今週の特集Special feature

もったいない〜をタイプ別に撃退! ケアレスミス 診断&対策 Before After

「うちの子のケアレスミス、もったいない~」とはがゆく思う保護者のかたは多いもの。とはいえ「気をつけなさい」と言っても、なかなか解決は難しい…。そこで今回は、ミスのタイプを分析して、タイプ別に効率的な対策をお届けします。

監修
親野智可等先生

繰り返すケアレスミスにはポイントをしぼった対策が効果的。まずはお子さまとミスのタイプをチェックしてみましょう!

7つの質問でケアレスミスのタイプをチェック

お子さまがやってしまうケアレスミスはどれ?

「はい」か「いいえ」で答えてください。
※迷った時は直感で答えてください。

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「答え方」を間違える

小学生のケアレスミス例
・「記号で答える」問題に、ことばで答えてしまう
中高生のケアレスミス例
・分数で答える問題に、小数で答えてしまう

テストの後の見直しでマインドをチェンジ!

テストが戻ってきたときは、ケアレスミス対策の大チャンス!
小学生の保護者のかたは、今までのテストが残っていたら、何枚か親子で見てみるのもおすすめ。絶対にやってほしいことを4ステップで紹介します。

  • ※中高生の保護者のかたは、「STEP1」をぜひお試しくださいね。お子さま本人が「テストの見直しをしよう」と思える環境づくりが、ケアレスミス撲滅のヒケツです。

STEP01

最初に「できている部分」をほめる

常に大切。嬉しい気持ちを刺激すると前向きになる

点数が低くても、できている部分を探しましょう。字が丁寧に書けていたり、前回間違えた問題ができていたり、途中までは合っていたという問題でも「ここまではできていたね!」「この科目はがんばったね」とほめてあげて。
子どもなりの努力や成長を見つけて言葉にすることで、自信がついて、やる気がわいてきます。反対に、いきなり間違いを指摘されると、気持ちも沈んでしまいますし、保護者のかたに対して反発してしまうことも。

1科目でも「ほめられた!トクイだ」と思える科目があると、他の科目にもいい影響がありますよ。

STEP02

間違えた問題を答えを見ずに解き直す

これでできたらケアレスミス撲滅の可能性大

正しい答えを見る前に、間違えた問題をいくつか解き直してみましょう。落ち着いて問題を読んだり考えたりすると正しい答えが出せることも。つまりケアレスミスによる失点です。
ケアレスミスは「伸びしろ」。失敗を確認するという辛い作業ではなく、気をつければ点数が上がる問題を探す宝探しのような気持ちでやってみて。

  • ※中高生の保護者の方は、STEP2以降は方法だけ伝えてお子さまに任せて大丈夫。ケアレスミスで落ち込んでいたら、「ケアレスミスは、『伸びしろ』だよ」と声をかけてあげると〇。

STEP03

解き直しでまた間違えたら正しい答えをチェック

どこがウィークポイントなのかが見えてくる

正しい答えや解き方を見て、どこで間違えたのかを確認しましょう。同じようなケアレスミスを繰り返していることも多いので、見直し時間を作る、書き方のクセを見直すなど、紹介した解決策を参考に対策を考えて。
ウィークポイントを自覚できると、やる気も効率もアップします。知識がない、理解できていないなどケアレスミスでない場合は、あらためて復習を。

ウィークポイントに合わせたおまじないや標語を作っておくと気をつけやすい!

例えばこんな標語
  • 見直しを すれば 百点 近づくぞ
  • 検算を すれば 十点 増えるかも
  • 単位ミス 答え合っても 点が減る
  • 0と6 2と3などは はっきりと
  • 繰り上がり しっかり書けば ミスが減る

STEP04

もし正解できていたら何点とれたか計算する

もったいない、次は気をつけたいという意識がぐんとアップする!

ケアレスミスが多かったテストは、その問題に正解していた場合の点数を計算してみましょう。もったいないな、と自分で思えると、自然とミスをしないように気を付けるようになります。
また、頑張ればこのくらいの点数がとれるんだ、という自信にもなります。本人が残念に思うことが大事なので、保護者のかたは「やればできるんだね」と背中を押す言葉かけを。

見直しのときの言いかえワード

  • また間違えてる!/この前も言ったのに…
  • 言いかえワード
    次は解けそう?/もう1回解いてみようか/いまの話、覚えちゃおう
ポイント

いそがしい毎日で、お子さまの言動に「イラッ」としてしまうことは、誰しもあります。テストを見返すときは、保護者のかたが前向きに向き合える時間をえらぶのがオススメです。

毎日の家庭学習でウィークポイントを克服!

お子さまが自分から前向きにケアレスミスを減らせるように、家庭でできるサポートは?

POINT01

できている部分をほめる!10個ほめて2個直させるくらいでちょうどいい

そもそもケアレスミスは繰り返しやすいもの。性格やクセによるものも多く、一朝一夕で直せるわけではありません。だからこそ、できていることで自信をつけて、もう少しがんばればもっと良くなると思わせることが大切。

漢字は間違っているけれどトメはできている、答えは違ったけれど考え方は合っているなど、小さなことでもよいのでほめる部分を探しましょう。そのあとやり直したいものを少しだけ直させれば叱らなくても積み重ねられます。

POINT02

テストが近づいてきたら対策をおさらいする

ケアレスミスは本人が自覚して、無くしたいと思わなければ減りません。テストで結果を出せれば、喜びから次も注意深く解くようになります。

中学・高校なら定期テストの予定がわかりますし、小学校では単元の終わりにまとめのテストがあるので、進み具合に気を配ってテストの気配を察知したら対策を確認するようにしましょう。

親野先生からのメッセージ

ケアレスミスは本人が一番くやしいのです。勉強の先に将来の明確な目的が見えてくると、さらに注意力も上がってきます。家庭では「大丈夫!そこがのびしろだよ」と明るくサポートを。

監修/親野 智可等 先生

長年の教師経験をもとに勉強法・家庭教育・親子関係などについて具体的に提案。
Instagram、Twitter、Voicy、YouTube「親力チャンネル」、Blog「親力講座」、メルマガなどで発信中。ドラゴン桜の指南役としても著名。最新刊「子育て365日」などベストセラー多数。全国各地の教育講演会でも大人気。詳細は「親力」で検索