プログラミングに重要な「アルゴリズム」とは?日常やコンピューターでの例を紹介
プログラミングに重要な「アルゴリズム」とは一体どのようなものなのでしょうか。本記事では日常におけるアルゴリズムやコンピューターで用いられるアルゴリズムの一例などを紹介します。ぜひアルゴリズムを理解する参考にしてみてはいかがでしょうか。
「アルゴリズム」とは
アルゴリズムとは、問題を解いたり課題解決をしたりするための計算方法や手段のことです。人が自分で行った場合、非常に時間がかかってしまうような計算をコンピューターを使って行っていますが、コンピュータに処理をさせる手順・やり方をアルゴリズムと呼びます。
また、アルゴリズムには複数の種類があり、同じ結論にたどりつくまでのアルゴリズムにも多くの種類があります。
日常におけるアルゴリズム
アルゴリズムはあまり聞きなれない言葉ですが、私たちの生活のさまざまなところでアルゴリズムが使用されています。そのため、知らず知らずのうちにアルゴリズムを活用しているという人も多いでしょう。
ここでは日常におけるアルゴリズムを紹介します。どのようなアルゴリズムがあるのか参考にしてみてください。
カーナビや乗り換え案内
アルゴリズムはカーナビやスマホアプリなどの乗り換え案内にも利用されています。カーナビや乗り換え案内では、同じ行先に至るまでの複数の選択肢の中から、現時点でどの経路を選択すれば早いのかなどを計算してくれます。
このように、出発地から目的地までを移動する場合の時間や通行料金など、さまざまな観点から最適な経路を割り出すアルゴリズムを、経路探索アルゴリズムと呼びます。
料理を作る
アルゴリズムは料理の作り方にたとえることもできます。その場合、コンピューターは、自分で料理を作ることができない人のようなものなため、まず作り方をアルゴリズムとして教える必要があります。
しかし、作り方にも効率が良いもの、悪いものがあるため、選んだアルゴリズム次第では短時間で調理が完了したり、逆に時間がかかったりすることもあります。
Googleの検索アルゴリズム
Googleの検索アルゴリズムとは、Google検索を利用した際にどのように検索結果が表示されるのかという計算方法のことです。Googleではこのアルゴリズムがどのような内容になっているのか公開しておらず、さらにアルゴリズムに定期的な変更を加えています。
そのため、アルゴリズムの変更によっては、同じキーワードで検索しても順位が変わるケースもあります。
プログラミングでアルゴリズムが重要な理由
アルゴリズムにはさまざまな種類があるため、どのアルゴリズムを選択するかによって処理の速度が変わります。
同じ結論に至る場合でも、使用するアルゴリズム次第でそれまでの速度が変わります。そのため、効率よく処理を行うことを重視するプログラミングでは、アルゴリズムが非常に重要になります。
アルゴリズムを学ぶことでコードの質が向上し、効率のよいプログラミングが実現できます。
コンピューターで用いられるアルゴリズムの一例
コンピューターではさまざまなアルゴリズムが利用されています。特に、多くのデータの中から目的のものを探し出す探索アルゴリズムや、順番を並び替えるソートアルゴリズムなどが有名です。
ここでは、コンピューターで用いられるアルゴリズムの一例について解説していきます。
探索アルゴリズム
探索アルゴリズムとは、膨大な量のデータの中から目的のデータを探すためのアルゴリズムです。検索アルゴリズムにも複数の種類があり、検索方法には「二分探索」や「線形探索」などがあります。
探索アルゴリズムを使用することで、効率的に求めているデータをピックアップすることができます。日常では、SNSなどで使われています。
ソートアルゴリズム
ソートアルゴリズムとは、膨大な量のデータを小さい順や大きい順などに並べるアルゴリズムです。整列に使用できる大小関係を持つデータを、順番どおりに並べ替えることは、コンピューターでもよく行われる処理です。
また、ソートアルゴリズムにも「バブルソート」「バケットソート」「シェルソート」「選択ソート」「挿入ソート」など複数の種類があります。システム開発では、データの量等に応じて最適なアルゴリズムを使用すると、パフォーマンスを向上できるというメリットがあります。
遺伝的アルゴリズム
遺伝的アルゴリズムとは、適者生存の法則をコンピューター上で行うアルゴリズムです。生物は両親の遺伝子を組み合わせて、より良い性質を受け継ぐことで進化しています。
遺伝的アルゴリズムも生物の進化のように、最適解をコンピューター上で生成しようというものです。使用例としては、前述したカーナビの目的地ルート検索があります。
暗号化アルゴリズム
暗号化アルゴリズムとは、情報を第三者から見えなくできる暗号化を行うためのアルゴリズムです。暗号化アルゴリズムには、大きく分けて「共通鍵暗号方式」と「公開鍵暗号方式」の2種類の方法があります。
共通鍵暗号方式は、処理が速い特徴をもつため、ファイル暗号などに適用されることが多いです。公開鍵暗号方式は、安全性が高く、メッセージのやり取りや電子署名に使用されています。
幾何学系アルゴリズム
幾何学系アルゴリズムとは、さまざまな図形同士の関係をシンプルにできるアルゴリズムです。
主にCGやゲームなどのグラフィック系の開発に役立つアルゴリズムで、幾何学系アルゴリズムには「分割統治法」「幾何学的変換法」「バケット法」「フィルタリング法」「縮小法」などの方法があります。
パズルを解くのにもアルゴリズムが使える?
アルゴリズムは、コンピューターが使用している計算方法だと考えている方も多いでしょう。しかし実際には、コンピューター登場よりも以前からパズルを解くためのアルゴリズムとして「魔法陣」というアルゴリズムが存在しています。
魔法陣とは、縦横斜めのすべての和が等しくなるように、数字を配置するというものです。3×3の場合は、1~9の数字を1つずつ配置します。魔法陣では左上から順に数字を当てはめ、右下まですべてのマスが埋まれば探索可能です。
アルゴリズムを意識して子どもにプログラミング的思考を身に着けさせよう
アルゴリズムは効率的で質の良いプログラミングを行うためにも役立ちます。ぜひ、本記事で紹介した日常におけるアルゴリズムやコンピューターで用いられるアルゴリズムの一例などを参考に、子どものプログラミング的思考を育成してみてはいかがでしょうか。
[参照元]
プログラミング学習にかかる動向について(首相官邸ホームページ)
https://www.kantei.go.jp/jp/singi/it2/senmon_bunka/jinzai/dai7/siryou5.pdf