リベラルアーツを提唱
ほかにもまだまだある!国内グローバル系大学・学部
・国際キリスト教大学(ICU)
・上智大学国際教養学部(FLA)
・慶應大学経済学部(PEARL)
・早稲田大学文化構想学部(CMS)
・立教大学リベラルアーツプログラム(GLAP)
・立命館アジア太平洋大学(APU) など
まとめ
世界を取り巻くグローバル化の波は、コロナ後も変わることはないでしょう。
もちろん日本も例外ではなく、すでに「国際化」に大きく舵を切っている日本の大学教育は、これからもさらなる変革を続けていくはずです。
「これからの時代はやはり英語ができないと...」と考えている方はたくさんいらっしゃると思いますが、時代の流れは想像の何倍も早いかもしれません。お子さまが大人になる未来の社会で求められるのは、「語学力」はもちろん、それプラス、「真の国際人としての知識と価値観」になってくると言われています。
まだまだコロナの不安が続いている中で、日本にいながらにして国際人としての感覚を身につけられる国内グローバル系大学・学部は、かなり魅力的な存在と言えそうです。進路の選択肢の1つに加えると、お子さまの可能性もぐっと広がるのではないでしょうか。
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取材・文:海外進学・留学ラボ編集部