- 監修:磯部頼子先生
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2年保育がいいか、3年保育がいいかは、一人ひとりのお子さんによって異なります。ご家庭の実情や、地域の幼稚園の設置状況など、さまざまな条件によっても異なってくるので、第三者が一概にどちらがいいとは言えないのです。
2年保育にするか3年保育にするかは、おうちのかたが結論を出すのが一番ですが、決定にあたって迷う点も多いでしょう。そこで、以下に、おうちのかたが検討する際の視点をあげました。これに目を通しながらご自分の考えを整理し、いろいろな情報も考えあわせたうえで、2年保育にするか3年保育にするかをご家庭で決定するためのひとつの材料としてご活用ください。
★いくつ当てはまればどっちという、チェックシートのようなものではありません。ご自分の考えを整理するための材料としてご活用ください。
・家庭の方針として早く集団生活をさせたい | そう思う | そうでもない |
・下の子どもに手がかかる | そう思う | そうでもない |
・健康状況や仕事などの理由でおうちのかたの時間的なゆとりが必要 | そう思う | そうでもない |
・もう少し子どもと過ごす時間をもちたい | そう思う | そうでもない |
・安心して子どもを手元から離せる | そう思う | そうでもない |
・わが子の状態を考えると早く集団生活をさせたい (近所に同年齢がいない、落ち着きがないなど) |
そう思う | そうでもない |
・おうちのかたの子育ての軽減をしたい | そう思う | そうでもない |
・3年保育に入園させられる経済状態にある (園によって3歳児の保育料が異なる場合もある) |
そう思う | そうでもない |
・家庭では3歳児の教育が十分できないと思う | そう思う | そうでもない |
・おうちのかたのよく知っている子が3年保育で入園すると不安になる | そう思う | そうでもない |
・いつも遊んでいるお友だちが3歳で入園するとわが子がかわいそうだと思う | そう思う | そうでもない |
・自分以外の子の存在に関心が強い | そう思う | そうでもない |
・体を動かすことが好きだが家では十分できない | そう思う | そうでもない |
・長時間でも集団生活に対応できる体力がある | そう思う | そうでもない |
・集団の流れに沿ってある程度は抵抗なく生活できる | そう思う | そうでもない |
・家族以外の相手にも自分の気持ちを伝えることができる (何らかの形で表現しようとする様子が見られる) |
そう思う | そうでもない |
・ある程度は、自分のことは自分でしようとする | そう思う | そうでもない |
・おうちのかたから離れても、ある程度の時間安心して過ごせる | そう思う | そうでもない |
・未経験のことにも尻込みせず、興味を示す | そう思う | そうでもない |
・2年保育でも3年保育でも対応してくれる幼稚園がある <3年保育対応の園がある場合> |
ある | ない |
・施設・設備などについて、3年保育児に十分な配慮がされている | そう思う | そうでもない |
・保育時間などについて、3年保育児に十分な配慮がされている | そう思う | そうでもない |
・担任教師について、3年保育児に十分な配慮がされている | そう思う | そうでもない |
・1クラスの幼児数が適正である | そう思う | そうでもない |
・(その園が)応募数などから抽選などの方法をとることがある | ある | ない |
・抽選に外れた場合でも乗り越えられる | そう思う | そうでもない |
- ●子どもとなるべく一緒にいたかったからです
- 子どもとなるべく長い時間を一緒に過ごしたいなと思い2年保育にしました。3月生まれだったので、3年保育には少し不安を感じるという理由もありました。
- ●経済的にも2年保育が最適でした
- 仲よしのお友だちが2年保育が多かったこともあったし、経済的にも3年保育はちょっときついかなと思っていたので2年保育を選びました。
- ●子どもにあったペースでいいと考えました
- 言葉が遅めで、困っていることをじょうずに伝えられなかったり、友だちとまだうまく遊べなかったりしたので、無理はしないほうがいいと思い2年保育に。
- ●近くの園が2年保育だったので
- 家から一番近い園が2年保育で、ほかの園を探すより近い方が通いやすいと考えて決定。近所に遊ぶ友だちもたくさんいたので、2年保育でも問題ありませんでした。
磯部先生より
どの体験談の事例も、おうちのかた自身の考えをもって決定したことに大きな意味がありますね。「なるべく子どもと一緒にいたい」「経済的に」「わが子のペースに合った」「近くの園」という、判断するのに大事な視点をしっかり押さえていることが評価されます。だからといって、誰でも2年保育にしなさいということではないので、そこは誤解のないようにしてください。要は、考えをしっかりもったうえで決断したことならば、不満が残らないということです。2年保育か3年保育か、前向きに状況を判断するために大事なことといえますね。
- ●子ども自身が行きたがっていたので
- 一番の決め手は、子どもが行きたがっていたこと。上の子の送り迎えについて来ていたので、「自分の番!」と張り切っていたようです。
- ●まわりのお友だちが3年保育だったから
- 早生まれなので2年保育にしようかと悩みましたが、まわりのお友だちは3年保育が多く、日中遊べるお友だちがいなくなると寂しいと思い3年保育を選びました。
- ●友だち遊びが大好きなので決めました
- とにかく友だちが好きで、知らない子とでも仲よく遊べるタイプなので、どんどん友だちを作れる環境の方がいいかなと思い3年保育にしました。
- ●早生まれですが思い切って3年保育に
- 早生まれなので3年保育でついていけるか迷いましたが、知り合いのママから「早生まれこそ3年保育よ!」とすすめられ決定。子どもも意外になじんでいました。
磯部先生より
「子ども自身が」というお宅では、お兄ちゃんの送り迎えについて行ったことが、本人に「自分も大きくなった」という成長を感じさせたのでしょう。これはこれで意味があると思います。「友だち遊びが大好きなので」という理由も、お子さんの興味関心の傾向を理解されたということで、大切な視点です。また、「まわりの友だちが…」「早生まれこそ3年保育」という、他からの勧めやきっかけで決めた方も、決断されたのはご自分であり、そこが大切なところです。みなさんの体験談から、ご自身の決断に確信をもっており後悔を感じていないことがうかがえます。それが何より大切なことですし、評価されるところですね。
※体験談は過去の<こどもちゃれんじ>親冊子アンケートより
2年保育でも3年保育でも、おうちのかたが決定して入園したからには、子どもと園の状況を前向きにとらえて、よい面を見つけていくことが大切です。そのことが、おうちのかた自身の安心感にもつながります。またそうやって、安心して前向きな目でとらえていくと、子どもの成長発達もよく見えてきますので、おうちのかたも園生活に期待がもてるようになり、子育て全体がさらに楽しめるようになることうけあいです。