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必見!子どもの体 ~姿勢、視力、靴の選び方、ケガ…について専門家が解説!

必見!子どもの体 ~姿勢、視力、靴の選び方、ケガ…について専門家が解説!

【第1回】子どもの骨格と姿勢 成長のメカニズム

「子どもの体シリーズ」1回目のテーマは、子どもの成長に関すること。特に骨格と姿勢、子どもの骨格と歪みについて、慶応義塾大学医学部 整形外科 船山 敦先生に伺いました。
また、実践編として、慶応義塾大学病院リハビリテーション科スポーツ医学総合センターの理学療法士・今井 覚志先生に良い姿勢を保つための簡単なエクササイズも教えていただきました。
・姿勢の悪さが子どもの体に及ぼす影響について

1.子どもの姿勢が悪いのがとても気になります

姿勢は前から見た時と横から見た時、両方の見方がある。
前から見て曲がっている場合は側湾症、横から見た時曲がっている場合には猫背の可能性がある。

2.側湾症について教えてください

側湾症は前から見て、背骨が左右に曲がる病気。
軽度だと発見が遅れることがあるので、小学校での検診はとても重要。小学校高学年から中学校くらいの発症が多いといわれている。

3.他に姿勢が悪くなる原因は?

体が成長する時期に片方の肩に極端に重いかばんを持つと、体に負担をかけることになる。
体のためにはランドセルやリュックサックのような形がよい。

4.姿勢の悪さは、身体に影響しますか?

はっきりした因果関係はないが、体にとって自然な状態ではないことは確かなので、腰痛の原因になるとも言われている。
また、骨盤が傾くというような影響が出るという可能性もある。

5.身長について教えてください

身長が伸びる運動については、決定的なデータは今のところない。
ただ十分睡眠をとって、よく食べ、特にカルシウムを取るということは体のためにとても良いことだ。
また、骨盤が傾くというような影響が出るという可能性もある。

6.背の高さは遺伝しますか?

身長に関して親の遺伝的要素は約25%だと言われており、身長の高い低いは親の遺伝子の問題だけでない。
骨の成長には栄養・睡眠・運動のバランスが大事。

良い姿勢と悪い姿勢

1.猫背、腰が反る

良い姿勢とは耳から足の真ん中までが、一本の直線になるのが理想的な姿勢。
猫背は首と手が前に出て、骨盤や股関節から始まっているのが特徴。腰の反りも直線からの離れ具合でわかる。

2.姿勢を良くするストレッチ1:猫背

胸を張ると肩だけ反ってしまう。骨盤や股関節から直してあげるストレッチが大事。
一度イスに座らせてからやるストレッチが効果的。

3.姿勢を良くするストレッチ2:腰が反る

反った姿勢は腰のあたりの筋肉が緊張している状態なので、イスに座らせた状態からのストレッチが効果的。
勉強を長時間する場合には、15分に一度ストレッチをするとよい。

4.姿勢を保つための筋力をつける運動

姿勢を意識していても、疲れてまた元通りになってしまう場合がある。
その場合にはうつ伏せの状態からの運動が効果的。うつぶせで対角線の手足を10秒上げる運動を、一日20回するとよい。

【第2回】子どもの足SOS!靴の選びかた

子どもの足SOS!靴の選びかた

「子どもの体シリーズ」2回目のテーマは、子どもの足と正しい靴の選び方について。今、子どもの足に何かが起こっています。外反母趾や土踏まずのアーチが未成熟な子どもが増えていて、心や身体の発育に与える影響が懸念されています。子どもの足に合う靴とはどんな靴か?足に関する基礎知識と靴選びのポイントをご紹介します。

1.「足は第2の心臓」と言われる理由

足は心臓から最も遠いところにあり、歩行がポンプの役割をし、心臓まで血液を送る役割をする。そのために足裏のバランスを整え、正しい歩行をし、体に歪みを起こさないのが大切。

2.子ども靴の正しい選び方~実践編~

足に合った靴をはくと、姿勢がよくなる。選ぶポイントとしてはかかとがしっかりし、足指がのび、足の曲がるところで靴が曲がるか、紐やファスナーで足と一体化するか…などが重要。

【第3回】子どものケガ 予防と対策

子どものケガ 予防と対策

「子どもの体シリーズ」3回目のテーマは、子どものケガについて。特に成長期にある子どもは、身体がまだ出来上がっていないからこそ、ケガに注意する必要があります。
野球やサッカー、バレエなど子どもたちに人気のスポーツや習い事に多い代表的なケガの基礎知識と、ケガのリスクを減らすためのストレッチをご紹介します。

1.スポーツでケガをするのはどんなとき?

スポーツでケガをするのは自分の能力以上に無理をする時、また発育期に特定のスポーツしかやらないのも原因になる。
もし特定のスポーツ以外をするのが難しければ、外遊びで友達と一緒に体を使うことが大切。

2.代表的なスポーツ障害

野球をやっている子に発生しやすいリトルリーグ肘、サッカーやバスケットなどのオスグッド・シュラッター病、クラシックバレエのシンスプリントなどがある。

3.ケガをしてしまったら?

ケガをしたら、きちんと休養すること。治るまでおとなしくするのが重要。
プロでも休養するのだから、子どもは間違ってもだましだましやってはいけない。

4.成長痛の対処は?

成長痛は人によって出たり出なかったりするが、痛い時は本格的な激しいスポーツをするのはやめたほうがよい。

5.おすすめ!ストレッチ

>リトルリーガーによくみられる肩・肘の障害をふせぐためには、投げるフォームを改善することが必要。
サッカーは、足首を柔らかくすることが重要。
その他クラシックバレエのための膝周りのストレッチも紹介。

【第4回】子どもの目と視力 近視・遠視・乱視のメカニズム

子どもの目と視力 近視・遠視・乱視のメカニズム

「子どもの体シリーズ」4回目のテーマは、子どもの目と視力について。「うちの子、目が悪いみたいだけど…」「眼鏡はいつからかけさせればよいのかしら?」など、お子さまの目について、心配している保護者も多いのではないでしょうか。
西葛西井上眼科こどもクリニック所長・勝海 修先生に、子どもの目に関する注意ポイントと対処法について教えていただきました。

1.目と脳の関係

目の中に入った情報が脳に行くことによって、視力が作られる。そのためには1、2歳のうちから良い情報を網膜に入れて、良い刺激を与えることが重要。

2.目のトラブルの見つけ方は?

物を見るときに顔を傾ける、顎をあげる、頭を傾ける、目を細める…などの時には、視力が悪いなど何か目に異常があると考えたほうがよい。

3.目のトラブルのサイン

近視があって見づらい場合には目を細めるなど、また乱視の場合にも目を細めたりするほか、顔を傾けたりする場合がある。また片方の眼に弱視がある場合には、片方の顔を前に出すことがある。

4.現代社会は目に厳しい?

網膜にピントを合わせるためには水晶体の周りにある、毛様筋の動きが決め手になる。長時間使っていると毛様筋は肩コリ状態になり、ピントフリーズ現象が起こる。それが仮性近視。

5.近視について

遠くのものが見えなくて、近くのものが見えるのが近視。目に光が入ってきて、それが水晶体を通って屈折し、網膜の前でピントが結ばれるのが近視の特徴。

6.遠視について

遠視は目に入ってきた光が、網膜の後ろのほうでピントが結ばれる状態。理論上、目の後ろには何もないが、網膜上後ろでピントが結ばれる状態を指す。

7.近視と遠視の違いについて

近視は近くに行けばはっきり見えるが、遠視は近くに行けばもっと見えなくなる。きれいな像が目に入るのは、成長の第一歩。それが見えないという遠視は、子どもが小さいと弱視を起こす場合もある。

8.乱視について

眼球の中の水平方向・垂直方向の屈折力がラグビーボールを横にしたような状態が乱視。ただし多くの場合には眼鏡をかける必要はない。ただラグビーボールを縦にしたような倒乱視は視力に影響を与えやすい。

9.近視は遺伝するのか

近視の遺伝子はまだ発見されていない。なのでまずありえない。むしろ今は遺伝性よりも環境性の近視の場合が多く、環境因子によって強い近視が起こりやすい。

10.眼鏡をかける目安は?

小学校1~2年生の時には、かける必要がない。ただし小学校3年生以上で、普通の教室で真ん中くらいで黒板の字が見えればかける必要はないが、それが見えなければ教室の中だけかけることを考えたい。

11.眼鏡をかけると近視は進む?

眼鏡をかけると近視が進むとは、昔から言われている。眼鏡を作る場合には、矯正視力が1.0くらいになるようにしたい。あまり矯正を弱くすると異常調節するので、注意。

12.仮性近視の判断は?

暗いところでのゲームなどをやっていないかどうか聞き、まずそれをやめるように指導する。少し休むと視力が回復することは、よくある。まずはそれを試してみてから、仮性近視かどうかを判断する。

13.目が疲れた時の対処法は?

部屋の壁から3~5メートル離れたところに、自分の気に入った写真を貼り、それをリラックスしながら眺めるのがよい。また最近注目されているのは、カシス。それが入ったサプリメントを使うのもよいかもしれない。