2014/02/28

第2回 幼児教育・保育についての基本調査 報告書 [2012年]

調査の背景

当研究所は幼児教育・保育を研究領域として、保育現場の実情と課題を経年で追っていけるように調査を設計しました(第1回は、2007年に国公私立幼稚園、2008年に保育所の調査を行いました)。第2回となる今回(2012年)の調査は、幼稚園、保育所、認定こども園に対して、一部共通項目を用いて実施しました。

近年、乳幼児を取り巻く環境は大きく変化しています。第1回と第2回の調査の間では、幼稚園教育要領、保育所保育指針の改訂(改定)が行われ、子どもや子育て支援に関する新たな取り組みも行われるようになっています。このような環境変化の中、第2回調査は、園における保育、教育内容の変化、また、子ども・子育て関連3法の実施を見据えて認定こども園への移行の意思や課題などを明らかにすることを目的に実施しました。さらに今後、4~5年ごとに実施することで、経年の比較を予定しています。

本調査結果が、園の実情や課題を知るための資料として幅広く活用され、幼児教育・保育や次世代育成などに携わる方のお役に立てば幸いです。
第2回 幼児教育・保育についての基本調査報告書

調査概要

調査テーマ

園の教育・保育活動、子育て支援活動、園の体制等に関する実態と園長の意識

調査方法

郵送法(自記式アンケートを郵送により配布・回収)

調査時期

2012年10月~12月

調査対象

園児数30人以上(一部、園児数不明の園も含む)の国公私立幼稚園、公私立認可保育所、認定こども園の園長等(※)
※園長、副園長、所長、副所長、施設長、副施設長、主任

調査地域

日本国内全域

サンプル

発送数、有効回答数、有効回答率は下表の通り
合計 国公立
幼稚園
私立
幼稚園
公営
保育所
私営
保育所
認定
こども園
発送数 29,100 2,700 5,000 9,700 10,900 800
有効回答数 5,221 456 921 1,362 2,343 139
有効回答率 17.9% 16.9% 18.4% 14.0% 21.5% 17.4%

調査項目

環境や設備、保育者の状況、教育課程・保育課程、指導計画、目標、教育・保育活動、子育て支援、保育者研修、障害児対応の体制、園の課題、認定こども園への移行など
※調査票は、幼稚園版・保育所版・認定こども園版の3種類を作成。共通項目と、各施設の項目から設計。

報告書

〔報告書の目次・詳細〕
調査背景・調査概要・本調査の特徴・基本属性
序章1 本調査の意義と今後に向けて
白梅学園大学教授 無藤 隆
序章2 本調査から見えてきたこれからの課題
白梅学園大学学長 汐見 稔幸
序章3 質の高い学校教育・保育の提供の可能性と課題
ベネッセ教育総合研究所・次世代育成研究室顧問 磯部 頼子
テーマ分析 これからの幼保一体化を考える
~今回の調査から見えてきた保育現場の課題~
東京成徳大学教授 塩谷 香
第1章 園の環境・体制・園児数
第1節 園の環境や設備、機器
第2節 園の体制
第3節 園児数・定員充足率

ベネッセ教育総合研究所主任研究員 邵 勤風
第2章 保育・教育的な活動

第1節 教育・保育の目標
第2節 教育・保育課程及び指導計画
第3節 通常保育時間内の活動・課外活動
第4節 満3歳児の受け入れ
第5節 指導要録・保育要録・こども要録の小学校への送付
第6節 園外との交流
第7節 特別支援
第8節 園の自己評価・第三者評価

(第1節~第4節、第8節:ベネッセ教育総合研究所研究員 持田 聖子
第5節~第7節:ベネッセ教育総合研究所主任研究員 邵 勤風)
第3章 保護者との関わり・子育て支援

第1節 園から保護者への情報伝達
第2節 子育て支援活動の実態
第3節 幼稚園の親子登園・預かり保育・2歳児の受け入れ
第4節 延長保育

(第1節~第3節:ベネッセ教育総合研究所・次世代育成研究室室長 後藤 憲子
第4節:ベネッセ教育総合研究所研究員 持田 聖子)
第4章 認定こども園への移行

第1節 認定こども園への移行に関する意識
第2節 認定こども園の運営上の課題と工夫

ベネッセ教育総合研究所主任研究員 邵 勤風
第5章 園の課題および保育者の資質向上

第1節 園で特に重点的に取り組んでいる課題
第2節 園の保育実践上、運営上の課題
第3節 保育者の資質向上に必要なこと
第4節 園内研修
第5節 園外研修
第6節 必要な研修内容
第7節 保育所保育指針改定による変化

日本女子大学講師 高櫻 綾子
調査企画・分析メンバー