工作キットつきのプログラミング本
本書は、手軽にロボットを工作できるキットと、そのロボットを動かすためのプログラミング方法を解説した本がセットになった商品です。
このキットの他に、iOSかAndroidのスマートフォンと単3電池4本、セロハンテープさえあれば、すぐにロボットを作ることができます。
工作をする部分は、すでに印刷済みのロボットの顔や体のカードが用意されているので、絵心がなくても楽しく作ることができます。
モーターや電池ボックス、モーターとロボットをつなげるサーボホーンなどの部品はもちろん、クリップやストロー、ステージとなる箱までキットに入っているので、自前で準備するものは最小限で着手できるのは大きな魅力です。
スマートフォンの機能を使ってプログラミング
プログラミングはスマートフォンに本書専用のアプリをインストールして行います。
「動かす」「条件」「その他」「値」の4カテゴリーに分けられた49種類の「命令」を使って、ロボットを思い通りに動かしたり、スマートフォンのバイブ、ライトを操ったりします。
「命令」はすべて日本語が書かれたブロックを組み合わせ、並べて作り上げます。
本書で紹介されているプログラミングの特徴は、スマートフォンに備わっている様々な機能を使うことです。
例えばスマートフォンには、照度センサー、近接センサー、マイク(音センサー)、加速度センサー、顔検出、磁気センサーなど、様々な検知器が組み込まれています。それらの変化がトリガーとなるような「もし~なら」という命令で、ロボットを動かします。
照度センサーを使ったドラキュラロボ
周りが明るくとなると急いで棺桶に隠れ、周りが暗くなるとそーっと棺桶から起き上がるという愛嬌のあるドラキュラロボを一例に紹介します。
ドラキュラロボへの命令は、スマートフォンに内蔵されている照度センサーが明るさを判別する機能を活かしてププログラミングします。
まずは工作です。
巻末の工作シートから、ドラキュラロボとドラキュラロボの棺桶カードを切り出します。本書内ではハサミの使用が推奨されていますが、大きなミシン目が付いているのでハサミが苦手な子どもでも簡単に切り離せます。
工作キットに入っている電池ボックス、2つのモーター、サーボホーン、ストロー、ステージを取り出し、自宅にあるセロハンテープで指示通りにステージに貼り付けていきます。
次に、スマートフォンに専用のアプリをダウンロードし、本の解説を見ながらプログラミングします。
ドラキュラロボの場合、プログラムは7行のブロックを組み合わせればできあがりです。
最後に、スマートフォン上でプログラムを実行して確認してからドラキュラロボにつなげます。上手くできていれば、周囲の明るさに応じてドラキュラロボが動くはずです。
最初のトライでは、モーターにつけるサーボホーンの向きを間違えていたり、プログラム実行とロボとつなぐ順序を間違えていたりして、思った通りには動きませんでした。
しかし、その都度きちんと説明を見直しながら修正し、期待通りの動きをするドラキュラロボが完成しました。
ソフトとハードの両方の調整が楽しめる
本書で作るロボットは、どれもモーターで動きます。アプリ上で角度を設定して動かすのですが、設置する向きを間違えると思い通りの動きは得られません。
また、スマートフォン周辺の環境によって、通常時の明るさや生活音量が異なるため、ロボットを動かす前にセンサーを作動させて、適切な動きになるようにプログラム上の値を調整する必要もあります。
自動ドアやエレベーターなど世の中の様々なセンサーで動くものも、モーターやサーボホーンの向きのようなハードウェアの調整と、プログラム上での命令の内容が合致することが必要です。さらに、周囲の環境や操作者の動作に合わせてプログラムの変数を調整して、初めて期待通りに動くようになります。
簡単にできるロボット工作から、そんな、生活とプログラミングの関わり合いを学ぶことができます。
7体の多種多様なロボットを作ろう、そして改造しよう
本書を使って作ることができるロボットは、7体にのぼります。
1.顔センサーを使った「チューチューロボ」
2.方位センサーを使った「方位磁石ロボ」
3.音センサーを使った「指揮者ロボ」
4.明るさセンサーを使った「ドラキュラロボ」
5.紙コップや空き缶のドラムをたたく「自動演奏ロボ」
6.音センサーを使った「ムシロボ」
7.音・加速度センサーを使った「巨大変身 顔ロボ」
それぞれのロボットには、基本の作り方のほかに、さらにプログラムを書き換えて機能を変える「応用編」の作り方も掲載されています。
例えば、明るさに反応するドラキュラロボが作れたら、次は手をスマートフォンに近づけるとドラキュラが棺桶から出てくる別の機能のロボットに改造できるのです。
改造のアイディアや、また本書で学んだプログラムとロボットの動きを使ってオリジナルロボットを作る自由研究を勧める詳しい説明も掲載されています。さらに、準備されている道具・機能に縛られることなく自分でオリジナルロボットを考え、それを実現する体験ができるように応援してくれます。
こうした体験を積むことで、身の回りにある情報技術にも気が付き、コンピュータを上手に便利に活用したり、新しいものを作り出したりする態度が身についていくことが期待できることでしょう。
出版社 | 学研プラス |
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著者 | 学研プラス(編集) |
発売日 | 2018/7/17 |
ISBN | 4057506381 |
価格 | 価格 3,780円 (税込) |
仕様 | 112ページ + 工作キット一式 |