二瓶 健次 先生

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ノロウイルス1歳5ヵ月
寄せられたご相談

ノロウイルスとはどんなウイルスで、感染するとどんな症状が出ますか。小さい子のいる家庭ではどんなことに気をつけたらいいのでしょうか。

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今まであまりおなかの風邪というのを意識したことがなかったのですが、この冬ノロウイルスに関するニュースを見て、とても心配になりました。
ノロウイルスとはいったいどんなウイルスで、感染するとどんな症状が出るのでしょうか。小さな子のいる家庭では、どんなことに気をつけるといいか教えてください。

先生からのアドバイス
鈴木 博 先生

ノロウイルスは「冬季乳児下痢症」の原因のひとつで、口を通して感染し、主な症状は激しい嘔吐と下痢と言えます。感染が疑われる場合には、早めに受診しましょう。

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冬は風邪のはやる季節ですが、おなかにくる風邪にも注意したいところです。
おなかの風邪は主に「冬季乳児下痢症」や「流行性嘔吐(おうと)下痢症」などと呼ばれ、その多くがウイルス性の胃腸炎です。

胃腸炎を引き起こすウイルスのひとつが「ノロウイルス」であり、感染力が強く、集団発生することもあります。口を通して起こる経口感染で、感染した人の便に含まれたウイルスが飲料水や食材などにうつり、それを口にすることで感染します。嘔吐物を吸いこんでうつることもあります。
症状は突然の嘔吐で始まり、嘔吐はだいたい1〜2日で治まります。
下痢は腹痛を伴い、水のようにシャーシャーで、約1/3に白色〜クリーム色の白色便を伴うといわれています。
38〜39度ぐらいの熱を出す場合もあります。

かかってしまった場合に、家庭でまず気をつけたいのは「脱水症」です。
激しい嘔吐になることが多く、数十回も吐くことがあるため、嘔吐しているときは脱水症に気をつけましょう。
栄養よりもまずは水分補給を優先させて、お子さんの状況に応じて経口補水液などを少しずつこまめに与えていきます。薄めた野菜スープやりんご果汁などもよいでしょう。牛乳や乳飲料、かんきつ系果汁、大人用イオン飲料などは避けた方がよいです。
あまりに嘔吐がひどいときや脱水症が疑われる場合は、急いで病院を受診しましょう。

ノロウイルスは、下痢症状が治まっても2週間ぐらいは便中に排泄(はいせつ)されるといわれています。トイレ(オムツ替え)の前後や食事、調理の前は、必ずせっけんで手をよく洗ってください。大人にも感染しますが、多くは腹痛や下痢の症状になります。感染が疑われるときの調理は十分気をつけましょう。

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プロフィール


二瓶健次

東北大学医学部卒業。東京大学小児科、自治医科大学小児科を経て、 1979年から2001年まで国立小児病院神経科医長、 2001年から2004年まで国立成育医療センター神経内科医長 、2006年から、東京西徳洲会病院小児センター神経・発達部勤務。 小児神経学、発達神経学が専門。

プロフィール


鈴木博

埼玉医科大学卒業。1991年埼玉医大小児科講師。1998年東京都品川区に「鈴の木こどもクリニック」を開設。監修書に「赤ちゃんの病気・けが&トラブル救急箱」(学研)等。昭和大学医学部客員教授。品川区議会議員。