第1回ワークショップの最終プログラムは、小中高混成チームでのオピニオン作りでした。写真のように話し合いたいテーマをそれぞれ紙に書き、そのテーマが近い先生同士が集まって5つのチームを結成。「12年間を通したより良い学びのために、教師が出来ること」を、教師発のオピニオンとしてまとめ上げました。


1)チーム「志」

提案のKeyword:
学び続ける「志」、志は多様でいい、他者とのかかわりを大切にした指導

まず先陣を切って発表したのが、「チーム『志』」の先生方。12年間を通して「学び続ける力」を育成する指導の在り方について議論を深めました。

学びの楽しさを感じさせる指導、他者とかかわる力の育成、学校種を超えてスパイラルで指導を展開する重要性など、論点は多岐にわたりましたが、最終的に至ったのは、児童・生徒それぞれの個性に応じた「志(=目標)」を持たせることの重要性。

「同じマラソンをするにしても、オリンピックのトップランナーを目指す子どももいれば、市民ランナーとして生涯走り続けることを目標にする子どももいる。子どもの個性に合った目標を探し、学校種を超えて支援し続けることが、学ぶ意欲を持続させる上では大切になるはず」との指摘に、会場の先生方も大きくうなずいていました。


2)チーム「学力保障」

提案のKeyword:
学びを「デザイン」する、学習「方法」の系統性、学齢を超えた学習記録の運用

続いて発表したのが、「12年間を通した学習づくり」に焦点をあてた「チーム『学力保障』」。以下のように、小中高それぞれで行うべき、具体的な指導の在り方まで議論を深めました。

段階 目指す生徒像 そのために必要な指導
小学校 きちんと座って人の話を聞く 楽しい授業+確かな学び
幼稚園・保育園との「連携」
(今やっているような「連絡」だけで終わらせない)
中学校 学習習慣を身に付ける 学習記録の運用
(小学校、高校でも運用し、連続して習慣化を図る)
高校 自主的な学習が出来る 体験的な学びの重視

「学習内容の系統性」については学習指導要領でしっかり定められています。しかし、「学習方法の系統性」については必ずしも明示されているわけではありません。「分かる楽しさ、学ぶ楽しさを伝えるためには12年間の学びのデザインをつくることが大切。特に『学び方』(how to learn)の指導を考えなければならない」と発表を締めくくりました。

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