リデュースを行うメリット4つ
各国におけるリデュースの
取り組みも紹介
リデュースという言葉をご存知でしょうか。今回は地球環境にも私たちにもメリットが多くある、リデュースについて詳しくご紹介します。環境に興味がある方やリデュースについて知りたい方はぜひ参考にしてみて下さい。すぐに始められる実践的な内容も盛りだくさんです。
リデュースとは
リデュースとは、ごみの量を少なくすることです。ごみを処理するためには、多くのエネルギーとコストが必要になります。そのため、ごみになる必要のないごみを出来る限り減らす「リデュース」がとても大切です。
例えば、食べ物は残さず全て食べることや必要のないものは買わないこと、ものを長く大切に使うことなどがあります。ここからはさらに詳しくリデュースについてご紹介していきますので、ぜひ参考にしてみて下さい。
■リサイクルとの違い
リサイクルとの違いは、再生利用するかしないかということです。リサイクルとは一言で説明すると「再循環」という意味で、ごみとしてでたものを、新しいものの原料としてまた再利用することをいいます。
つまり、リデュースはごみを減らすことであり、リサイクルはごみを別の新しい物に再生してまた使えるようにすることという違いです。
具体的には、ペットボトルを集めて新しいペットボトルを作ることがリサイクルで、ペットボトルのごみを出さないためにマイボトルを持ち歩くことがリデュースです。
■リユースとの違い
リユースとの違いは、ごみとなるものをそのまま再利用するかしないかということです。リユースはリサイクルと少し似ていますが、リユースは要らなくなったものをそのまま再び使うことをいいます。
例えば、古着を着ることや要らなくなったものを寄付すること、フリーマーケットなどに出品することなどです。そうすることでごみになるはずだったものが、場所を変えそのままの形で誰かに使ってもらえるようになるのです。
リデュースを行う
メリット4つ
リデュースを行うメリットは主に3つあり、エネルギーの使用を抑えられること、二酸化炭素の排出を抑えられること、コスト削減になること、ごみ処理にかかる費用の削減になることです。世界的にも積極的にごみを減らすというリデュースが大切だと言われています。
また、リデュースのメリットはこの3つ以外にもあり、材料や製品の中に含まれる有害物質を減らすことや、ごみを処理することによる人や環境への悪影響を減らすことなどにも繋がります。
■1:エネルギーの使用を抑えられる
リデュースを行うメリット1つ目は、エネルギーの使用を抑えられるということです。リデュースを行うことでものを買うことが減り、それによって、ものを作るエネルギーを抑えることができます。さらには、ごみが減るのでごみを処理するエネルギーをも減らすことができます。
ものを作る時やごみを処理する時には、エネルギーを使うことと同時に二酸化炭素も多く出していると言われています。二酸化炭素の排出を抑えられることについては次に詳しくご紹介します。
■2:二酸化炭素の排出を抑えられる
リデュースを行うメリット2つ目は、二酸化炭素の排出を抑えることができることです。>ものを作る時やごみを燃やして処理する時には、多くの二酸化炭素が排出されます。
二酸化炭素の排出は地球に悪影響を与え、地球温暖化やオゾン層の増加による環境汚染といった問題の要因となります。
リデュースを行うことでものやごみを減らすことができ、二酸化炭素を出すことを減らすことにも繋がるため、結果的に環境や地球に優しい暮らしへと繋がるでしょう。
■3:省資源化によってコスト削減になる
リデュースを行うメリット3つ目は、省資源化によってコスト削減になることです。リデュースは私たちひとりひとりが行うことはもちろん大切ですが、ものを作り出す製造業などの企業もリデュースを積極的に行うことがより大切です。
例えば取扱説明書をWEBにアップしておくようにする、容器を軽量化する、梱包を簡素化するといったことに取り組む企業が増えてきています。企業がリデュースを行うことで、作り出すもの(商品)そのものを減らすことができるのでコストの削減に繋がります。リデュースはごみを減らすことができ、企業にとってはコストを削減することにもなるので、地球にも企業にも嬉しい取り組みとなっています。
■4:ごみ処理にかかる費用の削減になる
リデュースを行うメリット4つ目は、ごみの処理に必要な費用を削減できることです。ごみは業者が集めて、そのごみが出た市町村が責任を取って処理しています。
そのため、ごみが増えればその分、ごみを処理するためのお金(税金)が増えることに繋がります。
リデュースを行うことでごみを減らすことができれば、ごみを処理する費用も抑えることができ、人々のために税金を他に使えるようになるでしょう。
リデュースの
主な取り組み例4つ
リデュースの主な取り組みは、レジ袋の削減、マイボトルの使用、食品ロスの削減、省資源化と長寿命化の4つがあります。ここまでリデュースについてご紹介し、リデュースについて興味を持った方もいらっしゃるでしょう。
身の回りにはごみとなってしまう必要のないものが多く隠れています。ぜひこのリデュースの取り組み例を参考にして、今日から実践的にリデュースに取り組んでみましょう。
■1:レジ袋の削減
リデュースの主な取り組み1つ目は、レジ袋の削減です。一部の県や市町村で独自にレジ袋を有料化してリデュースに取り組んでいましたが、全国的にレジ袋の使用をより効果的に抑えるために、2020年7月から全国でレジ袋が有料になりました。
レジ袋を有料にすることで、レジ袋を買う人が減り、ごみとなってしまうレジ袋を減らすことができます。レジ袋は便利という一面もありますが、使い捨てされやすくポイ捨てにも繋がります。エコバッグを持ち歩き、積極的に必要のないごみを出さないように心掛けましょう。
■2:マイボトルを利用する
リデュースの主な取り組み2つ目は、マイボトルを積極的に使用することです。レジ袋と同じくらい使い捨てされやすいものが、ペットボトルや缶などの飲料ボトルだと言われています。
それらのごみを出さないためには、何度も繰り返し使うことができるマイボトルを使うように心掛けましょう。マイボトルを持ち歩くことで、いずれごみになってしまうペットボトルの購入を控えることに繋がり、ごみを出さないというリデュースの取り組みになります。
■3:食品ロスを削減する
リデュースの主な取り組み3つ目は、食品ロスを減らすことです。日本で、まだ食べられるにもかかわらず捨てられてしまう食品ロスは、消費者庁の調べによると年間612万トンもあると言われています。
この612万トンは、世界で飢餓に苦しむ人々に援助された食料(平成30年で年間約390万トン)の1.6倍にもなります。
大切な資源を無駄にしないためにも、リデュースを心がけ食品ロスを減らしましょう。食べきれない分は買わない、どうしても捨てなければならない場合は堆肥づくりをして土に返すなどひとりひとりの工夫が必要です。
■4:省資源化と長寿命化を行う
リデュースの主な取り組み4つ目は、省資源化と長寿命化を行うことです。省資源化とは、ものを作る時の原材料を出来る限り減らすことで、長寿命化とは出来る限り長く使えるものを作ることです。
例えば、電球のLEDなどは今までよりも長く使えるように開発され作られています。ものを長く使えるようになることで、ものを捨てることも同時に減らすことができリデュースに繋がります。
各国における
リデュースの取り組み
ここからはフランス、オランダ、ベルギーのリデュースの取り組みについてご紹介します。海外の中でも特に欧州では、日本よりも早い段階でレジ袋の有料化や製品原料の見直しなど積極的にリデュースの取り組みが行われています。
■1:フランス
フランスでのリデュースの取り組みは、事業者による取り組みがとても盛んです。使い捨てレジ袋は、2002年から2011年の間で9割もの削減に成功しています。レジ袋を有料化にするだけではなく、リユースできる素材に変えることでよりレジ袋の削減に効果を出しています。
■2:オランダ
オランダでのリデュースの取り組みは、政府と生産者と自治体が協力して実施しています。20年近い長い期間でレジ袋の有料化に取り組んでいます。また、レジ袋だけでなく梱包材や容器などの原料の削減にも取り組んでいるのが特徴です。
KIDVというリデュースにかかわる研究所も設立されており、リデュースに対して積極的に活動している国だといえるでしょう。
■3:ベルギー
ベルギーでのリデュースの取り組みは、生産者責任組織であるFost Plusが積極的に実施しています。使い捨てのレジ袋を有料化にすることだげではなく、無料でリユース可能なレジ袋を配布しました。
何度も繰り返し使えるレジ袋を無料で配布することで、人々のレジ袋削減の意識につながったといえるでしょう。
リデュースを
理解しよう
ごみを出さないというリデュースを理解して、ぜひ皆さんも実践してみましょう。
リデュースはごみを減らすという取り組みであり、ごみを減らすことは地球環境や私たちに多くのメリットがあります。持続可能な社会への第一歩として掲げられる、SDGs17の目標の1つとしても「エネルギーをみんなにそしてクリーンに」があります。
ぜひ、日々の生活のなかでリデュースを心がけていきましょう。
[参照元]
※参照元サイトのURL変更や掲載期間終了により、ページが閲覧できない可能性があります。ご了承ください。
『リデュース』(一般社団法人産業循環管理協会 資源・リサイクル促進センター)
http://www.cjc.or.jp/j-school/b/b-1-2.html#:~:text=%E3%83%AA%E3%83%87%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%82%B9%E3%81%A8%E3%81%AF%E3%80%81%E3%81%A7%E3%81%8D%E3%82%8B%E3%81%A0%E3%81%91%E3%82%80%E3%81%A0,%E3%81%99%E3%81%8F%20%E3%81%AA%E3%81%8F%E3%81%99%E3%82%8B%E3%81%93%E3%81%A8%E3%81%A7%E3%81%99%E3%80%82『自然しぜん・環境かんきょうへのえいきょう』(一般社団法人産業循環管理協会 資源・リサイクル促進センター)
http://www.cjc.or.jp/j-school/c/c-6-1.html『食品ロスとは?なぜ食品ロスの削減が必要なの?』(消費者庁)
https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_policy/information/food_loss/education/#:~:text=%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%81%A7%E3%81%AF%E3%80%81%E5%B9%B4%E9%96%932%2C550%E4%B8%87,%E5%80%8D%E3%81%AB%E7%9B%B8%E5%BD%93%E3%81%97%E3%81%BE%E3%81%99%E3%80%82『リデュース・リユースに関する取組状況』(経済産業省)
『SDGs SDGs17の目標』(公益財団法人日本ユニセフ協会)
https://www.unicef.or.jp/kodomo/sdgs/17goals/