全国の小・中・高校から19名の先生が集合

小中高の先生方が一堂に集い、教師発のオピニオン形成を目指す「Teachers’ cafe」。2013年9月28日(土)、北は北海道から南は大分まで19名の先生方のご参加をいただき、第1回目のワークショップが行われました!

参加された先生のうちわけ
小学校 7名 (校長 2  副校長・教頭 2  主任3 )
中学校 6名 (校長 1  副校長・教頭 2  主任1  一般 2 )
高校・大学 6名 (校長 1  副校長・教頭 3  主任1  特任教授 1 )
計19名
エリア: 北海道、岩手、福島、栃木、群馬、東京、新潟、岐阜、三重、福井、兵庫、岡山、香川、愛媛、大分…と全国から

白熱した議論あり、笑いあり、充実した半日間

今回のワークショップのテーマは、「12年間を通したより良い学びのために、教師が出来ること」。小中高という学校種の壁を超え、子どもたちの成長のために何が出来るのかを徹底的に話し合い、課題解決のための提案(=オピニオン)をつくることがゴールです。抱えている課題や、それぞれの学校文化の違いを踏まえ、「お互いを知り合う」「現状を共有する」部分にじっくり時間を掛けたプログラムにしました。

2013年9月28日(土) 13時~18時

【主催】:ベネッセ教育総合研究所「Teachers' cafe」事務局
【企画運営協力・当日ファシリテート】:
株式会社 もくてき 與良昌浩氏
株式会社 スコラ・コンサルト 宮崎圭介氏

12年間を通したより良い学びのために、教師が出来ること
13:00-13:25 オリエン
テーション
  • このワークショップの背景と目的、進め方、グランドルール
  • 全員でひとり一言
全体
13:25-13:50

自分を語る

互いを知り合う
  • ペアで自己紹介や他己紹介
ペア
13:50-14:00 休憩
14:00-15:40 現状を知り合う
  • ワールドカフェ方式で、4ラウンド、グループを変えて語り合う。
※ワールドカフェ形式:
組み合わせを替えながら、少人数での会話を積み重ね、組織的な探求につなげていく対話の手法。
  • ラウンド(1)(2)
    「12年間を通した学び」を考える上で小学校、中学校、高校それぞれについてどんな「良さ」「問題点」を感じているか?
  • ラウンド(3)(4)
    「12年間を通した学び」がどうなれば理想的だと思うか?そのためには何が必要か?
4~5人
15:40-15:50 休憩
15:50-17:00 オピニオンをつくる
  • 「12年間を通したより良い学びのために、教師(私たち)が出来ること」として、話し合いたいテーマを個々が考えて提示
  • テーマに沿ってチームをつくり、チームごとにオピニオンをつくる
4~5人
17:00-17:20 全体発表 チームごとに発表  
17:20-17:30 個人ワーク 今日の気付きや明日からの抱負をまとめる  
17:30-18:00 クロージング 全体でひとり一言  

自分を語る、互いを知り合う

自己紹介の後、まずは互いを知り合うためのセッション。最初は先生方も緊張気味です。

現状を知り合う

お互いに何に困っているのか、他の学校種に対してどんなことを感じているのか。率直な意見を交わし合うセッションを、グループを変えながら計4回行いました。1~2ラウンド目では、「なぜ小学校では●●なのか?」「高校としては●●をして欲しい」「現実的には中学校ではそれは難しい」など、他の学校種に対する意見や要望が多く出されました。しかし、セッションを重ねて他の学校種の状況や先生方の想いが分かるにつれ、お互いの事情を踏まえた前向きな話し合いが深まってきました。

オピニオンをつくる~全体発表

話し合いたいテーマに基づき、小中高混成チームを結成。チームごとの話し合いを踏まえてポスター発表を行う最終セッション。以下の5つのチームがテーマにおいて実現させたいことや、そのためのアイデアを考えて発表しました。

チーム名 発表テーマ
「志」 ~学び続ける力の育成~
「学力保障」 ~12年間を通した学習づくり~
「生きぬく力」 ~生涯教育のために~
「キャリア教育」 ~一生学び続ける・社会にコミットし続ける良き市民~
「学びの意欲」 ~起動・向上・継続~

数時間の議論を終えても、先生方はまだまだ話し足りない様子。その後の有志による懇親会も大いに盛り上がりました。


多くの気付きが得られ、高い満足感

短い時間ながら、充実した内容となった第1回ワークショップ。参加された先生方はどのような感想を持たれたのでしょうか?

終了時のアンケートでは9割以上の先生に「満足」とお答えいただきましたが、それ以上に事務局メンバーにとって嬉しかったのは、終了後に寄せられた先生方の声でした。今回の「出会い」に対する感想だけでなく、実際に自分の校区で、ワークショップの成果を共有して、実際の行動に生かそうという意見を寄せていただけたことは、本当に大きな成果であったと感じています。

Q.「Teachers’ cafe」へ参加されたご感想を教えてください。

小中連携、中高連携といわれています。ややもすると、「確かな学力作り」に 注目がいきがちです。しかし、今回の会を通して、今必要なのは未来を生きる子供たちにとって本当の学びとは何なのかを考え、「理念」そして「学習スキル」と正面から向き合うこと、また、向き合わなければならないことを実感させていただきました。これも、地域の呪縛から逃れ、一教育者としての意見が保証されたためだと思います。あらためて、貴編集部の挑戦に感謝いたします。
(北海道/小学校/校長)
実に時間が経つのが速く感じられました。それぞれのセッションの15分などは、あっという間でした。合宿にしてもよい感じでした。さまざま印象に残ったキーワードがあります。自分としては、ライフワークとも言える「自尊感情」「自己肯定感」についてチーム「生きぬく力」で発表できたこと、共有できたことが大きかったです。明後日、たまたま近隣の中学校2校、小学校3校での5校交流会というのがあり、28日の内容の一端は話し合いの中で還元していきたいと思っています。まずは、自分の足元から一歩一歩です。
(北海道/中学校/校長)
校種の違いを感じることなく、いろいろな先生方と一日を過ごせた感じがします。きっと、さまざまな教育活動で活躍されている先生方の情熱は同じものだからだと思います。校種を超えて多くの先生方から刺激をもらって帰ることが出来ました。ありがとうございました。それだけに、横(同一校種)だけではなく、校種を超えて縦にもニューロンを伸ばしていくことが出来たら我々の努力はよりストレートに生徒に届くと感じました。これを機会に小さくとも一歩を踏み出すことが大切かなと思っております。
(岩手県/高校/副校長)
全国の先生方から大いに刺激を受けると共に直面する一つひとつの課題を克服するためには校種を超えた協力が欠かせないことを実感しました。 これを機に先生方と連絡を取り合って小中高の連携のあり方を考えていこうと思います。
(福井県/高校/教頭)

次回から「オピニオン」を発信します!

さて、次回からは、ワークショップで練り上げられた5つのオピニオンそれぞれについて、ご紹介したいと考えています。参加の先生方がどのような問題意識でテーマに取り組まれたのか? ご期待ください!