中学進学に向けて、小6生が自宅でできる「英語」の先取り学習法2選

小学校から中学校へ進学する際に、大きな変化の1つとして挙げられるのが「英語」の本格的なスタートです。中学・高校と学習の大きな比重を占める英語は、特に円滑なスタートをしてもらいたいと考える保護者のかたも多いかと思います。
そこで今回は、中学進学にむけて、小6生が自宅でできる英語の先取り学習についてお伝えします。

最重要!アルファベットを復習する

アルファベットの復習、と聞いて「小学校でも英語をやっているし、さすがにアルファベットぐらいは書けるのでは?」と思われた方も多いかもしれません。

たしかに、2020年度から小学校英語は教科となり、テストの実施や通信簿への成績掲載も行われるようになりました。
また、アルファベットの学習は3年生から始まります。そう聞くとなおのこと、「アルファベットは書けそう」と思われるかもしれませんが、3年生から5年生までのアルファベット指導はあくまでもアルファベットの「音」の指導に留まっています。

6年生になり実際にアルファベットを書く指導が始まる学校が多いですが、基本的には1回の授業の中で、今日はAとB、など1文字~3文字程度ずつを学習範囲として指導が行われるため、アルファベット大文字・小文字それぞれ26文字を何も見ずに何度も書いてみるといった指導をみっちりと行うケースは多くはありません。

小学校英語の大きな目標は「テーマにふさわしい基本的な単語や表現例を用いることなどにより、音声面を中心としたスキルを身に付けさせることを組み合わせていくこと(文部科学省HPより)」とあくまで音声中心であり、読む・書く指導が本格化する中学校の学習内容への導入的な内容である点もその理由です。

中学校の最初の定期テストや模試では、アルファベットを問う問題が頻出となっておりますし、なにより今後英語学習を進めていくにあたって、正しいアルファベットを理解しておくことは大前提です。中学校進学前に、アルファベットをきっちり復習しておくにあたって、おすすめの勉強法をご紹介します。

《アルファベットのオススメ勉強法》

①まずは大文字、小文字を26文字連続で書いてみる
A B C D...、a b c d...のように、大文字・小文字それぞれA~Zまでを英語ノート(4線)に書いてみましょう。うっかり忘れてしまっているものが多いようであれば、最初はお手本を見ながら書いてみても問題ありません。
中学校の定期テストでよくある間違いとしては、(1)L M Nの並びの間違い、(2)bとdの混同、(3)伸ばすべき文字(h f g j y)がきちんと伸びていない などが挙げられますので、ご家庭内の指導のポイントとしてお役立ていただければと思います。

②慣れてきたら、大文字小文字をセットにし、何も見ずに26文字連続で書いてみる
大文字・小文字それぞれは書けるが、それぞれをセットにすると混乱してしまう、ということもアルファベットの学習においては多いです。
そのため、大文字・小文字がそれぞれきちんと書けるようになったら、アルファベットの復習の仕上げとしてA a、 B b 、C c...と、大文字小文字をセットにして書く練習をやってみることをおすすめします。
実際に中学校の定期テストでも、「次のアルファベットの大文字を小文字に、小文字を大文字に書き換えなさい」といった問題形式が頻出ですので、定期テストの対策としても役立ちます。

・アルファベット26文字を「何も見ずに何度も書く」

  • -単語の暗記などに支障が出ないよう、最初にアルファベットを固めておくことが重要
  • -中学校の最初の定期テスト・模試では、アルファベットを問う問題が頻出
  • 【並びの間違い】L M Nの並びの間違い
  • 【混同しやすい文字】小文字のbとd
  • 【書き間違えやすい文字】小文字のh f g j yなどの伸ばす部分

小学校英語の教科書を用いて基本的な単語に絞って復習する

小学校の英語の教科書を見てみると、その単語数の多さに驚かれる方も多いかと思います。事実、中学校の教科書に出てこないような単語も見受けられます。一方で、小学校での英語学習はあくまで音声が中心となるため、スペリング(=単語を何も見ずに書くこと)までの指導はなされないことが多いです。

また、学校では単語テストや英作文といった形で、英単語を実際に書く力が求められる場面が多いため、お子さまたちの中には小学校英語とのギャップからハードルが高いと感じてしまう子もいます。「単語はどうやったら覚えられますか」という英語の悩みは、高校生からの相談も多く、単語学習を課題とするお子さまの多さがうかがえます。

そこでまずは、小学校英語で扱っている多くの単語のなかでも、まずは中学校の定期テストや英作文の問題でも頻出となる「数字(1~20まで)」と「曜日」を、単語学習の練習として学習することをおすすめします。

《英単語のオススメ勉強法》

・日本語を見て英語を「言う」⇒日本語を見て英語を「書く」
→まずは英語を声に出すことで、スペリングのイメージをつけることができます。何も書けない、というのは大人が想像するよりも「できない」という意識が先行してしまうため、まずは英語を声に出すことで“何を書こうとしているのか”を確認することをおすすめします。

・発音しながら何度も書く
→ただ繰り返し書く学習方法を有効に感じるお子さまもいるかとは思いますが、「書く」という作業が主目的になってしまい、単語を暗記するという目的から外れてしまうケースが散見されます。「発音しながら書く」ことであくまでも覚えるために書いている、ということを意識することが大切です。また、覚えたと思ったら辞める(=〇〇回書く、ということを必須にしない)ことも大切なルールです。

具体的な学習方法もご紹介しましたが、大事なのは「どうやったら単語を覚えられるか」をお子さまが自分で考え、実感することです。とにかく書く、という方法が合うお子さまもいれば、まずは声に出して音を覚え、それから書いてみるという方法が合うお子様もいらっしゃるかと思います。あくまでも「こうやったら覚えられた」という成功経験を積むことを大切にしていただきたいと思います。そのため、なかなか覚えられなくても「なんで覚えられないの」や「もっとこうしなさい」のような声かけは、成功体験を積むうえで逆効果となってしまう可能性があります。あくまでもポジティブに、単語学習を通じて英語へ自信をつけていただければと思います。

・小学校英語の教科書を用いて基本的な単語に絞って復習する

  • ①数字(1~20)の復習
  • ②曜日の復習

まとめ & 実践 TIPS

中学校進学にむけての英語の先取り学習をお伝えしてきましたが、いかがでしたか?中学進学に向けての準備はあまり手を広げずにするのがポイントです。なにより大切にしていただきたいのはお子さまの「自信」です。「自分は英語ができる!」、「英語って楽しい」、「単語はこうすれば覚えられる」と英語学習に自信を持ってもらうことが、一番の先取り学習だと思います。素晴らしい中学校生活のスタートにむけて、まずは本日お伝えした2つの学習から始めてみてはいかがでしょうか。

株式会社プランディット 英語課 堀内(ほりうち)
編集プロダクションの株式会社プランディットで、進研ゼミを中心に、小学校から高校向けの英語教材の編集を担当。

プロフィール



1988年創業のベネッセ・グループの編集プロダクションで,教材編集と著作権権利処理の代行を行う。特に教材編集では,幼児向け教材から大学入試教材までの幅広い年齢を対象とした教材・アセスメントの企画・編集を行う。

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