もしや、うちの子も?!知っておきたい「中1ギャップ」

「中学校の環境に馴染めない」。小学校とのギャップに悩む中学生が増えているようです。中には、親も気付けず一人で悩むお子さまも。親世代には聞き慣れない「中1ギャップ」とは?

こんなことが不安…。
教科担任制で先生に馴染めない。困ったとき、誰を頼ればいい? 定期テストの計画、どうやって立てればいいかわからない…。 部活に入ったけど、先輩や後輩と付き合うのに緊張…。

教科担任制や定期テスト、部活での付き合い。中学校は、小学校時代とはいろいろな面で変化があります。親にとっては当然のことでも、急激に変わる環境に、戸惑う子どもたちがいます。

これまでとは違う環境の中で、体調を崩したり、学校に行くのがつらくなったりする中1ギャップ

どうしてこのようなことが起こるのでしょう?

齊藤先生プロフィール写真 教えてくれるのは 思春期の子どもの発達を研究する齋藤誠一先生

神戸大学大学院人間発達環境学研究科准教授。思春期の身体発達や性的成熟が与える子どもやその周囲への影響を研究しながら、小中学校のスクールカウンセラーも行う。

環境の急激な変化と思春期の重なりで子どもたちは負担を感じやすく

教科ごとに違う先生が授業をしたり、部活が始まったり、定期テストがあったり。中学校に進学すると同時に、子どもたちにはさまざまな変化が急におとずれます。新しい環境は、大人でも不安定になるものです。それに加えて、この時期はちょうど思春期の真っ只中。人間関係に敏感になったり、自分の体が変化したりで、精神的にも不安定になりがちです。学校生活の急激な変化と思春期の発達がちょうど重なり、子どもたちは負担を感じやすくなります。中には、学校での居心地の悪さに心が耐えられなくなることもあるのです。

とはいえ思春期、反抗期の時期。家庭ではどのようにフォローすればいい?

心も体も不安定な時期、環境の変化に戸惑うのは当然。戸惑い、悩みを乗り越えて、子どもたちは大人になっていきます。おうちのかたも心配になるかもしれませんが、おうちのかたの不安はお子さまにも伝わってしまいます。

中学生になって違和感を感じている子どものイメージイラスト 中学生になって違和感を感じている子どものイメージイラスト

中1ギャップは、発達段階の当然の変化と考えて。だから…

なるほどと納得する母親イラスト

おうちのかたの共感が、家庭を安心できる場所に

まずは、おうちのかたがドンと構え、家庭をお子さまが安心できる「安全基地」にしてあげましょう。ギャップを感じていることを受け止め、「大変だよね」とその気持ちに共感してください。そして親子でホッとできる時間をつくりましょう。食卓を挟んでおしゃべりしたり、一緒に散歩に出かけたり。特別なことでなくとも、その関わりが翌日がんばれるエネルギーになるはずです。

親子で食卓を囲むイメージイラスト

学習面でつまずきがある場合も、まずはお子さまへの理解が必要となります。勉強の仕方を押し付けるのは厳禁。小学生時代のように「毎日コツコツ」だけに縛られると、親子でイライラすることもあります。中学生になると、それぞれ学習スタイルに個性が出てきます。まずは、お子さまの学習スタイルを知り、それに合わせた家庭学習のサポートをすることが大切になります。

おうちのかたもしんどくなることがあるでしょう。おうちのかたも、息抜きできる楽しい時間をもって、ご自身をメンテナンスしてあげてください。

中学生からの家庭学習サポート、3つのポイント

POINT1 集中時間を見極め学習スタイルを知る

集中の仕方で、「毎日コツコツ1時間」「土日に集中して2時間」など、学習スタイルは変わります。集中力を知ることで、「毎日勉強しなさい」などと叱ることなく、お子さまの学習スタイルを見守る姿勢につながります。

時間を意識して勉強に取り組む子どもイラスト

POINT2 教科書を覗いてみる

お子さまの教科書を開いて、勉強していることをチェック。「今習っている芥川龍之介の小説は面白い?」「『何時ですか?』って英語でどう言うんだっけ」など、生活の中で、勉強の話題を出しやすくなり理解や興味にもつながります。

教科書の内容を話題に話をする親子イラスト

POINT3 困っていたら手助けを

おうちのかたが先走って手助けをするのではなく、お子さま自身が困っていたら、様子を見て手助けしてあげましょう。「私も〇〇は苦手だったな」などと、おうちのかたの経験も盛り込むと、お子さまも受け入れやすいかもしれません。

子どもにアドバイスをする母親イラスト
中1ギャップをサポートするためにも、お子さまへの学習スタイルへの理解が大切なのですね

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