Scratchでのプログラミングを学習させるメリット 始め方や使い方も解説

2020年から小学校のプログラミング学習が必修となりました。その影響か、子どもでもプログラミング学習が手軽にできるScratchが注目されています。そこで、本記事ではScratchで学習するメリットや特徴などを紹介していきます。

この記事のポイント

Scratchとは?

Scratch(スクラッチ)とは、ビジュアルプログラミング言語の1つです。マサチューセッツ工科大学のメディアラボ、ライフロング・キンダーガーテン・グループが開発しました。

Scratchは難しいコードを書く必要がなく、直感的な操作で作品を作れるため、プログラミングが初めての方にもおすすめのプログラミング学習教材でしょう。すべての年代の方が使えますが、主に8歳から16歳の子どもたちが使えるようにデザインされています。

Scratchの変遷

Scratchは子どもたちが楽しくプログラミングを学ぶことを目的として作られました。

リリース当初は専用のソフトウェアが必要で開発環境の構築が必要でしたが、現在はWebブラウザで簡単に動くようになっています。

また、150以上の国と地域で利用されており、対応言語も60以上となっていて世界中で使われています。教育現場でも活用されており、小学校でのプログラミング学習が必修となった日本でも注目されているでしょう。

Scratchのプログラミングを学習させる12のメリット

Scratchは、子どものプログラミング学習の入門としておすすめの教材でしょう。その理由としては、手軽に学習を始められて、学習していくことによりプログラミング的な思考が自然と身につきやすいことが挙げられます。

また、大人や子どもにかかわらず、Scratchを学習することにはメリットがいくつもあります。そのメリットはどのようなものなのか、以下で詳しく見ていきましょう。

【1】誰でも無料で利用できる

Scratchは、誰でも無料で利用できる学習教材です。タブレット端末やパソコンなど、インターネットが利用できる環境があれば、誰でも手軽に始められます。

また、インターネットが利用できる環境にない場合でも、無料のオフラインエディターをインストールすれば利用可能です。

【2】英単語の勉強にもなる

Scratchを学習することは、プログラミングだけでなく英語の勉強にもなります。Scratchはアメリカで開発されているため、用語や命令文に英単語が含まれています。そのため、Scratchの学習を進めると英単語を自然に覚えられるでしょう。

また、Scratchは自分が作った作品を世界中に公開することもできます。その公開した作品に英語でコメントが書かれると、どのようなことが書かれているのかを知りたくなることでしょう。

そのとき、子どもはインターネットや辞書を使って単語の意味を調べることになります。そのような作業の積み重ねが、英単語学習につながるでしょう。

【3】子どもを飽きさせない要素がたくさんある

Scratchには、子どもを飽きさせない要素がたくさんあります。たとえば、Scratchの画面は子どもに受け入れられやすいかわいいデザインです。

また、ブロックを積み上げるように、ゲーム感覚でプログラミングを学習できることも、子どもが夢中になる要素の1つでしょう。

そして、Scratchはアイデアを出し合う共同作業が可能です。失敗しながらも、あれこれ友達とアイデアを出し合いながら1つの作品を作っていくことで、完成したときに大きな喜びとなるでしょう。

【4】物事を完成させる喜びを得られる

自分で一から作品を作ることで、子どもは物事を完成させる喜びを味わえるでしょう。たとえば簡単なゲームでも自分の手で作品を作れば、子どもは「自分で作品を作った」という達成感を味わえます。

また、共同で製作した作品が完成したときには、子どもたちはさらに大きな喜びを得ることでしょう。

【5】論理的な思考能力を育める

Scratchを学習していくことで、論理的な思考能力を育めます。2020年から小学校でのプログラミング学習が必修化されましたが、その背景には、IT人材の不足が影響しているといわれています。

そんなIT人材には、論理的な思考能力も必要となります。そして論理的思考を育むためには、自分で考えるような状況を作って経験していくことが大切です。

Scratchは作品を作ることを通して経験が積めるため、子どもが楽しみながら自然に論理的思考能力を育むために、よい教材だといえるでしょう。

【6】他の誰かを喜ばせることを経験させられる

作品を通して誰かを喜ばせる経験ができるのもScratchのメリットです。作品を作り終わって自分が満足するだけでなく、公開した作品を利用した人たちからの反響が、子どもの成長を促すことにつながるでしょう。

このとき、よい反響があれば子どもはやる気を出しやすくなります。そして、さらなる反響を求めて、もっとよい作品を作ろうと努力する可能性があります。

【7】高度なプログラミング言語に興味を持つきっかけになる

Scratchを学習していくことは、やがて高度なプログラミング言語に興味を持つきっかけになります。Scratchを通して自分が想像したものを作る楽しさや、自分の作品を誰かが評価してくれる嬉しさというプログラミングの楽しみが味わえます。

しかし、だんだん画面に慣れてくると、Scratchのような用意されたプログラミングでは物足りなさを感じて、飽きてくる子どもも出てくるでしょう。そして、より表現力のある高度なプログラミングに興味を持っていく子どもが出てくる可能性があります。

【8】子どもと一緒に楽しむ機会を作れる

Scratchは子どもだけでなく大人も楽しめます。そして、シンプルな構成になっているため、プログラミングに詳しくない人でも手軽に利用できます。

Scratchを子どもとシェアして利用し、一緒にゲームを作ったりときには競争して作品を作ったりして楽しめます。

Scratchを通して、家族で楽しい時間を共有することができるでしょう。

【9】子どもたちの想像力や創造性に気づく

Scratchを通して、子どもたちの想像力や創造性に気づくことも多いでしょう。

Scratchには、子どもの想像力や創造性を刺激する機能が充実しています。

大人は子どもがScratchに夢中になる姿や完成した作品を見て、その発想の素晴らしさを目の当たりにする可能性があります。

【10】大人でも十分に楽しめる

子どもの学習用に開発されたScratchですが、大人でも十分楽しめるツールです。Scratchには、幅広い表現方法があります。

Scratchで学習する子どもをサポートして見守るだけでなく、大人も一緒に参加してScratchを楽しみましょう。

【11】最先端のため保護者の参考にもなる

大人の目線でScratchを見てみましょう。

大人から見たScratchは、最先端の「学習ツール」としての姿だけでなく、「最先端のビジネスモデルのひとつ」という姿が見えてくるでしょう。

Scratchは高いIT技術を持つ集団による学習ツールで、コンセプトや完成後の展開から、ビジネスとして参考になるものがいくつもあるといわれています。

【12】情報が豊富にあり情報の更新も活発

子ども向けのプログラミング学習環境としてのScratchは、日本だけでなく世界中にユーザーがいます。Scratchのように世界中で多くのユーザーがいる言語は、情報が豊富にあり、情報の更新も活発です。

そのことから、世界的な規模で見てもScratchを学習することはメリットであるといえるでしょう。

Scratchの特徴4つ

Scratchは、難しい文法などを理解せずとも簡単にプログラミングができる学習ツールです。そのため、子どもでも楽しく学習できるさまざまな仕組みがあります。

ここでは、Scratchの特徴を4つ紹介していきましょう。

【1】階層の整ったプログラムに適している

Scratchでは、必要な階層が自然に整ったプログラムが作れます。

プログラミング言語では、一般的に文法や階層を意識することが大切です。こうした概念はプログラミングを使う場合は必要不可欠なことですが、子どもたちに学習させるのは難しいでしょう。

しかし、Scratchであれば概念を理解しなくても、ブロックをつなげていくことで階層が自然と整ったプログラムができます。

【2】遊び感覚でのプログラムが可能

Scratchはテキストでの入力ではなく、ブロックを組み合わせていくような構成になっており、視覚的にプログラミングを書けるようになっています。

そのため、ゲーム感覚でプログラミングを学習していくことが可能です。

【3】バグフィックスが簡単にできる

Scratchはバグの修正も簡単です。通常のプログラミングではバグが起こると「エラー」といった形で止まってしまい、どこにバグがあるのか探すことになります。

しかし、Scratchでは間違ったブロックを積み重ねても間違った動きを出力してくれるため、どこを修正すればよいかわかりやすいでしょう。ブロックごとに確かめて修正していくことができます。

【4】教科学習にも活用されている

Scratchは、算数や社会といった学校の教科学習にも活用されています。たとえば、正多角形の作り方を学ぶ、郵便の流れを学ぶなどです。このようにScratchを利用した授業は、日本でも実際に行われています。

Scratchでできること5つ

Scratchを利用すると、ゲーム作成やロボット制作などができます。また、アニメーション制作も可能で、Scratchにはできることがたくさんあります。

ここからは、Scratchでできることを5つ紹介していきます。Scratchの活用を検討してみましょう。

【1】プレゼンテーションやストーリー表現が可能

Scratchでは、プレゼンテーションやストーリー表現ができます。Scratchではブロックの組み合わせでキャラクターを動したり、画面を変化させたりという表現ができるようになっています。

さまざまな機能を組み合わせることで、自分の想像通りに表現できるようになるでしょう。

【2】キャラクターを楽しく動かせる

Scratchでは視覚的なプログラミングができるため、キャラクターを楽しく動かせます。たとえば、「動きの指示が書かれているブロックを繋ぎ合わせてキャラクターを右に回転させる」といった指示などです。

実際のプログラミングでは、こうした指示にコードを書く必要がありますが、Scratchであればマウスを使ってブロックを積み上げていくだけになります。

【3】作品を公開できる

Scratchは、「Scratch Community」というサイトを利用して作った作品を公開できます。

このScratch Communityは世界中からアクセス可能で、さまざまな人が公開した作品を見て楽しめるでしょう。

【4】海外の人たちにも楽しんでもらえる

Scratchは自分が作った作品を全世界に公開できるため、全世界の人に楽しんでもらったり、コメントをもらったりすることができます。もちろん、自分が世界の人が作った作品に触れることも可能です。

このように、世界中の人のさまざまな作品に触れることは刺激になるため、次の作品のアイデアがもらえるなど、子どもの想像力も広がっていくでしょう。

【5】リミックスツリーで比較できる

リミックスとは誰かが作った作品を引き継いで、改造を加えて発展させることです。そしてリミックスツリーは、作品がどのようにリミックスされたのか、どれくらい「好き」ボタンを押されたのかがわかるツールのことを指します。

リミックスツリーでは、自分の作品と改造された作品について比較もできるようになっているため、課題や改善点を見つけやすくなるでしょう。

パソコンのブラウザでのScratchプログラミングの始め方の手順

パソコンのブラウザ上でScratchを開始するのはとても簡単です。

Scratchの公式サイトにアクセスし、表示されたトップ画面の上の方にある「作る」という文字をクリックすれば、すぐにプロジェクトの作成を開始できます。

ScratchをWindowsのデスクトップアプリで始める手順3つ

Scratchは、インターネットに接続しなくても利用できます。ただし、WindowsのデスクトップアプリでオフラインのままScratchを利用するためには、アプリのダウンロードが必要です。

ここからは、WindowsのデスクトップでScratchを始める手順を見ていきましょう。

【1】Scratch公式ページを開く

ScratchをWindowsのデスクトップアプリで始める場合は、Windows用のアプリが必要です。

Windows用のScratchアプリをダウンロードするには、Scratchの公式ページへアクセスする必要があります。

【2】ダウンロードページに進む

Scratchの公式ホームページから、下にある「リソース」という項目の「ダウンロード」という文字をクリックしてください。

次に、「Scratchアプリをダウンロード」というページにアクセスしましょう。

【3】Windows用のアプリをダウンロードしてインストール

Windows用のアプリのダウンロード方法は2種類です。

1つは、上記で開いたページから直接ダウンロードする方法になります。もう1つは、Microsoft Storeで入手する方法です。ダウンロードが済んだら「.exeファイル」を実行しましょう。

子どもにScratchでのプログラミング学習を検討しよう

2020年、小学校で子どものプログラミング学習が必修になりました。子どもにどうやってプログラミングを学習させればよいか迷っている場合、手軽にできるScratchはおすすめです。

本記事で紹介した内容を参考に、Scratchでの子どものプログラミング学習を検討しましょう。子どものプログラミング学習について悩んでいる保護者の方は、ぜひ参考にしてください。

[参照元]

『小学校学習指導要領(平成 29 年告示)』(文部科学省)

https://www.mext.go.jp/content/1413522_001.pdf

『小学校プログラミング教育の趣旨と計画的な準備の必要について』(文部科学省 初等中等教育局)

https://www.mext.go.jp/content/20200210-mxt_jogai01-100013292_01.pdf

『小学校プログラミング教育に関する研修教材』(文部科学省)

https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/zyouhou/detail/1416408.htm

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