バトル勃発!「意識高い系」パパVS「自主性重視」ママ 【教えて!進路プロ番外編】

「偏差値の高い大学に入っていい企業に入社すれば一生安泰(あんたい)」。

そんな保護者世代の進路観は通用しなくなり、お子さまの進路にどうアドバイスすればいいか悩む保護者が増えています。

そこで今回は進研ゼミ会員のお子さんを持つ「意識高い系」教育パパと自称「自主性重視」ママが、子どもの進路にどう関わるべきか、持論を戦わせます。

教育方針の異なるふたりの現状の迷いに、進研ゼミの進路のプロはどんなヒントを出すでしょうか・・・・・・!?

この記事のポイント

(登場人物)

自主性に完全に任せるか、親の方向性を示すべきか?

MIMI子さん(以下敬称略):私は3人の息子がいるけど、進路選択は全員本人の自主性に任せているの。
親世代の古い進路観が通用しなくなった今は、余計な口出しをしないほうがいいと思うから。
口出しすれば子どもの主体性は伸びないしね。

吾郎さん(以下敬称略):僕は、変化が速く未来が予測不能な時代になったからこそ、進路に関して親の方針や意向を子どもに伝えてあげたほうがいいと思う。
ある程度、進路の方向性や選択肢を与えてあげないと、子どもは自由過ぎてかえって選択に困ると思うんですよ。
それに子どもが自分で想像できる狭い範囲だけで、将来の進路を決めてほしくないし。

MIMI子:ちなみにどんな方向性をお子さんに示してあげているの?

吾郎:僕と妻は、これからの時代を生きるために「英語・国際系に強くなってほしい」「できれば理系の道に進んでほしい」という2つの気持ちがあるんですよね。
だから娘には、中学時代からその2つに関するイベントにいっぱい参加させました。
その結果、娘は「国際的なことには興味があるけど、理系には進みたくない」と言ってきた。
親は方向性を示すけど、やってみて選ぶのは本人、という感じですかね。

MIMI子:そういう話を聞くと、「ちゃんとお子さんの進路に関わっていてえらいわ~」と思う反面、お子さんは内心、負担に感じていないかギモンだわ。

吾郎:負担!? それはない、と思いますよ。
僕も押しつけにならないように気をつけているし。
それに娘は「お父さんの言うことを聞くといいことが起こることが多い」と言ってくれていますから。

MIMI子:ええっ!?
でも親の希望や意向を伝えたら、子どもは純粋に自分のやりたいことがわからなくなったりしません?
親が自分の希望する進路に子どもを誘導することはやろうと思えばできてしまうだろうし、子ども自身が満足できる「本当の進路」を考えさせるのって、難しいことだって私は思うのよ。

吾郎:あくまでも親の一意見として話すだけで誘導はしていないつもりですよ。
でもMIMI子さんの我が家の教育への疑いはなんとなくわかります。
ほんとは僕も心の奥のどこかで、「親の影響が何もないゼロベースで、この子の特質の真ん中にあるところから生まれているものを形にしてあげたい」、という気持ちはあるんです。
でも今は子どもの視野を広げる体験や、多様な価値観に触れる体験をたくさん用意してあげることが、親にできる大事な進路サポートだと思うんですよね。

子どもの進路の視野を広げる体験をさせてあげたい!

MIMI子:それって具体的にはどんな体験?

吾郎:僕は、娘に「素敵なロールモデルを見つけて、いろいろ吸収してほしい」と思って、僕の知り合いの女性で様々な職業の人…たとえば弁護士や会計士など士業の人たちや、議員などに会わせるということをやってきました。
その結果、娘は「政治家に向いている」って友達に言われがちだったけど、「自分は政治家より、経営とか経済関係の職業に興味がある」、と気づけたらしいです。

MIMI子:へ~え、正直、とてもいい進路サポートだなって思ったわ。
うちの息子が進路の視野を広げたり多様な価値観に触れえたりするツールといえば、今は「YouTube」だけ。
それだけでいいのか、急にギモンに思えてきちゃった。
・・・・・・とはいえ、吾郎さんのような高いレベルまで子どもの進路に関わるのは無理そうだけど。
進路プロ、西野さんのご意見も聞きたいです。

西野(進路のプロ):進路は、最終決定までにいかに本人が試行錯誤のプロセスを踏めるか、これが納得度や満足度を左右するのだと私は思います。

吾郎さんの関わり方は、まさにお子さんに試行錯誤のプロセスを踏ませる働きかけだと思いました。

たしかにそこまでできると素晴らしいと思いますね。

MIMI子:逆に「試行錯誤のプロセスを踏ませる」ことが足りないとどうなるんでしょう?

西野:たとえば、「文理選択」「科目選択」など、学校から期限を決められたタイミングで、慌てて「こんなもんかな」と進路を決める高校生はとても多いです。

そういう場合、大学入学後に「やりたいことと違った」と感じることにつながりやすいですよね。

MIMI子:うちの子はまさに学校から決められた進路関係の提出期限前だけ、急に集中的に進路を考えている感じで試行錯誤が足りないかも。

吾郎:逆にうちはそういう試行錯誤を中学のころからたくさんさせていて、世間からは「やりすぎ」みたいな目で見られている気がしますけどね。
でもほんとは僕も、そろそろ娘から「お父さん、ほっといてよ」って言われる日を待っているんですよ。

動画「激動の時代の進路選択と保護者の関わり方」とは?

MIMI子:今の時代の進路サポートって難しいわね。
子どもを放任しすぎるのも、親がリードしすぎるのもよくない。
どんなスタンスで子どもの進路選択に寄り添えばいいのか、何か考える指針というか、ヒントがほしいところだわ、進路プロ、西野先生!

西野:でしたらこの対談動画、「激動の時代の進路選択と保護者の関わり方」をぜひ見てほしいです。

MIMI子:どんな動画なんですか?

西野:中高生のキャリア教育に取り組む真坂 淳(まさかじゅん)さんと私が、変化の速い時代の進路の考え方や保護者のサポート方法について語る対談動画です。

西野:【前編】【後編】の2部構成で、【前編】では

1 親世代が知っておきたい、新しい生き方・働き方、価値観。

2 変化の速い世の中で活躍できる人物像。

3 将来活躍するために高校時代にどんなことを意識・経験すべきか。

について、真坂さんと私が考察していきます。

MIMI子:それは全部興味のある話題だわ。

西野:【後編】では、

1 今の大学・学部選びの重要なポイント。

2 「やりたいことがみつからない」お子さまへの進路サポート方法

3 子どもの主体性を育みながら進路選択にうまく寄り添う方法

について解説していきます。

MIMI子:「将来やりたいことがない」っていうのは、うちの子もよく言うのよね。

吾郎:子どもの主体性を育みながらうまく寄り添う方法、気になりますね。

MIMI子:この動画はどこから見ることができるんですか?

西野:こちらのリンク先からご覧ください。

「激動の時代の進路選択と
保護者の関わり方」

西野:再生速度の変更など、YouTubeの機能もご利用いただけますよ。

MIMI子:さっそく見て、子どもに進路決定までの試行錯誤を踏ませる機会を考えたいわ。

吾郎:私も娘の主体性をさらに伸ばせるようなサポート方法を研究してみたいと思います。

プロフィール

西野貴昭

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長谷川ヨスコ

この記事を書いた人:編集・ライター 長谷川ヨスコ

進研ゼミ「高校講座」では進路や受験勉強にかかわる取材記事を多数執筆。保護者のリアルな本音を聞いては苦労の底に親の愛情を感じてほっこりしている。

取材・文・イラスト/長谷川ヨスコ

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