今週の特集Special feature

意外と知らない!? クイズで学ぶ! 山・川・海のアウトドア・レジャー防災の極意

夏休みにアウトドアレジャーを楽しむご家庭も多いのではないでしょうか。一方で自然はキケンと隣り合わせ。知識がないと命に関わるような事態を招いてしまうことも。特に注意したいキケンについて危機管理アドバイザーの国崎信江先生に解説していただきました。
山・川・海の各防災ポイントはダウンロードして保存できますので、お子さまに共有したり、ご自身で確認したりしてぜひご活用ください。

監修者
国崎信江 先生
危機管理アドバイザー

お子さまとチャレンジ! どう乗り越える!? キケンクイズ

Q1 山の中で迷子になったらどうすればいい?

▼ ABどちらか1つをタップしてください

正解は…

B 動かないで助けを待つ

無理に動かず登山道で救助を待つ

下山すれば助かる、という思い込みはキケン。急斜面や崖に行き当たり、また同じ道に戻ろうとしてもさらに迷ってしまうことがあります。山で道に迷った場合は、行けるようであればいったん登山道に戻って、無理に動かず助けが来るのを待ちましょう。

・無理に動かない。 ・登山道で助けが来るのを待つ。

山を登る際はたとえ1~2時間のハイキングコースであっても、遭難することを想定して1日分の荷物(水2L※、3食分の非常食、携帯トイレ、超撥水タイプの防寒具、雨具、着替え、タオルなど)を必ず持つようにしてください。

  • ※水の量は大人の場合の目安ですが、体格、体力に応じて無理のない範囲で余裕をもった量を用意しましょう。

併せて撥水性のメモ用紙と油性ペン、ガムテープを持参しておけば、迷子になって少し移動する際に、木々にメモを貼って目印を残すことができます。メモには「SOS」の文字と日時、名前、携帯電話番号を記しましょう。

POINT

山で迷子にならないための極意

山の中では団体行動を!

子どもが1人でずんずん山道を進み、迷子になるというパターンが多いです。来た道を戻れば合流できるはずと思っても、似たような景色の中で迷ってしまいます。山登りの際は絶対に子どもを1人にしたり単独行動をさせたりしないこと。グループでは遅い人にペースを合わせるようにしましょう。

中高生のお子さまが友達同士で山に行く場合は、必ず登山届(登山計画書)を出すように伝えてください。登山届はスマホからでも提出可能です。登山届があれば万が一遭難した場合、迅速な捜索・救助に当たることができます。

また山の中でもスマホの電波が届くのか、あらかじめ管理者に確認しておくと安心です。圏外でも地図が使用できる登山地図アプリもあるので、ぜひ活用するようにしましょう。モバイルバッテリーも忘れずに持参してください。

山のキケン対策まとめ
画像を保存してお子さまに共有を!
この画像をダウンロード

Q2 ハチに刺されにくいのはどっち?

▼ ABどちらか1つをタップしてください

正解は…

B 明るい色の服・帽子を着用

黒い色を狙うハチ 黒髪も攻撃対象に

ハチが攻撃的になるのは働きバチが羽化を始める7月~10月。私たち人間のレジャーシーズンと重なっています。ハチは黒い色のものを狙う習性がありますが、紺、茶、紫といった濃い色も黒と認識します。また黒髪にも反応するので、明るい色の帽子、衣類を身に着けると安心です。

POINT

ハチに刺されないための極意

姿勢を低くして巣から離れる

ハチは巣を守るために敵を攻撃するので、むやみにハチの巣に近づくことはやめましょう。高い場所だけでなく地面に巣を作ることもあります。もう使われていないだろう、とハチの巣を蹴ったら、大群に襲われてしまったという例も。

もしもハチが飛んできたら、肌を見せないように顔を手で隠して姿勢を低くし、最低でも30m以上、巣からすみやかに離れてください。手で振り払うとハチを興奮させてしまうので、可能な限り耐えることをおすすめします。

・無理に動かない。 ・登山道で助けが来るのを待つ。

またハチ用の殺虫剤を山中に入るときに携行すると安心です。

ハチに刺されて一番怖いのはアナフィラキシーというアレルギー反応を起こすことです。初めてハチに刺された人でも症状が出る場合があり、最悪の場合、死に至ります。ハチに刺されたら必ず病院に行きましょう。

ハチのキケン対策まとめ
画像を保存してお子さまに共有を!
この画像をダウンロード

Q3 川で遊んでいたらサンダルが流された!どうする?

▼ ABどちらか1つをタップしてください

正解は…

A あきらめる

川は流れが複雑でキケン 流されても追わない

川の流れは複雑で1日として同じではありませんし、右と左で流れの速度が違うこともあります。また岩が隠れていたりぬめっていたりして、足をとられてしまう恐れも。そのうえ流されたものを追いかけているときは、川の流れの変化にまで目が行き届かないものです。サンダルなどを追いかけて溺れてしまう事故は毎年発生しています。

NPO法人AQUA kids safety projectでは「サンダルバイバイ」という言葉を提唱し、水難事故の防止を啓発しています。サンダルや帽子、おもちゃなどを川で流されたら追わずに諦めることを、ぜひお子さまと約束してください。

POINT

安全に川遊びをするための極意

ライフジャケットを必ず着用

川遊びをする際に特に注意したいのが次の4か所です。

A:川の流れが複雑な川の合流地点 B:流れが速く水深が深い水の色が濃い場所 C:強力な水の流れが発生する堰堤(えんてい) D:増水することのある中州

川は泳ぎの得意な大人でも溺れることがあります。キケンな場所は避け、大人のひざ下よりも浅いところで遊びましょう。

- 川遊びに適した服装 - ライフジャケット/帽子あごひもつき/マリンシューズ

年齢に関係なく、川に入る際は全員身長と体重に合ったライフジャケットを着用し、かかとをしっかり固定するマリンシューズを履きます。帽子は風でとばされて、流されないようにあご紐付きのものがおすすめです。

川のキケン対策まとめ
画像を保存してお子さまに共有を!
この画像をダウンロード

Q4 猛毒を持っているクラゲはどれ?

▼ 当てはまるものをタップしてください

正解は…

A B C D 全部

浜に打ち上げられたクラゲも触ってはダメ

透明できれいなクラゲは子どもの興味を誘いますが、毒針で刺すものもいるので絶対に触ってはいけません。猛毒の場合はアナフィラキシーショックを起こして命にかかわることもあります。

陸に打ち上げられたクラゲも実は生きていて、刺してくることもあり得ます。ふざけて触ったり踏んだりするのはやめましょう。

POINT

応急処置の極意

刺されたところはすぐに海水で洗う

クラゲに刺されると、アナフィラキシーショックを起こして気を失う恐れがあります。海の中で刺されたら、とにかくすぐに上がりましょう。

傷口は海水でやさしく洗います。真水で洗うとさらに毒針が出て症状がひどくなることもあるので絶対に避けてください。クラゲの触手が残っている場合はピンセットで取り除きます。素手で触ると刺されてしまうこともあるので、ピンセットがない場合は手袋をするか刺された場所にハンカチを当て、布の上から抜きましょう。

クラゲの毒は熱に弱いので、応急処置をしたら病院を受診してください。

クラゲのキケン対策まとめ
画像を保存してお子さまに共有を!
この画像をダウンロード

Q5 海で泳いではいけないのはどっち?(天気は晴れ・風は穏やか)

▼ ABどちらか1つをタップしてください

正解は…

A 波の形が変わっていてサーファーがいるところ

波の形が違うのは離岸流のサイン

離岸流

海岸に打ち寄せた波が沖に戻ろうとするときに発生する強い流れを「離岸流(リップカレント)」といいます。離岸流の幅は10~30mあり、この中で泳いでいるとどんなに懸命に岸に向かっても沖に流されてしまいます。泳ぎの達人でも離岸流に逆らって戻ってくるのは困難。離岸流が発生している場所には入水しないようにしましょう。

監視員がいる海水浴場では離岸流のエリアは遊泳禁止になっています。ただ天候などの条件によっては遊泳区域でも離岸流が発生することも。海に入る前は波の動きをよく観察することが重要です。

<離岸流を見分けるポイント>
・そこだけ白い波しぶきが立っていない
・ゴミが集まっている
・そこにいる人が自然と沖へ下がっている

一部のサーファーは離岸流を使って沖に出るので、人がいるから大丈夫と安易に考えるのは危険です。海ではお子さまから絶対に目を離さず、中高生のお子さまがお友達同士で海水浴に行く場合は、常に互いの居場所を確認し合うことを伝えてください。

POINT

離岸流から脱出するための極意

岸と平行に泳ぐか背浮きで救助を待つ

浮き具がなければ、背浮きで助けを待つ/海岸と平行に泳げば、離岸流を脱出できる

離岸流に流されてしまったら慌てず、岸と平行に泳いで離岸流から抜け出しましょう。沖に向かう流れが弱まったら、岸へと進みます。ただ場合によっては離岸流を抜けるまでに30m近く泳がなければなりません。泳ぐのが苦手だったり体力がなかったりした場合は、無理に泳がず背浮きをして救助を待ってください。

離岸流のキケン対策まとめ
画像を保存してお子さまに共有を!
この画像をダウンロード

まとめ

自然の中にはさまざまな危険が潜んでいます。アウトドアレジャーにお出かけする前は、行先で起こりうるキケンを想定し、正しい防災知識と対処法をご家庭で確認しておきましょう。お子さま同士で出かける場合は、それぞれの「まとめ」をダウンロードして、共有してみてください。

どこに危険があるのかを知り、あらかじめ注意する行動をとれば、大きな事故を回避できます。誰かに守ってもらうだけでなく、自分で自分を守れる力をつけておけるとよいですね。

監修者
国崎信江先生
危機管理アドバイザー

危機管理教育研究所代表。女性、生活者の視点から防災・防犯・事故防止対策を提唱し、国や自治体の防災関連の委員を務めている。講演活動やメディアでも幅広い情報を発信。主な著書に『大人もしらない? サバイバル防災事典』(マイクロマガジン社・監修)、『クイズでわかる生き残り大作戦! 防災のサバイバル』(朝日新聞出版・監修)他多数。