2020年から
教育はどう変わる?

新課程・新入試の
内容と背景

協力:ベネッセ教育総合研究所

Q2020年、
教育の何が変化する?

A

変化の激しい時代を生きる子どもたちが、
活躍できる資質・能力を育成するため、
学校教育と大学入試が変わります。

2020年、学校教育が変わる

学校教育は「新学習指導要領」へ。
「どのような力(資質・能力)を身につけるのか」「何ができるようになるのか」まで
踏み込んで求める教育に変わります。
2020年に小学校、2021年に中学校で全面実施され、2022年から高校で順次実施されます。

これまでは
「学んだことを
きちんと理解してるか」
という知識・技能の評価が
大きなウエイトを占めていた

これからは、知識や技能を
習得するだけではなく、

それをもとに
「自分で考え、表現し、判断し、
実際の社会で役立てる」
ことが求められる

新学習指導要領で育成を目指す資質・能力の3つの柱

「学びに向かう力」「知識・技能」「思考力・判断力・表現力」という3つの資質・能力の育成が目指されます。

大学入試が変わる

大学入試は、知識・技能だけではなく、思考力・判断力・表現力も重視した入試へ。

Qなぜ「新課程」
「新入試」なのか?

A

21世紀の社会を生き抜くために
必要な資質・能力が大きく変わるためです。

今後、社会で起こる変化として予想されていることの例として、以下のようなものがあります。

  • あと10〜20年で、
    49%の職業が
    械に代替される
    可能性が
    あるといわれている

    野村総合研究所・オックスフォード大学 マイケル A. オズボーン准教授の計算(2015)

  • 2011年にアメリカの
    小学校に入学した
    子どもたちの65%は、
    今は存在して
    いない職業に
    就くだろうと予測される

    ニューヨーク市立大学大学院センター教授 キャシー・デビットソン

  • 約1/3の企業が
    外国人留学生を採用。
    特に1,000人以上の
    企業では、
    3社に2社と
    その割合は増加する

    出典:ディスコキャリアサーチ「外国人留学生/ 高度外国人材の採用に関する企業調査」 2017年11-12月

Qどのように学ぶのか?

A

「主体的・対話的で深い学び」(≒アクティブ・ラーニング)を
取り入れた授業が実施されます。
資質・能力を身に付けるために、教員による一方通行の授業から、
生徒自身が主体的・能動的に参加する授業・学習へ変わります。

  • 発見学習
  • 体験学習
  • ディべート
  • 問題解決学習
  • 調査学習
  • 教室内での
    グループ
    ディスカッション
  • グループワーク

Q何を学ぶのか?

A

新学習指導要領では、資質・能力を身につけるために、
教科・科目の構成や目標・内容が新しくなり、
小学校から高校までに学ぶ内容が変わります。

新学習指導要領での教科、
科目の新設例

学校教育は「新学習指導要領」へ。
「どのような力(資質・能力)を身につけるのか」「何ができるようになるのか」まで踏み込んで求める教育へ。

小学校 3・4年生での「外国語活動」
5・6年生での「英語」教科化

高校「公共」「歴史総合」
「地理総合」
「理数探究」などの新設

小学校での
「プログラミング教育」必須化

「プログラミング教育」といっても、プログラミング言語やコーデイングを学ぶことが目的ではありません。
既存の教科の中で、基礎的な「プログラミング的思考」を養うことが主目的です。
新学習指導要領の「主体的・対話的で深い学び」の中で実現させるような指導内容で行われます。

「プログラミング的思考」とは...
問題解決に必要な手順が
あることに気づくなど

各教科の特質に応じた
見方や考え方との相乗効果を狙う

Q新大学入試の内容は?

A

思考力・判断力・表現力を重視した入試へ。
センター試験に代わり、「大学入学共通テスト」が導入されます。
知識だけでなく、思考力・判断力・表現力が問われるようになります。
また、各大学の入試選抜は、ペーパー試験だけでなく、
多面的・総合的な評価が行われるようになります。

Point

  • ⼤学⼊試の全体像
  • ⼤学⼊学共通テスト
  • 個別⼤学試験

以下で詳しく解説

⼤学⼊試の全体像

これからの時代に必要となる資質・能力を、多⾯的・総合的に評価する⼤学⼊試に変わっていきます。

出典:⽂部科学省「平成33年度⼤学⼊学者選抜実施要項の⾒直しに係る予告の改正について(通知)」(2018年10⽉22⽇)より作成

⼤学⼊学共通テスト

センター試験が「⼤学⼊学共通テスト」に代わります。現在、⼤学⼊学共通テストで注⽬されているポイントは、以下の2点です。

「思考力・判断力・表現力」を
重視した問題が増える

英語はリーディングとリスニングが
同じ配点になる

個別⼤学試験

大学入学共通テストも含め、「多⾯的・総合的評価」が導⼊になります。
知識・技能、思考力・判断力・表現力に加えて、主体性・多様性・協働性も評価します。

⼀般選抜でも調査書・志望理由書・
⼩論⽂・⾯接などが
各⼤学の必要性に応じて課されるように

学校推薦型選抜、総合型選抜でも、
学力的要素が問われるように

2020年度の⼤学⼊試について、⽂部科学省から以下の発表がされました。
・英語⺠間試験活⽤のための「⼤学⼊試英語成績提供システム」の導⼊の⾒送り(2019年11⽉1⽇)
・⼤学⼊学共通テストにおける記述式問題導⼊の⾒送り(2019年12⽉17⽇)
⽂部科学省公表資料などをもとに作成(2019年12⽉17⽇時点)