夏休み中のお昼ごはんには、頭を悩ませがち。簡単でおいしくて「脳を育てる」レシピがあったら知りたいですよね。実は「育脳」レシピは必要食材を知れば簡単。ここでは「育脳」食材の基本と、夏にぴったりの簡単昼ごはんレシピを紹介します。
炭水化物
- おすすめ食材
雑穀、胚芽米(はいがまい)、オートミール、ライ麦パン
炭水化物(ブドウ糖)は脳を動かすガソリンの役割を果たします。
食物繊維、カリウム(野菜や果物、ヨーグルト)を一緒に取ると、急激な血糖値の上昇を抑え、脳に持続的にブドウ糖を送ることができます。
レシチン
- おすすめ食材
卵、うずらの卵の水煮、大豆、豆腐、高野豆腐、枝豆、きなこ、煮豆、ゆで小豆缶
卵や大豆製品に多く含まれているレシチンは、脳の神経伝達物質をつくります。脳内に神経伝達物質の数が多いほど、記憶のキャパが大きくなり、IQの高さに影響するといわれています。レシチンの流出を抑え吸収を助けるためには、野菜や果物でビタミンCを取り入れるのがおすすめ。
DHA・EPA
- おすすめ食材
青魚、まぐろの刺身、ツナ・さば・いわし・さんま等の缶詰、魚肉ソーセージ・ちくわ・はんぺん等の加工品、アマニ油
DHA・EPAは、脳の神経回路をつくる材料となる栄養素。体内で合成できない栄養素なので、毎日取り続けることが重要です。DHAとEPAは酸化すると十分な働きをしてくれないため、酸化を抑えるビタミンEを多く含む緑黄色野菜(ブロッコリー、サニーレタス、カボチャなど)を一緒に取りましょう。
ビタミンB12×クエン酸
- おすすめ食材
【ビタミンB12】豚肉、レバー
【クエン酸】レモン汁、酢
ビタミンB12は「血液のビタミン」とも呼ばれ、血液の状態をよくする働きがあります。豆製品にも入っていますが、豚肉やレバーなどに含まれる動物性のものは働きが強く、特におすすめ。そして、その吸収を高めるのがクエン酸。レモン汁やお酢を豚肉やレバーと一緒に食べる工夫をしてみてください。
ビタミンB群×亜鉛×色素成分
- おすすめ食材
【ビタミンB群】胚芽米、玄米、ビタミンB群が強化されたシリアル
【亜鉛】わかめ、ひじき、牡蠣(かき)、あさり
【色素成分】トマト、ナスなど
これらは脳全体の活性化を図る栄養素。この食べ合わせは代謝を高める働きがあり、炭水化物など摂取した栄養素の働きの即効性が上がります。ビタミンB群は上記の食材の他、ココア、粉末麦芽飲料もおすすめ。
育脳食材を理解したら、はさむだけレシピで簡単昼ごはん。育脳食材でストックを作っておいたり、親子で好きなものをはさんだりするのもいいですね。
- 材料(2人分)
- ・ライ麦パン…2枚
- ・ツナ(水煮缶)…2缶
- ・マヨネーズ…大さじ2
- ・トマト…1/2個
- ・枝豆…適量
- ・サニーレタス…1枚
- ・アマニ油…適量
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【1】ボウルにツナ、枝豆、マヨネーズを入れ、混ぜる。
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【2】ライ麦パンの上に、サニーレタス、薄切りにしたトマト、【1】をのせる。
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【3】アマニ油をかけて、ライ麦パンではさむ。
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【4】食べやすいサイズにカットする。
脳の神経細胞をつくる働きのあるアマニ油をかけるのがポイント。または代わりにアマニ油入りのマヨネーズを使えば、手軽に取れて便利です。アマニ油がなく普通のマヨネーズの場合は、ツナは水煮ではなくオイル漬けにしましょう。
◎育脳オープンツナサンド
パンに具材をのせ、トースターで焼き色が付くまで焼く。最後にアマニ油をかければ、育脳オープンサンドに。
- 材料(2人分)
- ・全粒粉パン…2枚
- ・卵…2個
- ・魚肉ソーセージ(子ども用)…1/2本
- ・マヨネーズ(あればアマニ油入り)…大さじ2
- ・冷凍ブロッコリー(解凍したもの)…2個
- ・塩・こしょう…適宜
【下準備】卵はゆで卵にし、冷凍ブロッコリーは解凍する。
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【1】ゆで卵はみじん切りにし、ボウルに入れ、魚肉ソーセージ、ブロッコリーをキッチンバサミで食べやすい大きさにカットしながら入れる。
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【2】【1】にマヨネーズ、塩・こしょうを加え、よく混ぜ合わせて全粒粉パンにのせてはさむ。
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【3】食べやすいサイズにカットする。
パンを食べるなら全粒粉パンやライ麦パンがおすすめ。DHA・EPAは加工品を使えば簡単に取れます。ただし、加工品は塩分・食品添加物が心配な食材でもあります。子ども用の魚肉ソーセージを使うとよいでしょう。
◎和風たまご魚肉ソーセージサンド
マヨネーズにポン酢を数滴たらす。パンにちぎったのりをのせてから、卵フィリングをはさめば和風に。
魚料理は何かと手間がかかって敬遠しがち。手軽にDHAなどの脳によい栄養を取るには缶詰もOK。塩分を取りすぎないよう、低塩分のものを選びましょう。
- 材料(1人分)
- ・めんつゆ(3倍濃縮)…25ml
- ・豆乳…120ml
- ・白すりごま…適量
- ・酢…小さじ2
- ・ごま油…小さじ1
- ・しょうが(すりおろし)…小さじ1/2
- ・さば(水煮缶)…1/2缶
- ・そうめん(ゆでたもの)…適量
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【1】ボウルに、めんつゆ、豆乳、白すりごま、酢、ごま油、しょうがを入れ、よく混ぜ合わせる。
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【2】さばを缶汁ごと加え、さばをつぶしながら混ぜる。
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【3】【1】を器に入れ、お好みで野菜(ミニトマト・ブロッコリーなど)をトッピングする。
DHAは油に流出しやすいので、オイル漬けは特に缶汁を使うとよいでしょう。今回は缶汁を味付けに利用。つけだれに豆乳を使うことで、脳の神経伝達物質をつくるレシチンを取ることができます。
◎担々風さばつけだれそうめん
つけだれに、みそ小さじ1/2、すりおろしにんにく小さじ1/2、ラー油数滴を足す(酢は入れない)と、担々風に
- 材料(1人分)
- ・ごはん(胚芽米または玄米)…適量
- ・さんまのかば焼き(缶詰)…1/2缶
- ・枝豆…5房
- ・ミニトマト…4個
- ・ピザ用チーズ…適量
【下準備】枝豆は、ゆでてさやから取り出しておく。
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【1】耐熱容器に温かいごはんを入れ、さんまのかば焼き、枝豆、半分にカットしたミニトマトをのせ、缶のタレをかける。
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【2】【1】にピザ用チーズをのせ、600Wの電子レンジで約1~1.5分加熱する。
脳を育てる栄養素がたっぷり入ったオールインワンレシピ。食欲がないときも、チーズのうまみでおいしく食べられます。
◎さんまの卵とじ丼
さんまの蒲焼、枝豆、トマトに卵を割り入れ、レンジで40秒ほど加熱し、一度混ぜたら再度30秒加熱。ごはんにのせて完成
子どもの育脳は、脳の成長期に何を食べたかということがとても重要になってきます。脳をよくするも、悪くするもすべては食事なのです。そう聞くと意外な感じがするかもしれませんが、脳の成長や働きに毎日の食事が深く関わっていることは事実です。今回の記事を通じて子どもの食事作りに生かしていただく際のヒントになればうれしいです。