小中学生向けのニュース学習誌『月刊Newsがわかる』連載を書籍化
毎日新聞社の学習誌『月刊Newsがわかる』で連載されていた12回分の「プログラミングってなに?」から生まれたのが、本書『世界一わかりやすい!プログラミングのしくみ』です。
毎月の連載のテーマはそのままに、それぞれに大幅に加筆して、想いも内容もボリュームアップしています。
コンピューターの中の演算装置を「こびと」というキャラクターに例えて、こびとへの指示=プログラムの解説が進みます。
公式サイトにある目次を見てもわかるように、この本は単なるコーディングの指南書ではありません。
第1章 プログラムってなんだろう?
第2章 プログラムで動くもの
第3章 人間を手伝うプログラム
第4章 スマホの中のこびとたち
第5章 なかったことにできる!!
第6章 インターネットのしくみ
第7章 こびと同士の会話
第8章 宇宙の声をきくこびと
第9章 みんなでつくる百科事典
第10章 こびとの指示書はこれだ!
第11章 どの言語を学べばいい?
第12章 失敗をおそれない
プログラムはパソコンの中だけにあるのではない
これまでこの教材・本レビューのコーナーでは、パソコンまたはタブレットなどの情報端末を使ってブロックや文字でプログラムを作りそれを情報端末上で動かす書籍を中心に、紹介してきました。
それに対し本書は、パソコンやスマホ、タブレットの前に、炊飯器のプログラムについて学びます。
ほとんどの家電製品はプログラムで動いています。初期の炊飯器に比べてマイコン制御の炊飯器のほうがおいしく炊ける秘密や、こびとにどんな指示をしたら(炊飯器にどんなプログラミングをしたら)おいしいご飯が炊けるのかを解き明かします。
章ごとに掲載されている日本語で書かれたプログラム(のようなもの)も特徴的です。
「適当にやっておいて」というあいまいな指示ではこびと(コンピューター)は動けません。こびとへの指示を通し、「プログラミング的思考」の分解・抽象化・一般化・組合せを理解することができます。
コンピュータによる生活の変化に対応するために
コンピュータやインターネットで作られたしくみによって、人々の生活は大きく変わりました。
例えばネット上のフリー百科事典「ウィキペディア」は、わたしたちが素早く何かを調べるときに大変便利なWebサイトです。しかし、専門家が何年もかけて編集している百科事典と、ボランティアが少しずつ修正を加えながら「確からしい」情報に更新していくウィキペディアでは、情報の信頼性が異なります。
こういった新しい情報源をどのように扱うべきか。そのような、大人でも正解がわからず困ってしまう最新のテーマへの解説や、子ども向きの解説から一歩進んだ技術的な話を解説してくれるのが「保護者のみなさまへ」のコーナーです。
プログラミングを学ぶ際にどの言語を選ぶべきかなどの実用的なテーマが取り上げられています。
漢字に読みがなを振った小中学生向けの本文よりも少し小さな文字で、詳細な解説が大人向けに書かれているので、子どもたちとの対話の参考になることでしょう。
ひとりで、あるいは親子で、じっくり読むことができる本
本書は、1章ごとの情報量が多く、さらにはコンピュータやプログラミングにかかわる多岐にわたるテーマで書かれています。子どもの興味や関心の方向によっては、すべてをひとりで読み切るのは難しいかもしれません。
そんな場合も、まずは興味の沸く章を拾い読みさせたり、親子で対話をしながら読むと良いでしょう。保護者にとっても、本書のいたるところで新しい発見があるに違いありません。
親子で身近な家電やスーパーのレジなどの中にいる「こびと(プログラム)」の働きが想像できるようになると、家の中でも外出先でも、今までとはちょっと違う会話を楽しめるようになるのではないでしょうか。
出版社 | 朝日新聞出版 |
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著者 | サイボウズ 著 月刊Newsがわかる 編 |
発売日 | 2018/3/28 |
ISBN | 4620325058 |
価格 | 1,944円 (税込) |
仕様 | A5判 128ページ |