お酢と重曹で海底火山を再現しよう!
- 対象学年(おすすめ年齢)…小学校高学年〜中学生
- かかる日数(目安)…1日〜
酢と重曹で起こる化学反応を海底火山に見立てた理科実験です。ボコボコと発生する泡は炭酸ガス(二酸化炭素)。酢に着色すると、酸とアルカリの反応も観察することができます。キッチンが、たちまち楽しい実験室に!
家にある材料で即実験スタート! 時間もかからないから、その日のうちに完了!
最初に容器に入れるのは酢と油。低学年なら、酢と油がそのままでは混ざらないことをまず発見するでしょう。重曹は油には溶けず、酢と混ざって炭酸ガス(二酸化炭素)を発生させます。ナスの皮で着色した酢を使うと、酢の色は赤から赤紫、青紫色へと色変わりします。これは液体が酸性から中性、アルカリ性へと変化した証拠です。
- (油に酢を加えて)2つに分かれて混ざらないね!
- 重曹は酢と油のどちらに溶けているかな?
- 泡の大きさが変わったみたいだよ
やってみよう!
かんたん実験方法と
ポイント
実験A − 基本編 −
- 酢(食酢)
- 油(サラダ油)
- 重曹(食用)
- 透明なプラ容器
- スプーン
-
透明な容器に1/3ほど油を入れる。
-
の容器に油と同量の酢を注ぎ入れる。
-
の容器にスプーン1杯分の重曹を、様子を見ながら少しずつ加えていく。シュワシュワと泡が発生しはじめる。
-
少し待つと、大きな泡が出てくる。泡につられて上がった酢が大きな玉になって下に落ちていく。
実験B − 発展編 −
- 酢(食酢)
- 油(サラダ油)
- 重曹(食用)
- 透明なプラ容器
- スプーン
- ナス(または紫キャベツ)
実験Aの酢に色をつけるため、ナスの皮を細かく刻んで酢に漬ける。
- ※皮を剥いたナスは、なるべく早く調理に使用してください。
- ※紫キャベツを使う場合、刻んで酢とともにポリ袋に入れて上からよくもむと鮮やかな赤色になり、紫、青色へと色変わりします。
-
まずは実験Aと同じように、油にナスの皮で着色した酢を注ぐ。
-
次はの容器にスプーン1杯分の重曹を、様子を見ながら少しずつ加えていく。シュワシュワと泡が発生しはじめる。
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少し待つと、着色された大きな泡が出てくる。泡につられて上がった酢が大きな玉になって落ちていく。
-
泡がなくなるころ、着色した酢が赤から青紫色に変色している。
- ※実験後の油は紙にしみ込ませて捨ててください。
- 重曹を多く入れると、あふれることがあるので注意
- 泡が現れてくるのは、重曹が酢に到達してから。タイミングに注目を
- 油に酢を注いだときの様子を詳しく観察する
- 加えた重曹が液体に沈み、溶けていく様子を観察する
- 発生する泡の大きさや量の変化に注目する
- 発生した泡が酢を少しずつ運んでいる様子を観察する
- 酢の玉の大きさと色の変化の関係にも注目しよう(実験B)
発展編では、酢の色水作りもお楽しみのポイント。濃度の違う色水を作って実験にトライ! 色の変わり方を比べてみて。
実験の様子をまとめよう
- 起こった変化をなるべく詳しく書く(どのくらいの時間で、どの程度の泡が、どんな勢いで発生して、どんな動きをして、何分くらい続いたか)。
- 実験でうまくいかなかった点があれば、そのときの状況と、その後何を変えたらうまくいったのかも記入する。うまくいかなかった理由、うまくいった理由も考察してみよう。
発展実験をしてみよう
- 小学生:発泡がおさまった容器に重曹や酢を足すとどうなるか。
- 高学年以上:油を入れないとどうなるか。発生したガスでビニール袋がふくらむか。実験Bにも挑戦。
- 中学生:実験Bも試す。重曹(炭酸水素ナトリウム)と酢(酢酸)、それぞれの性質について調べてまとめる。
※中2以上は化学式で表そう
コメントの書き方は個性に合わせて
- 気付いたことをたくさん書く
「酢と油は1つの容器に入れても混ざらない」「重曹を入れると、泡立つときにシュワシュワと音がした」など。実験で難しかった点、面白かった点、次回工夫してみたい点なども書き足していこう。 - 想像と違っていた点を書く
「重曹を入れてから泡が出てくるまでに、想像していたよりも時間がかかった」「酢の玉はもっと激しく動くかと思っていた。油の中をゆっくりと移動していた」など。 - 疑問や感想も書き込んで
「上がっていく液体はどうしてまん丸くなるんだろう」「ボコボコと玉になった液体が上下する様子に、本物の火山を見ている気分になった」など。
目の前でみるみるうちに変化する様子が楽しめる実験ですが、最初は思いどおりにいかないことも。けれど、失敗の中には成功につながる学びのヒントがたくさん! 写真を見ながらコツをつかんで、実験室気分でチャレンジしてみてください。
監修:白數哲久(昭和女子大学准教授)