情報工学とは?勉強内容や授業例とあわせて就職先についても紹介
情報を効率よく活用するための技術を習得し、理解し、活用させるための先端技術者を養成するのが情報工学です。将来性も高く、専門的な知識や技術を使って社会で活躍できる分野でもあります。ここでは学問の特徴や内容、それらを活かす方法、進路などについて紹介します。
そもそも情報工学とは?
情報工学は、コンピュータコンピューターや情報処理に関する幅広い分野を研究する学問です。現代の生活は、身の回りに数多くの情報機器が組み込まれた製品がありますが、こうした情報の力を工学的に、使いやすく利用するための研究を行います。具体的には、データベースや使いやすいインターフェースの研究、バーチャルリアリティや人工知能の研究、半導体や集積回路、家電や工場の機械の制御などの研究があげられます。
身の回りで利用されている情報工学
パソコンや携帯電話から、家電製品、自動車、建築物に至るまで、私たちは情報の力を利用した製品に囲まれて暮らしており、こうした製品にも情報工学の知識や技術が活用されています。最近では、ドローン、ロボット、VR、人工知能などにも情報工学の技術や研究が応用されており、身近な生活に活かされる製品が次々に開発されています。このような機器を扱う情報工学は、将来的にも期待が高まる分野と言えるでしょう。
大学における情報工学の授業例
具体的に、大学などではどのような情報工学の授業が行われているのでしょう。主な授業として、いくつか具体例を挙げてみます。ハードウェアやソフトウェアの基本的構成を学ぶ計算機工学や、プログラミング言語を学ぶプログラミング基礎、データに関する研究を行う情報理論の他、数学を活用する情報数学や数学以外の情報科学、情報工学を扱う数理情報工学などの授業を学びます。
情報工学の学問と勉強内容3つ
情報工学は、基本原理や情報処理方式などを学ぶことによって、最先端のコンピュータに関する専門知識や技術を深めて、研究や実習を通じて、さらに発展させる力を身につけることができます。同じ情報工学部の中でも学科によって学びの内容が違ってきます。勉強内容は、これから紹介する3つの分野も含まれているので、理解しておきましょう。
【1】情報工学
情報工学では、コンピュータの基本構成、ソフトウェア理論、数理解析、計算物理学などを中心に学びます。コンピュータに関するあらゆる研究を行い、幅広い分野を学びます。プログラムの論理体系についての理解を深めるとともに、専門知識を活用することを可能にするため、人間の思考などに関連する総合的な学びも含まれます。
【2】情報通信工学
情報通信工学では、情報通信の基礎理論、信号処理・情報ネットワーク、計算アルゴリズムなどを学びます。プログラミング・情報理論・情報リテラシーといったソフトウェアと、理論回路・電気回路・通信工学といったハードウェアの両方を学ぶのが特徴です。半導体や回路系のハードウェア関連の就職に有利な部分もあります。
【3】情報システム工学
情報システム工学では、プログラミング技法、人工知能などを主に学びます。学校によって違いはありますが、基本的には幅広い情報工学の基礎を学び、高度な情報システム技術の研究を通じて創造力、実践力を高めていきます。 たとえば、情報技術、ロボット制御、生体システムといった内容が中心の学びで、専門知識やその活用方法を習得していくというものです。
情報工学の関連学問
情報工学は専門科目だけでなく、幅広い視野も大切になります。たとえば、心理学や人間の思考法、認知・学習機能など、人に関わる知識も必要となりますし、社会や地域の問題処理能力を持つためにはコミュニケーション能力も必要です。そのため少人数制の教育体制や、専門科目以外にキャリア形成科目、アクティブラーニングを取り入れるなどの取り組みをしている学校もあります。
情報工学のレポートやテーマの参考例
ある大学の例を参考にご紹介しましょう。情報工学では、様々な基礎実験を通じて力学、電磁気学、電子工学への理解を深め、実験結果の解析手法のレポートを作成することを通じて、情報工学の習熟へと向かいます。実習は、システムの構築や画像の補正、機械翻訳やプログラミング環境の試作などを時間内で行い、データを処理して論理的文章(レポート)にするといった流れでまとめていきます。
情報工学を学んで活かす方法
ソフトウェア関連の分野は進化の速度が速いため、学習したことを活かすことが難しい場合もありますが、半導体などのハードウェア関連の知識や技術は、数多くの電子機器に関わっているため、その基礎知識は一生活かすことができます。そのため、社会からの需要も多く、一般企業で各種技術者や設計者として働いたり、研究職やシステムアナリストとしての活躍の場が考えられるでしょう。また起業や海外での就職といった可能性もあります。
情報工学科のある大学を選ぶ時のポイント
最新のコンピュータ設備が備えられているか、最新の技術動向を学ぶことのできる講義があるかどうかを確認するのは、情報工学を学ぼうと考えている学生にとって大切なポイントです。また、志望する大学に、研究したいテーマに対応した研究室があるかどうかや、技術者向けの資格取得のためのバックアップ体制があるかどうかも調べておくとよいでしょう。
情報工学科卒業後の就職先
情報工学を学んだ場合、将来的にソフトウェア開発者やシステムエンジニア、プログラマーなどを目指すことが可能です。IT関連産業やソフトウェア、システム開発企業、電気、電子部品メーカーなどへの就職が想定されます。情報通信業界やITコンサルティング業界などへの就職の他にも、技術と知識を活かした研究職や起業、海外での就職も考えられるでしょう。
情報工学について理解しよう!
現在、コンピュータの進化は目覚ましく情報工学は将来性の高い分野です。あらゆる場面や電気機器にはIT技術が使われているため、情報工学系を学んだ学生はデジタル化促進人材としてとても注目されていると言われています。活躍の場も多く、学んだことを活かせる就職も可能なので、是非情報工学について理解を深めて、将来への可能性を広げてみましょう。