いよいよ夏本番!
プール遊びや水遊びが楽しくなりますね。
でも、暑くなってくると、虫さされやとびひ
プール熱などの感染症も気になります。
今月は、そんな気がかりに関する最新の情報をご紹介します。
2012年6月29日更新
バッチリ準備! チェックすること・用意するもの
「先に確認しておけばよかった」「持ってくればよかった」という後悔をしないために、まずは事前にポイントをチェック!
★施設のWEBサイトや問い合わせ窓口などで確認してみましょう!
幼児用プールの有無と年齢制限
幼児用の浅いプールや噴水などの水遊び場があるかどうかを確認してみて。一般用のプールしかないと、大人や大きな子どもとぶつかったり、激しく水がかかったりすることもあるので注意が必要。幼児は保護者同伴が基本ですが、大人一人が連れて入れる子どもの人数が決まっていることもあるので、子どもの人数が多いときも事前に確認を!
オムツ使用のルール
水遊び用パンツをはく、逆に水遊び用パンツはNGで水着着用、オムツがはずれていないと入れないなど、オムツはずれ前のお子さんの利用ルールは施設によってさまざま。また、利用者からの要望などでルールが変わることもあるので、以前利用したことのある施設でも念のため毎回確認しておくと安心。
浮き輪の使用
深めの幼児用プールや一般のプールでは、浮き輪が使えると楽しいですね。ただし浮き輪の持ち込みはNGという施設や、浮き輪はOKでも足を入れて座るタイプのものはNG、アームタイプの浮きならOKという施設も。ビーチボールやじょうろなどのおもちゃも含め、持ち込みたい物について、細かく確認しておきましょう。
レンタルグッズ
大型のレジャー施設など、場所によってはレンタルグッズがそろっていることもあります。タオルや浮き輪などが借りられると、かなり荷物が減らせるので、検討してみてもいいかも。
休憩場所、日陰の有無
日に当たり続けていると、思ったよりも体力を消耗します。子連れで屋外プールを利用するなら休憩場所や日陰は重要。できれば混雑状況まで問い合わせておくと、日陰は人気ですぐ埋まってしまうといった場合は早めに行って場所をとるなどの対策もとれます。
元気に遊ぶ! 現地で注意したいこと
楽しい水遊びも、夢中になりすぎるとケガをしたり風邪をひいたりするキケンが…。注意点をチェック!
休憩時間はしっかり休んで
休憩時間はこまめにとって。小さなお子さんは夢中になると自分では疲れているかどうかわからなくなります。ときどきプールから上がって、体をふき、水分補給をして、お子さんの様子を見ながら、もう少し遊ぶか、そろそろきりあげるかを考えましょう。
曇りでも日焼け止めを
日差しがそれほど強くなくても、この時期の紫外線には注意が必要です。特に屋外プールでは長時間日光に当たりますし、曇っていると思っても急に日差しが強くなることもあります。日焼け止めの使用OKのプールなら、子ども用の日焼け止めを塗ってあげるといいでしょう。日焼け止め使用がNGのプールでは、日差しが強い日や時間帯を避けたり、遊ぶ時間を短くするなどの工夫をして。
※施設によって日焼け止めの使用を制限している場合があります。
タオルキャップで風邪予防!
髪の長いお子さんは特に、プールから上がった後で髪が乾くまでの間に頭や,髪のかかる肩から体が冷えてしまいます。ドライヤーがあれば一番ですが、なければタオルキャップがおすすめ。
プールサイドでも目を離さない
水の中ではもちろん、プールサイドもすべりやすくて危険です。常に近くで見守り、お子さんが走ったりしないように注意しましょう。
大人も気をつけて! 昨年の夏が教訓に
昨年の夏の感染症の流行状況を振り返ると、今年の予防対策が見えてくる!
子どもの感染症に大人もかかって大流行
昨年は、手足口病や伝染性紅斑(りんご病)が、例年以上に大流行しました。特に一般には子どもの病気とされている手足口病の感染力が非常に強く、大人もかかったことで感染がさらに拡大したようです。最近は、はしかや水疱瘡も含めて、本来子どもがかかりやすい病気に大人がかかるケースが増えているので、どんな病気でも家族感染の予防は徹底する必要がありそうですね。
感染症を予防しよう!
- ●うがい、手洗いを徹底する
- ●友だち家族とまめに情報交換する
- ●規則正しい生活で免疫力アップ
外出後はしっかり休むなど疲れをためないようにしましょう。
家族感染を予防しよう!
- ●タオルや食器の共用を避ける
- ●オムツの処理に注意する(袋に密封して、処理後はしっかり手を洗う)
- ●気になる症状があったら、すぐに受診する
早めに受診すると症状の悪化が防げたり、家族感染を予防するためのアドバイスを受けたりできます。
今年はどうなる!? 特に気になる感染症
昨年までの10年間の流行状況のデータから、夏に注意が必要な感染症について解説します。
※情報は2012年6月現在です
咽頭結膜熱(プール熱)
もともと夏に流行る感染症ですが、2004年と2006年に大流行。今年もすでに発症数が増えてきています。
症状:40度前後の高熱が数日続く、目の充血や目やに、のどの痛み
潜伏期間:5~7日
ポイント:特効薬がないため、高熱でつらいときには解熱剤、目のかゆみには点眼薬などの対症療法になります。のどの痛みで食欲が落ちることがあるので、のどごしのよいものを。脱水予防に水分補給も大切。
咽頭結膜熱の最新流行状況
※国立感染症研究所感染症情報センター
伝染性紅斑(りんご病)
昨年の夏に大流行しましたが、年度後半からは一気に落ち着き、今年も今のところ、引き続き発症数は低めです。
症状:ほっぺたが赤くなり、その後手足にレース状の赤みが出る。赤みは全身に広がることも。大人が感染すると重症になりやすい。
潜伏期間:10~20日
ポイント:症状が出る1週間くらい前に微熱や軽い風邪症状が見られることが多く、実はこの時期が最も感染力が高い。症状が出た後は、感染力も下がり体調もよい場合が多い。ただし、ほかの感染症の症状や、合併症を起こしている可能性もあるので必ず受診を。
伝染性紅斑の最新流行状況
※国立感染症研究所感染症情報センター
ヘルパンギーナ
毎年、6~7月にピークがあります。今のところ例年に比べて発症数は多い方ではありませんが、徐々に増え始めています。
症状:高熱が2~3日続く、のどの痛みは1週間程度
潜伏期間:2~5日程度
ポイント:のどの痛みで食欲が落ちることがあるので、のどごしのよいものを。水分がとりにくくなるので脱水症状に注意が必要です。飲めない、食べられないときは再度受診を。
ヘルパンギーナの最新流行状況
※国立感染症研究所感染症情報センター
急性出血性結膜炎
昨年6~7月にかけて突然大流行して話題になりました。年末には落ち着き、今年も今のところ発症数は低めです。
症状:目やに、目の充血、涙目をはじめとする強い目の違和感
潜伏期間:1日前後
ポイント:症状の悪化を防ぐため点眼薬を使用します。目をこすった手でさわったものから、家族などに感染する危険が高いので手洗いや使用後のタオルの扱いなどに注意が必要です。
急性出血性結膜炎の最新流行状況
※国立感染症研究所感染症情報センター
手足口病
昨年は通常の年の5倍(!)程度に感染者数が急増。6月から一気に感染が拡大しました。今年5月時点では例年より低めに推移していますが、注意は必要です。
症状:発熱、食欲低下、のどの痛みから始まり、1~2日後に手、足に発疹が出る
潜伏期間:3~6日程度
ポイント:のどの痛みで食欲が落ちることがあるので、のどごしのよいものを。症状は1週間程度で収まりますが、便からは1カ月近くウイルスが排出されるので、オムツの処理後は必ず手を洗いましょう。
手足口病の最新流行状況
※国立感染症研究所感染症情報センター
ちょっと気になる虫よけ成分
虫よけスプレーやクリームなどを選ぶときの注意点です。
乳幼児の「使用上の注意」
虫よけ剤に多く使われる「ディート(ジエチルトルアミド)」という成分は乳幼児には副作用の報告があり、使用の制限が設けられています。 虫よけ剤を選ぶ際は、極力ディート不使用のもの、不使用のものがない場合はディート濃度の低いものを選ぶといいでしょう。表示がわからないときは薬剤師にたずねてみてください。また、ディート配合のものを使う場合は、以下の目安を守って使用しましょう。
- ●習慣的な使用は控えて、虫の多い場所でのみ使う
- ●スプレータイプは吸入しないように大人の手にとってからつける
- ●長袖や長ズボンなど衣類の工夫も考える
- 使いすぎに注意して、必ず大人が管理する
みんなの虫よけ対策を教えて!
小さなお子さんの虫よけ対策、みんながどうしているかを聞いてみました。
うちの子は肌が弱くてスプレーは心配なので、リングタイプの虫よけを使っています。ベビーカーでお散歩していたころは、足につけていましたよ。部分的にしか効かないかなと心配でしたが、意外と大丈夫でした。
市販のものは成分がよくわからないので、自分で作っています! ミントオイルと水を混ぜて、100円スプレーに入れるだけ。暑いとき、香りもさわやかでオススメ。ただミントオイルが多いと刺激を感じて子どもが嫌がります。レモングラスやユーカリのオイルでもいいみたいですね。
いろいろ試しましたが子どもが嫌がってつけさせてくれず、結局虫よけシールを使っています。洋服や持ち物にけっこうベタベタはっているのでちょっと割高な気がするのですが、直接肌につけないので安全性は高いのかなと思っています。
ウェットティッシュのようなシートタイプの虫よけは持ち運びに便利です。気がついたときにふいています。外遊び中は汚れがとれることもありますよ(笑)
虫さされあとのトラブルに
さされてしまった後の対処法。専門家からのアドバイスです。
息子は家族のなかで一番よく蚊に刺されます。家庭ではどのようなケアをしてあげるのがよいのでしょうか。
蚊に刺されたら、かかないようにして、抗ヒスタミン剤の軟膏(なんこう)で炎症を抑えましょう。ひどくはれたり炎症が広がってしまったら、皮膚科または小児科を受診しましょう。 続きを見る
虫に刺されたあとをいじっていたら茶色くかたくなり、盛り上がってきて毛も生えてきました。
虫刺されを長くかき続けていると、かたくて褐色の盛り上がった状態になります。早めに皮膚科を受診し、医師の指示に従って治療するとよいでしょう。 続きを見る
「とびひ」とはどんな病気ですか。見た目は湿疹と違うのでしょうか。どんな症状になるのかよくわからないので教えてください。
「とびひ」とは、虫刺されや湿疹、あせも、アトピー性皮膚炎などでかきこわしてできた小さな傷や擦り傷などに、黄色ブドウ球菌や溶血性連鎖球菌などが入り込み、繁殖する皮膚感染症です。一気に広がるので、早めに小児科または皮膚科を受診しましょう。続きを見る